【教員採用試験】千葉県・千葉市の模擬授業|実録15件のテーマ・当日の流れ・評価の観点(構想5分/実演6分)

こんにちは、金井志津乃です! 

千葉県の模擬授業って、テーマが当日発表で、しかも構想5分しかないんですよね? 6分の授業を5分で組み立てるなんて、頭が真っ白になりそうです……

大丈夫です。千葉県の模擬授業には、報告から見えてくる「型」があります。過去のテーマを並べると、教科の選択肢と「授業に埋め込む視点」の指定という2要素の組み合わせになっている例が多いことが見えてきます。型が分かれば、5分の構想でも手が止まりにくくなります!

この記事では、千葉県・千葉市公立学校教員採用候補者選考第2次選考の模擬授業について、受験者の報告15件の実際のテーマと当日の流れ、評価の観点への対応をまとめます。

この記事の根拠

  • 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を「令和9年度採用の報告」として追加収録
  • 令和6年度〜8年度採用(2023〜2025年夏実施)の受験者報告14件のテーマを、校種・教科別に収録
  • 当日の流れ(人数・構想時間・実演時間・メモの扱い・使えるもの)も、すべて受験者の報告から
  • 実施内容・配点・評価の観点は令和9年度採用の実施要項および「選考方針について」「別表」と照合済み
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に模擬授業つきで新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

模擬授業の形式|30秒でわかる基本情報

いつ第2次選考(令和9年度採用は小学校以外が8月16日〜18日、小学校が8月22日〜24日のいずれか指定された1日。特別臨時的任用教諭特例選考は8月22日に個別面接のみで、模擬授業はありません)
配点100点(個別面接と同額。令和9年度採用の「選考方針について」による。第2次選考の柱の1つ)
場所教室で実施(実施要項に明記)
人数受験者5〜8人のグループ、試験官2名という報告が多数
時間構想5分・実演6分(受験者報告でほぼ一致。実施要項に時間の記載はありません)
児童生徒役他の受験者が児童生徒役をするという報告が多数あります。試験官は後ろで見ていて、児童役はやらないという報告です。
テーマ当日、試験会場で提示されたという報告が多数です(課題が書かれたA4用紙が配られる)。ただし保健体育では「試験前にテーマが出る」という報告もあります。
順番受験番号の若い順という報告が多数。構想メモは一度回収され、自分の番になったら返却されるという報告が複数。
使えるもの白と黄色のチョークのみという報告あり(令和8年度採用・小学校)。令和9年度採用の第2次選考案内では、模擬授業への教材・教具・小物の持ち込みは不可とされています。
始め方学年・教科・単元名を宣言してから始めるという報告が多数です。授業のどの部分を扱ってもよいという報告が多数。
例外他県等現職特例選考・元教諭特例選考B・特別臨時的任用教諭特例選考は個別面接のみで、模擬授業はありません。社会人特別選考は模擬授業ではなくプレゼンテーション。千の葉の先生養成塾生特別選考は令和9年度採用から模擬授業がなくなり、個別面接と適性検査のみ。幼稚園教諭特別選考の模擬授業は低学年想定。

※出典:令和9年度採用 実施要項「7 第2次選考(2)選考内容」、千葉県教育委員会「令和9年度 選考方針について」
人数・時間・進め方は令和6年度〜8年度採用の受験者報告にもとづく情報です(実施要項には記載がありません)。

当日の流れ|受験者の報告から時系列で再現

  1. 教室に受験者5〜8人と試験官2名。説明のあと、課題が書かれたA4用紙が配られる。
  2. 構想5分。用紙に授業案(略案・指導案・MEMO欄)をメモできる。特別支援教育では、対象生徒の①障害種②学部③学年④生徒の実態⑤授業の内容をこの5分で書く。
  3. 時間が来るとメモは試験官に回収される(「指導案を作成し一旦提出」「1番目の受験者以外の紙は回収」という報告)
  4. 受験番号の若い順に実演。自分の番になると、構想時のメモが返却される。
  5. 実演の冒頭で学年・教科・単元名(特別支援は対象生徒の設定も)を宣言してから、6分間の授業
  6. 自分以外の受験者は児童生徒役として参加。試験官は後ろで見ている。

また、受験者を三等分し、模擬授業・個別面接・適性検査を順番に回ったという報告があります(令和6年度採用・小学校。区分によって第2次選考の内容は異なります)。「私は模擬授業→個人面接→適性検査の順でしたが、別の順番のグループもありました」という報告があります。模擬授業が先か、面接が先かは、当日まで分からない場合があります。

この「順番が分からない」というのが、実は千葉県対策の重要ポイントです。模擬授業が先だった方は、面接で「模擬授業の出来はどうでしたか」と聞かれた報告があります。逆に面接が先なら、模擬授業に面接の緊張を引きずらないこと。どちらの順番でも大丈夫なように、両方の気持ちの切り替え方を決めておいてください。

【令和9年度採用(2026年夏実施)の報告】実際に出た質問

令和9年度採用(2026年夏実施)の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、追質問(→)までそのまま収録しています。

小学校|模擬授業(構想5分・実演6分・指導案の作成なし)

  • 国語・算数のどちらかで授業をしなさい。(学年や単元は自由)

出典:当ブログの受験報告フォーム(2026年10月14日時点・この自治体の報告1件)。校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。

【実録】実際に出たテーマ(令和6年度〜8年度採用)

受験者の皆さんからご提供いただいた、実際のテーマです。校種・教科ごとにまとめました。

小学校

  • 【令和6年度採用】算数か社会で、主体的な活動を取り入れた授業を行ってください。
    (試験官2名・受験者5名/課題が書かれたA4用紙が配られ構想5分〈用紙に授業案をメモ可・時間がきたら回収〉→受験番号の若い順にメモを返却され6分/学年と教科と単元名を宣言して開始/試験官は後ろで見ていて児童役ではない)
  • 【令和6年度採用】算数科または理科(学年指定なし)の授業を行ってください。
    (構想5分で指導案を作成し一旦試験官に提出/実演は1人6分/新卒と一般の受験者が混ざって7名で実施し、1名が実演するとき残り6名が児童役/試験官2名)
  • 【令和7年度採用】算数か理科から1つ選んで、学習指導要領に沿った授業を6分間行ってください。
    (報告者は算数5年「分数のたし算」を実施)
  • 【令和8年度採用】教科は算数か理科の指定。授業のどこの部分をやってもよい。
    (受験者7名・試験官2名/お題は試験会場で提示/1人6分/使ってよいのは白と黄色のチョークのみ/構想5分〈メモ可〉後メモは回収、自分の番に返却/受験番号の若い順/実施者以外は児童役、試験官は児童役をやらない)

特別支援教育

  • 【令和6年度採用】主体的、対話的、深い学びで、国語や算数(数学)の授業を6分間行ってください。
  • 【令和6年度採用】生徒の主体性を考えて、国語か算数の授業をしなさい。
    (構想5分・授業6分/7〜8名で実施し授業者以外が生徒役/はじめに課題の書かれた紙が渡され、対象生徒の①障害種②学部③学年④生徒の実態⑤授業の内容を構想時間内に紙に書き、授業のはじめに説明する)
  • 【令和6年度採用】主体的な学びを取り入れた授業を行ってください。国語か算数から科目を選択。学年、単元、障害種別、児童の実態は各自で設定してください。
    (構想5分・実施6分/他の受験生が模擬授業をしている間は生徒役をする)

中学校・高等学校(中高共通)

英語

  • 【令和6年度採用】学習指導要領に沿った内容で、主体的・対話的で深い学びを踏まえた50分間の授業構想を書き、その一部を実演しなさい。(実演の冒頭で対象学年と単元を言う。実演では構想の中のどの部分を取り扱ってもよい)
    (6〜8人グループで発表し合う/構想5分・実演6分/構想5分後、1番目の受験者以外の紙は回収され、順番で実演の際のみ返却/配られるA4用紙の〈MEMO〉欄に50分間の授業構想を書く/発表は受験番号順)
    ※同じグループの受験者が選んだ学年と単元:高校1年「関係代名詞what」/中学2年「to不定詞(副詞的用法)」/中学2年「比較級(倍数表現)」/中学1年「want to do」/中学2年「動名詞」/中学3年「関係代名詞which」/高校1年「仮定法過去」。
  • 【令和6年度採用】主体的、対話的を入れた授業を行ってください。
    (略案を5分で書いて6分の授業/8人1グループ〈4人は一般受験、4人は講師の先生方〉)
  • 【令和6年度採用・ALTとの模擬授業】2つの会話から1つ選び、その会話を展開しながら授業を行ってください。
    (打ち合わせ4分、授業6分)

保健体育

  • 【令和6年度採用】学習指導要領に沿った授業をしなさい。
    (8人で1グループ/5分間でまず授業の構想をメモし、その後受験番号順に1人6分間)
  • 【令和6年度採用】「子供達が主体的で対話的な深い学びになる授業をする」(保健の授業)。
    (テーマは試験前に提示され、ここ2年間は同じだったとの報告/事前に用意してきた保健の授業を6分間/中学校・高等学校どちらでもよい)
  • 【令和7年度採用】自分の好きな学校種・単元で授業を行ってください。
    (当日、試験会場で配布された紙に授業のメモ書きを書く時間が5分程度/7〜8人のグループで、発表者以外は生徒役)

美術

  • 【令和6年度採用】主体的な授業(教科)を行ってください。

数学(高等学校)

  • 【令和7年度採用】新学習指導要領に基づいた授業を行ってください。また学習課題と育成したい資質・能力を明記してください。

千葉県・千葉市の模擬授業の実録は2026年10月14日時点で15件(うち1件は令和9年度採用。ALTとのティーム・ティーチングの1件は件数に含めず別掲)です。特に令和7・8年度採用の報告が少ないので、受験された方のテーマ報告がこのページを大きく育てます。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

テーマの読み方|千葉県は「教科の選択肢」+「視点の指定」

確認した報告には、教科の指定に加えて、授業で重視する視点が指定された例が多くあります。千葉県の模擬授業テーマは、おおむね2つの要素の組み合わせと捉えると整理しやすいです。

要素校種別の実際準備すべきこと
①教科の指定(選択肢つき)小学校:「算数か社会」「算数科または理科」「算数か理科」——報告のある4件すべてに算数が入り、もう1教科は理科または社会(令和9年度採用の報告では「国語・算数のどちらか」)
特別支援教育:「国語や算数(数学)」「国語か算数」——報告のある3件すべてが国語と算数(いずれも令和6年度採用)
中高:自分の受験教科(保健体育は保健の授業という指定あり)
小学校は算数・理科・社会の3教科に加えて、令和9年度採用の報告にある国語も、特別支援は国語・算数で、それぞれ1本ずつ用意しておくと安心
②授業に埋め込む視点の指定「主体的な活動を取り入れた」「主体的、対話的、深い学びで」「生徒の主体性を考えて」「主体的・対話的で深い学びを踏まえた」「学習指導要領に沿った」「新学習指導要領に基づいた。また学習課題と育成したい資質・能力を明記」「主体的」を含むテーマが14のテーマ中8つ、「学習指導要領」が4つ。視点の指定がない年度・校種の報告もあるが、この2つが出る場合を想定して準備しておく。

つまり千葉県の模擬授業は、教科の知識だけでなく、主体的・対話的で深い学びをどのように授業で形にするかにも目を向けて準備しましょう。受験者の報告では、「一人で考える時間」「ペア・グループで話し合う時間」「机間指導」を6分の中に入れることが挙がっています。実際、ある受験者は「過去問等によると『前時の復習』『めあてを書き線で囲む』『1人で考えさせる時間』『ペア・グループで考えさせる時間』『机間指導』が重要だそうで、今回も受験者は全員これを行っていました」と報告しています。

6分は短いです。だからこそ「テーマの言葉を、授業のどこで形にするか」を1か所決めてください。「主体的」なら、子どもが自分で選ぶ・決める場面を1つ。「対話的」なら「隣の人と話してみて」を1回。試験官は後ろで見ているので、「ここがテーマに対応する場面だな」と分かるように設計するんです。全部を入れようとして時間切れになるより、1か所を確実に見せるほうが評価されやすいと考えられます。

模擬授業の評価の観点(千葉県教育委員会「別表 評価項目ごとの観点」より)

○人間性

  • 表情や動きに明るさや温かさがあるか。
  • 児童生徒の考えや意見をしっかりと受けとめているか。

○資質・情熱

  • 柔軟性に優れ、時と場に応じた指導ができているか。
  • 児童生徒の気持ちに配慮しながら理解を深め、信頼を築こうとしているか。
  • 児童生徒の興味関心や発言を引き出すための工夫をしているか。

○指導力

  • 児童生徒の考え等をよく把握し、わかりやすい授業を行っているか。
  • 授業のねらいが明確で、説明・発問が簡潔明瞭か。
  • 児童生徒の発達段階と場に応じた指導をしているか。

出典:千葉県教育委員会「別表 評価項目ごとの観点」(令和9年度採用)
配点は100点(令和9年度採用の「令和9年度 選考方針について」)。

この観点、よく読むと8項目のうち5項目が「児童生徒」から始まっています。「児童生徒の考えや意見をしっかりと受けとめているか」「児童生徒の興味関心や発言を引き出すための工夫」「児童生徒の考え等をよく把握し」——つまり千葉県の評価の観点は、子どもがどう動いたかにも目を向けていると読めます。他の受験者が児童生徒役をしてくれるのですから、その反応を拾わない授業は、この5つの観点で評価されにくくなると考えられます。

6分の授業をどう組むか|私が採用試験でやったこと

私自身、高校地歴の採用試験で模擬授業を受けて合格しました。そのときに意識していたポイントと、その後たくさんの受験生を指導してきて分かったことを、千葉県の評価の観点に対応させながらお話しします。

① 先生としての雰囲気(→「表情や動きに明るさや温かさがあるか」)

  • 声の大きさ:教室のどこに座っていても聞こえる大きさか
  • 目線:教室の隅々まで、どこの席に座っている子にも目を配れているか
  • 話すスピード:早口すぎないか・聞き取れるか
  • 姿勢:猫背で自信なさそうに話していないか

これは一人で練習しても分かりにくいところです。私のおすすめは、家でいいので自分の授業を自撮りして、客観的に見返すこと。私自身、YouTubeの動画を撮っていて「自分、全然イケてないな」と思うことがしょっちゅうあります。撮っているときには気づかなかった改善点が、映像にすると一目で分かるんです。

② 授業の構成(→「授業のねらいが明確で、説明・発問が簡潔明瞭か」)

  • 目標を示す:「この授業の終わりに、こういうことが説明できるようになっていたら目標クリアだよ」と、授業の軸になる目標を最初に明示する。千葉県は「めあてを書いて線で囲む」を全員がやっていたという報告があります。
  • 授業の流れを最初に示す:「まずこれを見て、次にこれが分かると、最後にこれが説明できるようになるよ」と1時間の流れを伝える。これは先を見通せないと集中力を保つのが難しい子にとって、有効な手立てでもあります。
  • 興味関心を引きつける工夫:自分の身近なもの、自分に関係があると思えること、子どもたちの文化に切り込む

3つ目について、私が実際にやった例をお話しします。産業革命の模擬授業で、いきなり「みんな、自分の制服の繊維をよく見てみて」と言ったんです(生徒役はおらず面接官だけの場で、演技として行いました)。「この1枚の布は、1本1本の糸がどんなふうに交わっている?」と絵に描いてみるよう促し、「この布を手作りするの、めちゃくちゃ時間かからない?」と。そこから産業革命に入っていきました。

子どもの目の前にあるものから入る——これが導入の一番簡単で強い型です。千葉県は6分と短いので、導入と展開の入口が勝負どころになると考えられます。

③ 授業者としてのスキル(→「児童生徒の興味関心や発言を引き出すための工夫」)

  • 対話を2種類入れる:教師と子どもの対話(「どうなってた?」)と、子ども同士の対話(ペアワーク・グループワーク)。千葉県のテーマには「対話的」が繰り返し入り、受験者の報告でもペア・グループの話し合いは全員が行っていたとされています。
  • 机間指導を入れる:受験者報告でも「机間指導」は全員がやっていたとのこと。1人で考える時間に教室を回り、「いいところに気づいたね」と声をかけながら戻るだけで、観点の「児童生徒の考え等をよく把握し」につながると考えられます。
  • 意欲・自己肯定感を高める言葉かけ:子ども役が答えたあとに「面白いことに気づいたね」と返す。これは演じることでアピールできると考えられます。

千葉県は他の受験者が児童生徒役になってくれるので、対話は本当に成立します。手を挙げてくれる、困ったふりをしてくれる——この反応をどう拾うかが「柔軟性に優れ、時と場に応じた指導ができているか」の評価に関わると考えられます。

合格する模擬授業の3要素

ここからは、基本ができている前提で「他の受験生より高い評価を得るために必要なこと」です。私が個別指導で模擬授業をお手伝いした方のうち、高校のある教科で2名という少ない枠を合格された方も、この3つをすべてクリアされていました。

  1. 子どもが見える——その人の模擬授業を見ると、普段どんなふうに子どもと関わっているかが透けて見えます。子どもたちを見る視線の温かさ。そして、想定している子どもの反応と疑問がリアルかどうか。見る側が「こんなにスムーズには進まないだろう」と感じるような想定で組んだ授業は、現場でも多分うまくいきません。
  2. 意図が見える——なぜそのタイミングでその発問をしたのか。なぜその立ち位置なのか。なぜそこで板書したのか。一つひとつの行動に理由がある授業は、見ている側にも意図が読み取れるものです。逆に評価が伸びない授業は、意図を汲み取ろうとしても汲み取れない。理由なく何となく進めているからです。
  3. その人らしさが光る——この授業を通して子どもに何を学んでほしいか、何を感じてほしいか、どんな力を身につけてほしいか。その人なりの思いが授業に出ていること。知識を注入するだけの授業ではなく、「この内容を学んで、どうするの?」に自分の答えを持っていることです。

この3つは、千葉県の評価の観点の「児童生徒の考えや意見をしっかりと受けとめているか」「児童生徒の気持ちに配慮しながら理解を深め、信頼を築こうとしているか」(子どもが見える)、「授業のねらいが明確で、説明・発問が簡潔明瞭か」(意図が見える)、「表情や動きに明るさや温かさがあるか」「児童生徒の興味関心や発言を引き出すための工夫をしているか」(その人らしさ)に、対応させて考えることができます。

落ちる授業と受かる授業の違いは、実演で見るのが一番早いです。同じ単元を、知識を一方的に説明する授業と、生徒の当事者感を引き出す導入の授業で比べています。

模擬授業の基本の作り方は、全国共通の記事にもまとめています。あわせてどうぞ。

■ 教員採用試験の模擬授業対策|評価されるポイントと授業の組み立て方

校種別のひとこと

小学校|報告では算数が選択肢に入ることが多い

報告のある4件すべてで「算数」が選択肢に入っています。もう1教科は理科(3回)または社会(1回)。算数を軸に、理科と社会で1本ずつ——これらは令和6年度〜8年度採用の報告を踏まえた準備例です。令和9年度採用では国語・算数という報告もあるので、過去の3教科だけで必ず対応できるとは限りません。学年指定がない年もあるので、自分が一番語れる学年・単元を決めておくと構想5分が楽になります(報告者の例:算数5年「分数のたし算」)。

特別支援教育|「対象生徒の設定」を5分で書く練習を

特別支援教育は、構想5分の中で①障害種②学部③学年④生徒の実態⑤授業の内容を書き、授業のはじめに説明する形式の報告があります。教科は国語か算数(数学)で、報告のある3件すべて共通。「この5項目を1分で書き切る」練習を、時間を計ってやっておくことをおすすめします。設定を作り込みすぎると、6分の授業に入る前に時間を使い切ってしまうことがあります。

そして、面接では「特別支援教育における学力向上についてどう考えますか。また、どう実践しますか」「千葉県の特別支援教育について知っていることを教えてください」と聞かれています。模擬授業で設定した「生徒の実態」を、面接でそのまま語れるようにしておくと一貫します。

中学校・高等学校|「50分の構想を書いて、一部を実演」の年に注意

令和6年度採用の英語では「50分間の授業構想を書き、その一部を実演」という形式でした。つまり構想5分で1時間ぶんの略案を書き、そのうちどこを6分で見せるかを自分で選びます。これは「導入だけ」「山場だけ」を選べるということでもあり、腕の見せどころです。実演の冒頭で対象学年と単元を言うのを忘れずに。

教科の専門性については、私はこう考えています。専門性が低いと、面白い授業をするのは難しいです。「英語の授業を面白くできない」と悩む受験生には、「まず自分が面白いと思えるまで専門を勉強してみて」とお伝えしています。模擬授業の質は、結局そこに戻ってきます。

英語|ALTとのティーム・ティーチングの報告があります(令和6年度採用)

中高共通・英語には、模擬授業とは別に実技検査があります。報告によると、試験室に日本人試験官とALTが1人ずついて、まず英語面接(2〜5問。「What made you decide to be an English teacher?」は毎年必ず聞かれるという報告)、そのあとALTと4分間の打ち合わせ→6分間のティーム・ティーチング実演。2つのシチュエーション(体調について/週末の予定について)から1つを選び、そのダイアログを用いて授業を構成します。実演では日本人試験官が生徒役になったという報告です(令和6年度採用)。

実技検査の内容は、第1次選考の結果通知とともに該当者に知らされ、7月下旬〜8月上旬に千葉県教育委員会のホームページにも掲載されます(令和9年度採用の要項では、令和8年度採用の実技検査の内容も県HPに掲載するとされています)。第1次選考免除の方はホームページで確認してください。

模擬授業のあと(または前)に、個別面接があります

千葉県の第2次選考は、模擬授業(100点)・個別面接(100点)・適性検査を、受験者を三等分し、順番を変えて回ったという報告があります(令和6年度採用・小学校)。模擬授業が先だった方は、面接で「模擬授業の出来はどうでしたか」と冒頭で聞かれた報告があります。

ここで「できませんでした」で終わらせないでください。個別面接の評価の観点の1つ目は「自らの課題を認識し、前向きに努力しようとしているか」。「◯◯を狙って△△をしました。ただ□□が足りなかったので、次はこうします」と言えれば、観点に沿った答えになると考えられます。移動しながらでいいので、よかった点と直したい点を1つずつ言葉にしておきましょう。

■ 千葉県・千葉市の面接|実録3年分・受験者16名の質問と5年間の出題傾向

よくある質問

Q. テーマはいつ分かりますか?

A. 当日、試験会場で提示されたという報告が多数です。課題が書かれたA4用紙が配られ、そこから構想5分という報告です。ただし保健体育では「試験前にテーマが出る、ここ2年間は一緒」という報告が1件あります(令和6年度採用)。実技検査のある教科は、第1次選考の結果通知とともに実技の内容が知らされるので、その案内は必ず確認してください。

Q. 学年や単元は自分で決めるのですか?

A. はい。「学年指定なし」「学年、単元、障害種別、児童の実態は各自で設定」「自分の好きな学校種、単元で」という報告があります。実演の冒頭で、学年・教科・単元名を宣言してから始めます。自分が一番いい授業をできる学年・単元をあらかじめ決めておくことをおすすめします。構想5分は、単元選びに使う時間ではありません。

Q. 6分で授業が終わらなかったら減点ですか?

A. 報告では、6分で「1時間の授業」を終える必要はないとされています。報告では「授業のどこの部分をやってもよい」「構想の中のどの部分を取り扱っても構わない」とされています。つまり6分で見せる範囲を自分で切り取るのが前提です。導入からめあての提示、1人で考える時間、ペアでの話し合いまで——ここまでを6分に収める設計をおすすめします。

Q. 児童生徒役の受験者は答えてくれますか?

A. はい。実演者以外の受験者全員が児童生徒役をします(試験官は児童役をやりません)。つまりあなたも、他の人の授業では児童生徒役をやります。ここも見られている可能性があります。他の受験者の授業に協力的に参加する姿は、評価の観点の「協調性」(個別面接・集団面接の観点)につながると考えられます。

Q. チョークや教材は使えますか?

A. 令和8年度採用・小学校の報告では「使ってよいのは白と黄色のチョークのみ」とされていました。教室で実施され、黒板が使えるという報告がありますが、色チョークを前提にした板書計画は組まないほうが安全です。令和9年度採用の第2次選考案内では、模擬授業への教材・教具・小物の持ち込みは不可とされています。当日の指示にも従ってください。

Q. 構想メモは回収されるのに、どうやって授業するのですか?

A. 自分の番になると返却された、という報告が複数あります。「時間がきたら試験官に回収されます。受験番号の若い順で模擬授業を行います。始める前に先ほど書いたメモを返却され、模擬授業6分を開始します」という報告があります。ただし、報告では回収されてから自分の番までメモを見られないとされています。8人グループなら、1人6分で計算すると最後の人は40分以上待つ計算になります。メモに頼らず頭に入る程度の構想にしておくのがコツです。

Q. 模擬授業がない受験区分はありますか?

A. あります。他県等現職特例選考・元教諭特例選考B・特別臨時的任用教諭特例選考は個別面接のみで、模擬授業はありません。千の葉の先生養成塾生特別選考は令和9年度採用から模擬授業がなくなり、個別面接と適性検査のみになりました。そして社会人特別選考は模擬授業ではなくプレゼンテーションを実施します(配点は模擬授業と同じ100点とされています。令和9年度採用の「選考方針について」より)。

■ 千葉県・千葉市の特別選考と一次免除ルート|ちば夢チャレンジ・講師等特例・他県等現職・千の葉の先生養成塾・加点制度

Q. 模擬授業の判定は教えてもらえますか?

A. 第2次選考の不合格者は、「個別面接判定及び模擬授業判定(いずれも4ランク表示)」を口頭で聞くことができます。受験者本人が本人確認書類を持って千葉県教育庁教職員課(千葉県庁中庁舎8階)へ行く必要があり、期間は結果発表日から1か月間(土日祝を除く午前10時〜正午、午後1時〜5時)。「面接と模擬授業のどちらが足りなかったのか」の手がかりになるので、次の年のために聞きに行くことをおすすめします(令和9年度採用の要項に基づく内容です。年度ごとに要項で確認してください)。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

模擬授業のテーマは、令和9年度採用の要項や公式の案内では確認できていません。受験した方の報告でしか集まらない情報です。千葉県・千葉市を受験された方は、ぜひ次の年の受験生のために「何を、何分で、どんな条件でやったか」を教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム

■ 千葉県・千葉市の面接カードの書き方|個別面接30分で深掘りされる欄を実録から逆算
■ 千葉県・千葉市の倍率|令和9年度採用の志願状況・最終結果と5年間の推移

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