こんにちは、金井志津乃です!

福岡県って小学校が1倍台って本当ですか? でも私は養護教諭志望で、そっちは16倍って聞いて……同じ県なのに、そんなに違うんですか?

本当です。福岡県は校種と教科で倍率が10倍以上違う県です。しかも「どこで落ちるか」も区分ごとに全然違っていて、令和8年度採用では、志願者に対する二次受験者の割合が特別支援で約97%、養護教員で約13%と大きく違いました(一次免除者などを含む人数の比較です)。公表資料から一つずつ読み解いていきますね!
この記事では、福岡県公立学校教員採用候補者選考試験の倍率について、令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況・第一次試験結果と、令和8年度採用の最終結果、そして4年間の推移を、校種別・教科別にまとめます。
この記事の根拠
- 数字はすべて福岡県教育委員会が公表した資料(志願状況・第一次試験結果・第二次試験結果)と文部科学省の実施状況調査から。推定値は使っていません。
- 合計欄など、公表値から当ブログが計算した数字にはすべて「当ブログ集計」と明記しています
- 北九州市・福岡市は福岡県とは別に採用試験を実施しています。この記事の数字に両市は含まれていません。
- 面接で「実際に聞かれた質問」は別記事にまとめています →福岡県の個人面接|実録3年分の質問と傾向
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
福岡県教育委員会が「志願状況」で公表している競争率は「志願者数÷採用予定数」です。この記事の基本もこの定義に統一しています。ただし推移表では文部科学省の全国調査(競争率=受験者数÷採用者数)を使うため、定義が変わります。定義が変わるところには、そのつど注記を入れていますので、表の下の注も必ず読んでください。
- 令和9年度採用の競争率は小学校1.5倍・中学校2.4倍・県立高校6.2倍・特別支援学校1.9倍・養護教員16.6倍
- 校種を合計すると志願3,388人(障がい者特別選考の志願12人を含む)・採用予定1,195人・2.8倍(令和9年度採用・当ブログ集計)
- 教科差が極端:中学校は技術0.5倍・理科1.0倍・国語1.2倍・英語1.2倍に対し保健体育6.4倍・社会4.8倍
- 県立高校も書道16.0倍・保健体育14.1倍・地理歴史(歴史)13.8倍に対し農業1.6倍・工業1.9倍・英語2.4倍
- 令和8年度採用(2025年夏実施)は志願3,144人 → 二次受験1,636人 → 二次合格1,197人。二次合格者数の区分計÷二次受験者数の区分計で約73%(当ブログ集計。併願合格を含むため、実人数ベースの合格率とは限りません)。
- ただし志願者に対する二次受験者の割合は区分でまったく違う。特別支援は約97%、養護教員は約13%(令和8年度採用・当ブログ集計。一次免除者などを含み、一次の通過率そのものではありません)。
- 令和9年度採用の最終結果(9月25日発表)は志願3,376人 → 二次受験1,744人 → 二次合格1,370人(当ブログ集計・二次合格者数は併願合格を含む)。二次合格者数の区分計÷二次受験者数の区分計で約79%(併願合格を含むため、実人数ベースの合格率とは限りません)。
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
令和9年度採用(2026年夏実施)の志願状況と一次結果
福岡県教育委員会は「志願状況」を小・中・養護・栄養(資料1)と高等学校・特別支援学校(資料2)に分けて公表しています。そこに第一次試験結果を並べたのがこちらです。
| 試験区分 | 志願者 | 採用予定 | 競争率 | 一次合格者 |
|---|---|---|---|---|
| 小学校(一般) | 768人 | 550人 | 1.5倍 | 701人 |
| 小学校(英語有資格者) | 39人 | 35人 | ||
| 小学校 計 | 807人 | 550人 | 1.5倍 | 736人 |
| 中学校 計 | 811人 | 340人 | 2.4倍 | 562人 |
| 県立高等学校 計 | 1,118人 | 180人 | 6.2倍 | 380人 |
| 特別支援学校 | 192人 | 100人 | 1.9倍 | 148人 |
| 養護教員 | 415人 | 25人 | 16.6倍 | 52人 |
| 栄養教員 | 45人 | 若干名 | — | 7人 |
| 合計(当ブログ集計) | 3,388人 | 1,195人 | 2.8倍 | 1,885人 |
※競争率=志願者数÷採用予定数(教育委員会公表値)。栄養教員の採用予定は「若干名」のため合計の採用予定数に含まれません。志願者数は関東会場実施分の現職教員特別選考志願者を除きます。一次合格者数には第一次試験免除者を含み、大学3年生チャレンジ特別選考の合格者は含みません(いずれも第二希望としての併願合格者を含みます)。合計行は当ブログが資料1・資料2を合算したものです。志願者数には障がいのある人を対象とした特別選考の志願者(12人)が含まれますが、同選考の採用予定「15名程度」は一般選考の採用予定数には含まれません。
出典:福岡県教育委員会「令和9年度教員採用候補者選考試験志願状況(資料1・資料2)」「令和9年度第一次試験結果」
このほか、実施要項に含まれる久留米市立高等学校(数学)は志願4人・採用予定1人で4.0倍、古賀(古賀竟成館)高等学校は地理歴史(歴史)が志願4人・採用予定1人で4.0倍、英語が志願2人・採用予定1人で2.0倍でした(一次試験結果のPDFには両校の記載がありません)。また障がいのある人を対象とした特別選考(志願者数は上の表の各区分に含まれます)は志願12人(中学校国語2・中学校社会1・中学校理科2・養護教員1・県立高校地理歴史2・県立高校情報1・特別支援学校3)に対し、採用予定15名程度、一次合格9人でした。

採用予定1,195人は、一次合格者1,885人の約63%に相当します。ただし、採用予定人数を一次合格者数で割った比率であり、一次合格者の最終合格率ではありません。
中学校の教科別|技術は「定員割れ」、保健体育は6.4倍
| 中学校の教科 | 志願者 | 採用予定 | 競争率 | 一次合格者 |
|---|---|---|---|---|
| 国語 | 62人 | 50人 | 1.2倍 | 63人 |
| 社会 | 192人 | 40人 | 4.8倍 | 110人 |
| 数学 | 94人 | 45人 | 2.1倍 | 92人 |
| 理科 | 48人 | 50人 | 1.0倍 | 59人 |
| 音楽 | 39人 | 10人 | 3.9倍 | 26人 |
| 美術 | 28人 | 20人 | 1.4倍 | 27人 |
| 保健体育 | 257人 | 40人 | 6.4倍 | 96人 |
| 技術 | 8人 | 15人 | 0.5倍 | 8人 |
| 家庭 | 16人 | 15人 | 1.1倍 | 17人 |
| 英語 | 67人 | 55人 | 1.2倍 | 64人 |
| 計 | 811人 | 340人 | 2.4倍 | 562人 |
※出典:福岡県教育委員会「令和9年度志願状況(資料1)」「令和9年度第一次試験結果」。
競争率=志願者数÷採用予定数(公表値)。一次合格者が志願者を上回る教科があるのは、一次合格者数に第二希望としての併願合格者と第一次試験免除者が含まれるためです。
この表は「福岡県で教員になる」という目標だけで見ると、かなり衝撃的です。技術は採用予定15人に対して志願8人——志願者が採用予定を下回っています。理科は1.0倍、国語・英語は1.2倍、家庭は1.1倍。一方で保健体育は6.4倍、社会は4.8倍と、同じ中学校でも6倍以上の開きがあります。
県立高校の教科別|書道16.0倍から農業1.6倍まで
| 県立高校の教科 | 志願者 | 採用予定 | 競争率 | 一次合格者 |
|---|---|---|---|---|
| 国語 | 83人 | 30人 | 2.8倍 | 54人 |
| 地理歴史(歴史) | 138人 | 10人 | 13.8倍 | 18人 |
| 地理歴史(地理) | 30人 | 5人 | 6.0倍 | 14人 |
| 公民 | 51人 | 7人 | 7.3倍 | 21人 |
| 数学 | 168人 | 25人 | 6.7倍 | 52人 |
| 理科(物理) | 58人 | 6人 | 9.7倍 | 19人 |
| 理科(化学) | 50人 | 6人 | 8.3倍 | 15人 |
| 理科(生物) | 33人 | 4人 | 8.3倍 | 9人 |
| 保健体育 | 281人 | 20人 | 14.1倍 | 53人 |
| 音楽 | 11人 | 1人 | 11.0倍 | 3人 |
| 美術 | 10人 | 1人 | 10.0倍 | 4人 |
| 書道 | 16人 | 1人 | 16.0倍 | 4人 |
| 家庭 | 25人 | 5人 | 5.0倍 | 10人 |
| 農業 | 8人 | 5人 | 1.6倍 | 6人 |
| 工業 | 29人 | 15人 | 1.9倍 | 24人 |
| 商業 | 23人 | 2人 | 11.5倍 | 7人 |
| 情報 | 21人 | 2人 | 10.5倍 | 6人 |
| 英語 | 83人 | 35人 | 2.4倍 | 61人 |
| 計 | 1,118人 | 180人 | 6.2倍 | 380人 |
※出典・定義は中学校の表と同じ。
県立高校は全体で6.2倍と、小学校・中学校・特別支援学校より競争率が高い区分です。特に書道(採用予定1人)・音楽(1人)・美術(1人)・商業(2人)・情報(2人)は採用予定が1〜2人しかないため、志願者が少し増えるだけで倍率が跳ね上がります。逆に農業1.6倍・工業1.9倍・英語2.4倍・国語2.8倍は、令和9年度採用の志願状況では高校のなかで倍率が低めの教科でした。

採用予定が1〜2人の教科は、倍率という数字だけでは有利・不利を判断しにくい。採用予定が1人か2人かで人数は異なり、予定数と実際の合格者数が一致するとも限りません。こういう区分を受ける方にお伝えしたいのは、倍率は自分の力ではどうしようもないということ。倍率より、自分の努力でできる準備に集中しましょう。
令和9年度採用の最終結果|二次受験1,744人→二次合格1,370人(併願合格を含む)
令和9年度採用の第二次試験の結果は2026年9月25日(金)に発表され、校種・教科別の「第二次試験結果」も公表されました。障がいのある人を対象とした特別選考を除く区分の合計(当ブログ集計)で、志願3,376人・二次受験1,744人・二次合格1,370人です。二次合格者数には、第二希望としての併願合格者が含まれます(教育委員会の注記)。令和8年10月時点で県は倍率を公表していないため、当ブログで計算すると二次受験者数÷二次合格者数で1.3倍(令和8年度採用は1.4倍)、志願者数÷二次合格者数では2.5倍(令和8年度採用は2.6倍)です。合格者が1,197人→1,370人(約14%増)と、二次受験者の伸び(1,636人→1,744人、約7%増)より大きく増えたため、二次の合格率は73%→79%に上がりました。
| 試験区分(令和9年度採用) | 志願者 | 二次受験者 | 二次合格者 | 二次受験者数÷志願者数 | 二次合格者数÷二次受験者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校(一般) | 768人 | 636人 | 568人 | — | — |
| 小学校(英語有資格者) | 39人 | 33人 | 30人 | — | — |
| 小学校 計 | 807人 | 669人 | 598人 | 83% | 89% |
| 中学校 計 | 806人 | 518人 | 426人 | 64% | 82% |
| 高等学校 計 | 1,115人 | 360人 | 197人 | 32% | 55% |
| 特別支援学校 | 189人 | 140人 | 120人 | 74% | 86% |
| 養護教員 | 414人 | 50人 | 28人 | 12% | 56% |
| 栄養教員 | 45人 | 7人 | 1人 | 16% | 14% |
| 合計(当ブログ集計) | 3,376人 | 1,744人 | 1,370人 | 52% | 79% |
※合計は障がいのある人を対象とした特別選考(令和9年度は二次受験9人・二次合格3人)を除く区分の合計で、前年(令和8年度採用)の表と同じ範囲です。二次合格者数は第二希望としての併願合格者を含みます。志願者数・二次受験者数・二次合格者数は教育委員会公表値。表の「二次受験者数÷志願者数」「二次合格者数÷二次受験者数」、本文の倍率(二次受験者数÷二次合格者数)はいずれも当ブログ算出です。二次合格者数には第二希望としての併願合格者を含むため、教科によっては合格者数が二次受験者数を上回ります(例:中学校国語は二次受験58人・二次合格59人)。このほか障がいのある人を対象とした特別選考(志願12人・二次受験9人・二次合格3人)があり、これを含めた合計は志願3,388人・二次受験1,753人・二次合格1,373人です。久留米市立高校・古賀竟成館高校の分は含みません。
出典:福岡県教育委員会「令和9年度福岡県公立学校教員採用候補者選考試験第二次試験結果」(令和8年9月25日)
令和8年度採用の最終結果|志願者・二次受験者・二次合格者の人数は区分でまったく違う
令和8年度採用(2025年実施)の公表資料には、志願者数・二次試験受験者数・二次試験合格者数が掲載されています。以下はその人数を比較した表です。一次免除者や欠席者、第二希望の併願合格者が含まれるため、一次・二次で何割の人が落ちたかを示す表ではありません。
| 試験区分 | 志願者 | 二次受験者 | 二次合格者 | 二次受験者数÷志願者数 | 二次合格者数÷二次受験者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校(一般) | 659人 | 553人 | 494人 | — | — |
| 小学校(英語有資格者) | 74人 | 66人 | 64人 | — | — |
| 小学校 計 | 733人 | 619人 | 558人 | 84% | 90% |
| 中学校 計 | 781人 | 477人 | 335人 | 61% | 70% |
| 高等学校 計 | 1,107人 | 344人 | 179人 | 31% | 52% |
| 特別支援学校 | 152人 | 147人 | 106人 | 97% | 72% |
| 養護教員 | 314人 | 41人 | 17人 | 13% | 41% |
| 栄養教員 | 57人 | 8人 | 2人 | 14% | 25% |
| 合計(当ブログ集計) | 3,144人 | 1,636人 | 1,197人 | 52% | 73% |
※志願者数・二次受験者数・二次合格者数は教育委員会公表値。表の「二次受験者数÷志願者数」「二次合格者数÷二次受験者数」はいずれも当ブログ算出です。一次免除者や欠席者等が含まれるため、一次通過率そのものではありません。二次合格者数には第二希望としての併願合格者を含みます。このほか「障がいのある人を対象とした特別選考」は志願13人・二次受験8人・二次合格2人。
出典:福岡県教育委員会「令和8年度福岡県公立学校教員採用候補者選考試験第二次試験結果」
この表が、福岡県のいちばん重要な事実を教えてくれます。
- 特別支援学校:志願152人・二次受験147人・二次合格106人でした。147÷152は約97%ですが、一次試験の通過率そのものではありません。
- 小学校:志願733人・二次受験619人・二次合格558人でした。619÷733は約84%、558÷619は約90%ですが、個人ベースの一次・二次の通過率とは限りません。
- 中学校:志願781人・二次受験477人・二次合格335人でした。これらの数値から「一次で4割、二次で3割が落ちた」とは言い切れません。
- 高等学校:志願1,107人・二次受験344人・二次合格179人でした。344÷1,107は約31%、179÷344は約52%ですが、一次の不合格割合や二次で落ちた人数の割合そのものではありません。
- 養護教員・栄養教員:二次受験者数÷志願者数は約13%・14%、二次合格者数÷二次受験者数は約41%・25%です。一次免除の区分もあるため、すべての受験者に筆記の上位成績が必要とは言い切れません。

「福岡県の倍率は?」と一言で答えられない理由がこれです。特別支援・小学校志望の方は、面接と模擬授業の準備に力を入れることをおすすめします。逆に高校・養護・栄養志望の方は、まず筆記で上位に入る計画を立てておくと安心です。同じ県でも、準備の重点が変わる場合があります。
令和8年度採用の教科別 最終結果
| 中学校 | 志願者 | 二次受験者 | 二次合格者 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 83人 | 64人 | 56人 |
| 社会 | 183人 | 85人 | 44人 |
| 数学 | 89人 | 68人 | 54人 |
| 理科 | 51人 | 51人 | 49人 |
| 音楽 | 38人 | 25人 | 13人 |
| 美術 | 20人 | 18人 | 16人 |
| 保健体育 | 234人 | 100人 | 40人 |
| 技術 | 5人 | 4人 | 3人 |
| 家庭 | 19人 | 20人 | 20人 |
| 英語 | 59人 | 42人 | 40人 |
| 計 | 781人 | 477人 | 335人 |
| 高等学校 | 志願者 | 二次受験者 | 二次合格者 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 70人 | 46人 | 30人 |
| 地理歴史(歴史) | 119人 | 24人 | 10人 |
| 地理歴史(地理) | 34人 | 12人 | 6人 |
| 公民 | 58人 | 18人 | 10人 |
| 数学 | 169人 | 32人 | 20人 |
| 理科(物理) | 50人 | 14人 | 6人 |
| 理科(化学) | 54人 | 16人 | 6人 |
| 理科(生物) | 35人 | 11人 | 4人 |
| 保健体育 | 270人 | 45人 | 21人 |
| 音楽 | 11人 | 4人 | 1人 |
| 美術 | 7人 | 5人 | 2人 |
| 書道 | 19人 | 5人 | 1人 |
| 家庭 | 32人 | 6人 | 3人 |
| 農業 | 11人 | 9人 | 5人 |
| 工業 | 40人 | 27人 | 13人 |
| 商業 | 23人 | 7人 | 2人 |
| 情報 | 28人 | 9人 | 4人 |
| 英語 | 77人 | 54人 | 35人 |
| 計 | 1,107人 | 344人 | 179人 |
※出典:福岡県教育委員会「令和8年度 第二次試験結果」。
二次合格者数には第二希望としての併願合格者を含むため、中学校家庭のように二次受験者・合格者が志願者を上回る教科があります(高校から中学校へ、中学校から特別支援学校へなどの併願者が合流するためです)。
教科別の公表値は、中学校理科が志願51人・二次受験51人・二次合格49人、中学校英語が59人・42人・40人、中学校国語が83人・64人・56人です。高校の地理歴史(歴史)は119人・24人・10人、高校保健体育は270人・45人・21人でした。二次合格者には第二希望の併願合格者を含むため、同じ受験者集団の通過率を示すものではありません。
4年間の推移|受験者も採用者も減っている
令和8年10月時点で、福岡県教育委員会のホームページでは過去年度の実施結果PDFの一部が確認できず、県公表の数字で長期の推移を追うことが難しい状況です。そこで文部科学省が毎年公表している全国調査から、福岡県分の4年間(令和4年度〜7年度採用)を並べます。
この推移表は文部科学省の定義(受験者数÷採用者数)です。前半で使った県公表の競争率(志願者数÷採用予定数)とは分子も分母も違いますので、前の表の数字と直接は比べられません。分母が「採用予定」ではなく「実際の採用者」、分子が「志願者」ではなく「実際に受験した人」になっている、と考えてください。
| 採用年度(実施年) | 受験者数 | 採用者数 | 競争率 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度(2021年夏) | 3,456人 | 1,222人 | 2.8倍 |
| 令和5年度(2022年夏) | 3,475人 | 1,330人 | 2.6倍 |
| 令和6年度(2023年夏) | 3,075人 | 1,182人 | 2.6倍 |
| 令和7年度(2024年夏) | 2,919人 | 1,051人 | 2.8倍 |
※競争率=受験者数÷採用者数。
出典:文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況(第2表 各県市別受験者数、採用者数、競争率)」令和4年度〜7年度採用。
令和3年度採用のPDFは画像のため数値を取得できず、4年分としています。
| 校種別の競争率 | R4 | R5 | R6 | R7 |
|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 1.3 | 1.4 | 1.3 | 1.6 |
| 中学校 | 2.6 | 2.2 | 2.0 | 2.2 |
| 高等学校 | 8.3 | 8.0 | 6.8 | 5.6 |
| 特別支援学校 | 2.1 | 1.6 | 2.1 | 1.5 |
| 養護教諭 | 7.4 | 9.0 | 13.3 | 20.9 |
| 栄養教諭 | 7.0 | 10.0 | 12.0 | 30.5 |
| 合計 | 2.8 | 2.6 | 2.6 | 2.8 |
| 採用者数の推移 | R4 | R5 | R6 | R7 |
|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 582人 | 635人 | 523人 | 441人 |
| 中学校 | 350人 | 401人 | 401人 | 311人 |
| 高等学校 | 144人 | 140人 | 153人 | 180人 |
| 特別支援学校 | 96人 | 107人 | 74人 | 102人 |
| 養護教諭 | 41人 | 39人 | 24人 | 15人 |
| 栄養教諭 | 9人 | 8人 | 7人 | 2人 |
| 合計 | 1,222人 | 1,330人 | 1,182人 | 1,051人 |
※出典:文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況(第2表)」令和4年度〜7年度採用。
R4=令和4年度採用(2021年夏実施)…R7=令和7年度採用(2024年夏実施)。
小学校:受験者は779人→696人と減りましたが、採用者も582人→441人と減っているため、競争率は1.3〜1.6倍で横ばい。「小学校は年々受かりやすくなっている」わけではありません。
高等学校:かつては8倍台でしたが、採用者が144人→180人に増え、受験者も1,198人→1,006人に減ったことで令和7年度採用は5.6倍まで下がりました。令和9年度採用の採用予定は180人でした。高校を狙う方にとっては、採用者数が増えた時期は追い風になると考えられます(採用予定数は年度ごとに変わります)。
養護教諭・栄養教諭:ここが福岡県で特に動いている区分の一つです。養護教諭の採用者は41人→39人→24人→15人と4年で3分の1に。その結果、競争率は7.4倍→20.9倍に急騰しました。栄養教諭も9人→2人で30.5倍。採用者数の減少が倍率上昇の主な要因と考えられます。ただし、受験者数も養護教諭は305人から313人、栄養教諭は63人から61人へ変化しています。令和9年度採用の養護教員の採用予定は25人(志願415人・16.6倍)と、令和7年度より少し戻しています。

倍率は自分の力ではどうしようもないところです。倍率が高い年ほど「これで受かったらすごい」と捉えて、自分がコントロールできる準備に集中してください。1分の動画にまとめています。
二次で落ちる人の共通点|校種別に違います
令和8年度採用の数字で言えば、二次受験者数の区分計は1,636人、二次合格者数の区分計は1,197人でした(合格者数には第二希望の併願合格者を含むため、差の439人を不合格者の実人数とは断定できません)。福岡県の二次は模擬授業(A〜D)・個人面接(A〜E)・実技・英語面接。要項には「模擬授業がC以上の者の中から、個人面接による人物評価を重視し」と書かれています。つまり模擬授業でDを取らないことと面接で人物を伝えきることの2点が大切になると考えられます(実技のある教科は実技試験の成績、英語は英語面接も重視されます。養護教員は模擬授業がなく養護実技が課されます)。
合格に届かない方には、校種ごとの傾向があると感じています。小学校は「厳しさと優しさのメリハリ」「ユーモアと臨機応変さ」「明るさ・元気さ」の3つのいずれかが欠けているケース、中学校・高校は「人間性と教科の専門性のどちらかが欠けている」ケースが多いです。
■ 福岡県の個人面接|実録3年分・受験者10名の質問と5年間の出題傾向
■ 福岡県の模擬授業|実録10件のテーマと「学級活動の一斉指導」の型
特別選考・特例で「一次が免除される」人もいます
福岡県の倍率を読むときに見落とせないのが、第一次試験が免除される受験者の存在です。令和9年度採用の一次合格者1,885人には、この免除者が含まれています(一方、大学3年生チャレンジ特別選考の合格者は含まれていません)。
| 第一次試験がすべて免除 | 【特例ⓕ】第一次試験合格者特例(前年度の一次合格者・大学3年生チャレンジ合格者)/(参考)[特別選考Ⅰ]現職教員・[特別選考Ⅱ]元正規教員は、教職教養・特別支援専門が免除で、専門教科は「高等学校教員受験者のみ実施」(※12)とされています。高等学校以外の校種の扱いは要項に明記がないため、出願前に福岡県教職員課へ確認してください(この行の「すべて免除」に当てはまるとは言い切れません)/[特別選考Ⅲ]スポーツ成績優秀者/[特別選考Ⅳ]高度専門職経験者/[特別選考Ⅴ]教職大学院修了(予定)者/[特別選考Ⅵ]大学等推薦 |
| 教職教養が免除 | 【特例ⓐⓑⓒ】教職等経験者(現職者・正規教員/講師等経験者・国際貢献活動経験者等) |
| 専門教科が免除 | 【特例ⓓⓔ】英語有資格者A・B(英検準1級/1級、TOEIC730/900など。令和6年4月1日以降に合格・取得したものに限る)/【特例ⓐⓑⓒ】のうち中学校の技術・家庭を受験する人(中特併願者を除く) |
| 一次のみ受験 | [特別選考Ⅶ]大学3年生チャレンジ特別選考。合格すれば翌年、同じ試験区分・教科で受験する場合に【特例ⓕ】で一次が全て免除に。 |
| 点数加算 | 第一次試験の専門教科の得点に加算。小学校の英語資格15点、養護教員の看護師免許15点、特別支援学校教諭免許・司書教諭資格5点など。 |
※出典:令和9年度採用 実施要項「3 特例申請」「4 特別選考」「5 試験区分及び選考区分別の試験項目及び免除等について」「8 点数加算について」
要件と申請方法、そして「自分はどのルートか」を判定するフローチャートの読み方は、専用記事にまとめています。
■ 福岡県の特別選考・特例と一次免除ルート|大学3年生チャレンジ・現職・講師・社会人・点数加算
よくある質問
Q. 令和9年度採用の最終倍率はどうなりましたか?
A. 第二次試験の合格発表は令和8年9月25日(金)に行われ、「第二次試験結果」(校種・教科別の志願者数・二次受験者数・二次合格者数)も公表されました。県は倍率を公表していませんが、当ブログで計算すると二次受験1,744人÷二次合格1,370人=1.3倍です(障がいのある人を対象とした特別選考を除く。二次合格者数は第二希望としての併願合格者を含む)。なお令和9年度採用では、関東会場で実施される現職教員特別選考(小学校・中学校・特別支援学校)は日程が別で、出願は9月1日〜9月24日(受付は終了)、試験は11月中旬、合格発表は11月下旬と要項に示されています。
Q. 倍率が低い校種は「受かりやすい」と考えていい?
A. 半分は正しく、半分は危険です。令和8年度採用で見ると小学校は二次受験者に対する二次合格者の割合が約90%、特別支援学校は約72%——確かに高いです(併願合格者を含む人数の比で、個人ベースの合格率とは限りません)。でも裏を返せば、特別支援学校は二次受験者147人のうち合格者が106人で、倍率が低くても、二次で一定数が絞られている年があるということ(併願合格者を含む人数の比較です)。倍率が低い区分では、二次の準備が結果を左右しやすいと考えられます。模擬授業と個人面接の準備は早めに始めることをおすすめします。
Q. 不合格でも点数は分かりますか?
A. はい。実施要項に「第一次及び第二次試験で不合格となった者については、試験結果を通知する際、全員に各試験内容の得点及び評価を併せて通知します」とあります。模擬授業A〜D、個人面接A〜Eという評価が返ってくるので、次にどこを直せばいいかが分かります。しかもこの評価は、翌年度に【特例ⓕ】第一次試験合格者特例を使えるかどうかにも関わります(令和9年度採用の要項では、県立高校・養護・栄養はB以上、中学校・特別支援学校はC以上。小学校教員希望者の評価要件は要項に記載がありません。令和10年度採用の要件は、必ず当該年度の実施要項で確認してください)。
Q. 併願はできますか?倍率に影響しますか?
A. できます。実施要項では中小併願(中学校→小学校)・高中併願(県立高校→中学校。国語・地理歴史・公民・数学・理科・音楽・美術・保健体育・家庭・英語の希望者が対象)・中特併願(中学校→特別支援学校中学部)・高特併願(県立高校→特別支援学校高等部)・養小併願(養護教員→小学校)の5パターンが認められています(令和9年度採用から養小併願が新設)。併願者は併願先の試験項目もすべて受験する必要があります。公表される合格者数には第二希望としての併願合格者が含まれるため、中学校家庭のように二次受験者・合格者が志願者を上回る教科が出てきます。
Q. 北九州市・福岡市の倍率は含まれていますか?
A. 含まれていません。北九州市立学校・福岡市立学校の教員は、それぞれの市教育委員会が別に採用試験を実施しています。この記事の数字はすべて福岡県(北九州市・福岡市を除く)のものです。なお実施要項には久留米市立高等学校・古賀(古賀竟成館)高等学校が含まれており、志願状況にも別枠で掲載されています。
Q. 採用予定数はいつ発表されますか?
A. 実施要項には「採用予定数は、4月初旬までに福岡県のホームページ『教員採用』のページに掲載する予定」と書かれています。令和9年度採用の出願期間は3月27日〜5月22日で、出願が始まる段階では採用予定数がまだ出ていない日程でした。令和9年度採用では、教科を迷っている方が4月初旬の発表を待ってから出願する選択肢もありました。令和10年度採用の日程は、必ず当該年度の実施要項で確認してください。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
倍率は公表資料で追えますが、「実際に面接で何を聞かれたか」「模擬授業でどんなテーマが出たか」は受験した方の報告でしか集まりません。福岡県を受験された方は、ぜひ次年度の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
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