【教員採用試験】神戸市の小論文(論作文)|誰に課されるのか・過去の出題テーマと書き方

こんにちは、金井志津乃です! 

神戸市の過去問集を買ったら小論文のページがあったんですが、要項には小論文って書いていなくて……。結局、私は書くんでしょうか?

とても良い疑問です! 答えは「区分によります」。2027年度採用(令和9年度採用)の実施要項で確認できる範囲では、神戸市で小論文があるのは臨時的任用教員継続勤務者区分だけなんです。まずここをはっきりさせましょう。

この記事の根拠

  • 誰に小論文が課されるか・時間・配点は、2027年度(令和9年度採用)実施要項の配点表と注記から
  • 出題テーマの傾向は、市販の全国版過去問集に収録された神戸市の小論文(令和4・5年度採用)を当ブログで分析(課題文は転載していません)
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

まず結論|あなたに小論文はあるか

2027年度採用の実施要項には、第1次選考の配点表にこう注記されています。「臨時的任用教員継続勤務者区分の受験者には、第1次選考筆記試験時に小論文試験を実施します」。つまり、この区分以外の方に小論文を課すという記載は、この要項では確認できません(教員免許状を持たない者を対象とした特別選考などは要項本体に詳細がないため、採用ホームページで確認してください)。

出願区分第1次選考の科目小論文
臨時的任用教員継続勤務者区分小論文(80分・60点)+集団面接(180点)=240点満点あり
一般区分教職・一般教養(50分・70点/合否判定には不使用)+専門教科(80分・120点)+集団面接(120点)なし
社会人経験者区分/臨時的任用教員区分/第Ⅱ区分合格者区分専門教科(80分・120点)+集団面接(120点)なし
他自治体等正規教員経験者区分/直近3か年1次合格者区分/大学等推薦区分その他集団面接(240点)なし
現職教員区分/任期付・補欠合格者区分/第Ⅰ区分合格者区分/大学等推薦区分第Ⅰ区分合格者第1次選考すべて免除なし
離職者を対象とした特別選考第1次選考すべて免除(実技も免除)なし
大学3年生等早期チャレンジ選考専門教科(80分)+教職・一般教養(50分)+集団面接なし

※出典:2027年度(2026年度実施)神戸市立学校園教員採用選考試験 実施要項「一般選考 選考概要」「第1次選考 試験内容・試験時間・配点等」。
特別支援学校キャリアチェンジ特別選考・障害者特別選考は、準拠する出願区分に従います。

ここで一番気をつけてほしいのは、「筆記が免除でラッキー」ではないということ。臨時的任用教員継続勤務者区分は、専門教科(120点)のかわりに小論文(60点)+集団面接が180点という配点になります。240点満点のうち4分の1が小論文。しかも他の区分の人は書かないので、同じ小論文を書くのはこの区分の少数の受験者だけです。対策をおすすめします。

臨時的任用教員継続勤務者区分の基本情報

実施日第1次選考の筆記試験と同日(2027年度採用は2026年6月13日(土))/会場は神戸市内(後日通知)
時間・配点80分・60点(第1次選考は小論文60点+集団面接180点=240点満点)
出願要件①2016年4月1日〜2026年3月31日の10年間に、神戸市教育委員会所管の教育機関で正規教員・臨時的任用教員(常勤)・任期付教員として通算5年以上(休職・育児休業等により勤務実態のない期間を除く)
②出願時に神戸市の臨時的任用教員(常勤)または会計年度任用教員(非常勤)として勤務し、2027年3月31日まで勤務見込み
③所属の長(神戸市立学校園長等)の推薦
早い期限に注意推薦依頼書を4月8日(水)10時〜4月22日(水)17時までに所属の長へ提出。校園長が推薦書を5月12日(火)9時までに提出(提出先は要項で確認)。推薦依頼書の期限(4月22日)は電子申請の締切(5月10日)より約2週間半早いので、先に動く必要があります。
提出書類臨時的任用教員継続勤務者区分エントリーシート(一般のエントリーシートとは別様式。神戸市教育委員会HPからダウンロード)
校種・教科出願する校種・教科等と異なる勤務経験でも受験可能
実績令和8年度採用で新設され、初年度は受験93人・正規合格30人。2027年度採用の志願者は67人。

※出典:2027年度実施要項、神戸市教育委員会「2026年度教員採用選考試験(夏実施)の結果」「2027年度神戸市教員採用選考志願状況」。
令和9年度採用の実施要項では、字数の指定を確認できません。実施要項のよくある質問に「筆記試験(適性検査除く)については、本市のホームページで公開しています」とあるので、必ず神戸市のホームページ(採用情報のページ)で過去の問題を確認してください。

■ 神戸市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生等早期チャレンジ・大学等推薦・現職教員・臨時的任用教員・加点制度

神戸市は何を書かせてきたか|過去の出題テーマの傾向

公刊過去問集には、令和4・5年度採用の神戸市小論文が「全校種(午前実施)」「全校種(午後実施)」として収録されています(当時の選考区分ごとの実施対象・免除条件は未確認です)。当時の出題を市販の全国版過去問集で確認すると、神戸市が何を書かせたいのかを読み取る手がかりになります。テーマの要旨だけ紹介します(課題文は転載しません)。

採用年度形式テーマの要旨問われた「型」
令和4年度採用
(2022年度採用)
全校種・午前多様化・複雑化する社会状況のなかで、社会の担い手となる子供たちに必要となる力を育むために、教育活動でどのような支援・指導を行うべきか力の定義 + 理由 + 指導
令和4年度採用
(2022年度採用)
全校種・午後ICTを活用した教育を通じて、子供たちが身につけるべき力は何か力の定義 + 理由 + 課題
令和5年度採用
(2023年度採用)
全校種・午前コミュニケーション能力の育成が求められる現代社会において、子供たちに必要なコミュニケーション能力とはどのようなものか能力の定義 + 現代の課題 + 取組
令和5年度採用
(2023年度採用)
全校種・午後神戸市の求める人物像「自律心を備え、多様性を尊重し、協調・協働できる人」の「多様性」をどのようなものと考えるか。学校園における多様性で大切にすべき点を「子供たちに対して」「同僚に対して」の2つの視点から具体例を挙げて論じる。言葉の定義 + 2つの視点 + 具体例

※出典:市販の全国版過去問集(当ブログ収蔵)に収録された神戸市の小論文。
当ブログが要旨に要約したものです。

4つのテーマに見える「型」

  1. まず「言葉を定義させる」。4つのうち多くは、まず言葉の意味を問う形で始まっています(「〜とは何か」「どのようなものと考えますか」)。必要な力とは何か、コミュニケーション能力とは何か、多様性とは何か——いきなり取り組みを書くと外してしまう場合があります。
  2. 設問ごとに要求された要素を確認する。令和4年度採用の午前・午後の2題は、考える理由も述べるよう求めています。令和5年度採用の2題は、現代の課題と取組、または2つの視点からの具体例を求めています。
  3. 最後は「教員として何をするか」に着地させる。「教員として取り組むべき課題」「教員として進めたい取組」「学校園における大切にすべき点」——評論で終わらせないほうがよいでしょう。

そして、令和5年度採用の午後のテーマは神戸市の求める人物像そのものから出題されました。神戸市の小論文は「神戸市の言葉」から出ることがある。令和9年度採用(2026年夏実施)の出題傾向は、実際の問題を確認して判断しましょう。

神戸市の求める人物像(実施要項より)
  • 豊かな人間性にあふれ、子供に寄り添うことができる人——子供に対する深い愛情と思いやりを持ち、いかなる困難にあっても子供の笑顔と成長につながる選択をできる人
  • 自律心を備え、多様性を尊重し、協調・協働できる人——常に高い倫理観と規範意識に基づいて行動するとともに、多様な他者との対話やつながりを深め、互いを理解し尊重しながら協調・協働できる人
  • 自らの資質・能力向上のため、学び続けることができる人——時代の変化とともに学校教育に求められる役割や課題が多様化するなか、自己研鑽のために努力し続けることができる人

この3つの言葉(寄り添う/自律心・多様性・協調協働/学び続ける)は、そのまま小論文のテーマになりうるキーワードです。それぞれについて「自分はこう定義する」「だからこう指導する」を一度書き出しておいてください。

あわせて、第4期神戸市教育振興基本計画(2024〜2028年度)の教育ビジョン「自他を大切に 自ら考え 未来をつくる」と、5つの基本政策(子どもが主役のこれからの学び/一人ひとりに応じたきめ細かな支援/安全・安心で過ごしやすい環境づくり ほか)も押さえておきましょう。「自他を大切に」は、まさに多様性・協働のテーマと地続きだと考えられます。

80分で書ききる手順|時間配分は練習で自分なりのものをつかむ

小論文で落ちる人の多くは、書く力がないのではなく「設問からズレる」「時間が足りない」のどちらかが原因になりやすいと私は感じています。当ブログがおすすめする手順はこれです(各段階にかける時間は、練習で自分なりの配分をつかんでください)。

  1. 設問に線を引く。「何を定義するか」「いくつの視点か」「最後に何を書かせたいか」を分解します。神戸市の小論文では、令和5年度採用の午後問題のように「2つの視点から」「具体的な例を挙げて」と条件が複数入ることがあるので、設問で求められた条件を漏れなく満たすようにしましょう。
  2. 構想メモを作る。いきなり書き始めない。「定義 → なぜ必要か → 現場での取り組み → まとめ」の順で、見出しだけ先に決めます。構想メモがあると論点のズレ・途中で筆が止まる・大幅な書き直しを防ぎやすくなります。周りが先に書き始めても焦らずに済む、というメンタル面の効果もあります。
  3. 課題文の言葉をそのまま使って書く。採点する側が論点のズレを確認しやすくなると考えられる、コツの一つです。設問に「多様性」とあれば、自分の答案でも「多様性」という言葉を使う。論点が逸れてしまうと、それだけで大きく点数を下げる可能性があります。
  4. 指定字数がある場合は、その8〜9割以上を書くことをおすすめします。字数不足は大きな減点になる可能性があります。逆に、時間内に書ききれない量を計画しないこと。
  5. 見直しは主語と述語。時間がないときに崩れやすいのが主述のねじれです。ここだけは確認しておきましょう。

構想メモの取り方は、実演で見るのが一番早いです。

そして、NG例文とOK例文を見比べるのが、独学で力を伸ばしやすい方法だと考えています。「社会的背景の理解不足」「問題文の要求を満たしていない」「主語述語のねじれ」「抽象的で本旨と関連が薄い結び」——落ちやすい答案にはパターンがあります。

対策の時間がないという方へ。まず市販の合格例文集を読んで「合格レベルの答案」を体感してください。丸写しはダメですが、OKパターンを知らないまま自己流で書き続けると、遠回りになりやすいです。神戸市の場合は「求める人物像の3つの言葉」で1本ずつ書いてみるのが、効果的な練習になると考えられます。

受験者からの報告|「英作文」は小論文ではありません

当ブログに届いている神戸市の受験報告のなかに、英作文の問題(報告では「80字以上」と記載、単位は公式問題で未確認)があります。これを小論文だと思って対策すると方向を間違えるので、はっきり書いておきます。これは第2次選考の「中高英語の実技試験」の一部です。

  • 【中高英語・実技】パフォーマンス評価において留意すべき点を、理由を添えて80字以上で書きなさい。(制限時間10分・英語で記述)

実施要項の実技試験概要でも、中高英語は「英語による質疑応答・授業場面のロールプレイ、英作文」と明記されています。中高英語で受験する方は、教育用語(パフォーマンス評価・主体的対話的で深い学び など)を英語で説明できるようにしておいてください。

■ 神戸市の個人面接|受験者3名の実録と5年間の出題傾向(模擬授業・場面指導も個人面接の中で)

よくある質問

Q. 過去問集に神戸市の小論文が載っているのは、なぜですか?

A. 公刊過去問集には、令和4・5年度採用の神戸市小論文が「全校種」向けとして収録されています(当時の区分ごとの実施対象・免除条件は未確認)。当ブログが確認した範囲では、令和6年度採用(2023年夏実施)以降、全校種向けの小論文は過去問集に登場していません。過去問集の年度をよく確認してください。

Q. 小論文の字数は何字ですか?

A. 2027年度採用の実施要項には時間(80分)と配点(60点)は書かれていますが、字数の指定は書かれていません。ただし実施要項のよくある質問に「筆記試験(適性検査除く)については、本市のホームページで公開しています(ただし著作権に配慮する必要から、非公開の部分もあります)」とあります。神戸市のホームページで実際の問題用紙を必ず確認してください。

Q. 小論文の評価の観点は公表されていますか?

A. 2027年度採用の実施要項に、小論文の評価の観点の記載はありません(記載があるのは第2次選考の面接試験における評価の観点7項目のみ)。面接の7項目を小論文の公式評価基準と同一視することはできません。「子供に寄り添う感性」「協働する意義の理解」「社会情勢の変化への関心」「学び続ける向上心」——答案の結びは、この言葉のどれかに着地させると一貫性が出やすくなると考えられます。

Q. 結果はどこまで分かりますか?

A. 実施要項によると、第1次・第2次いずれも不合格者(正規合格者以外)には不合格者中の順位が通知されます。さらに試験結果の開示を希望する場合は、結果発表後に個別の開示請求ができます。小論文で得点できていたのかを知るためにも、翌年度も受験する場合は、開示請求をおすすめします。

Q. 一般区分で受けるので小論文はありません。対策は不要ですか?

A. 試験科目としては不要です。ただし小論文の練習は「書く面接」——考えを構造化して伝える訓練そのものです。神戸市の二次は個人面接(模擬授業・場面指導を含む)が240〜300点。「多様性とは何か」「学び続けるとはどういうことか」を短い文章で整理しておくと、面接で自分の言葉で話す土台になります。時間があるなら、求める人物像の3つの言葉で1本ずつ書いてみることをおすすめします。

2026年10月時点で、神戸市の受験報告は3名分です。臨時的任用教員継続勤務者区分で受験された方の小論文の報告は、同時点で1件も届いていません。あなたの報告が、次に同じ区分で受ける先生の助けになります。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

あわせて見たい小論文対策動画

\登録無料/ 神戸市対策をもっと深く

この記事のような実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。

  • 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
  • 一発合格を勝ち取る極意セミナー
  • 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー
  • 【厳選】面接質問TOP50
  • 【早期登録者限定】シークレット特典
  • あなたに必要な対策診断
  • 教採に受かる人の15の習慣
  • 【無料版】教員採用試験必勝ノート
  • 【全国版】集団討論過去問
  • 【全国版】小論文テーマ集 ←この記事の対策に◎
  • 【全国版】場面指導テーマ集

「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます

YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次