【教員採用試験】神戸市の特別選考と一次免除ルート|大学3年生等早期チャレンジ・大学等推薦・現職教員・臨時的任用教員・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

神戸市の要項を開いたら、出願区分が10個以上あって固まってしまいました……。自分がどれで出せばいいのか、まったく分かりません。

神戸市は区分が多い自治体です! でも安心してください。多くの人は「今の自分の立場」から候補を絞れます。そして神戸市の区分は、選べば第1次選考が丸ごと免除になるものが多いんです。一緒に整理していきましょう。

この記事の根拠

  • 選考種別・出願要件・免除・配点・加点は、すべて2027年度(令和9年度採用)実施要項と補助資料(選考区分早見表・実施要項正誤表)から
  • 区分ごとの人数・合格実績は神戸市教育委員会の公表資料(志願状況・結果報告)から
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表|あなたはどの区分で出願するか

まず結論から。神戸市の実施要項には「選考区分早見表」という補助資料があり、「今のあなたの立場」から出願区分の候補を確認できます。各区分の要件と免除範囲を確認し、適用を希望する区分を選びます。それを、第1次選考の扱いとあわせて1枚にしました。

あなたの立場出願区分第1次選考の扱い
大学3年生等(最終年次の1年前)大学3年生等早期チャレンジ選考第1次選考のみ受験。合格区分に応じて翌年度が免除。
大学4年生等で、大学から推薦を受けた一般選考 大学等推薦区分書類選考のうえ、第Ⅰ区分合格者は第1次選考すべて免除、その他は筆記免除(集団面接は受験)
2025年度実施の早期チャレンジ第Ⅰ区分合格者一般選考 第Ⅰ区分合格者区分第1次選考すべて免除
2025年度実施の早期チャレンジ第Ⅱ区分合格者一般選考 第Ⅱ区分合格者区分教職・一般教養が免除(専門教科と集団面接は受験)
国公私立の正規教員として3年以上継続勤務中一般選考 現職教員区分第1次選考すべて免除
他自治体等の正規教員を3年以上経験し、離職後5年以内一般選考 他自治体等正規教員経験者区分(新設)筆記免除(集団面接は受験)
民間企業等で3年以上の正規勤務経験一般選考 社会人経験者区分教職・一般教養が免除(専門教科と集団面接は受験)
神戸市で所定の臨時的任用教員等として過去10年に通算2年以上、または出願時に所定の任用で勤務し2027年3月末まで勤務見込み一般選考 臨時的任用教員区分教職・一般教養が免除(専門教科と集団面接は受験)
神戸市で通算5年以上+校園長の推薦一般選考 臨時的任用教員継続勤務者区分教職・一般教養が免除。専門教科のかわりに小論文(80分・60点)を受験し、集団面接(180点)も受験。
2023・2024・2025年度実施の任期付合格者で、出願時点で勤務中または名簿登載中/2025年度実施の補欠合格者で繰上げにならず、出願時に神戸市の常勤講師として勤務中(いずれも合格時と同一の校種・教科等)一般選考 任期付・補欠合格者区分(新設)第1次選考すべて免除
直近3か年に神戸市の一次を通過し、二次で不合格一般選考 直近3か年1次合格者区分筆記免除(集団面接は受験)
上記に当てはまらない一般選考 一般区分筆記(教職・一般教養+専門教科)+集団面接
障害者手帳等の交付を受けている障害者特別選考(全選考の特例措置区分に準ずる)準拠する区分どおり。別枠で判定。
特支免許はないが、教員経験3年以上で特支を希望特別支援学校キャリアチェンジ特別選考キャリアチェンジ区分は教職・一般教養(50分)・専門教科(80分)・集団面接をすべて受験。現職教員区分など特例措置区分の要件を満たす場合は、一般選考に準じた免除が使えます
神戸市の正規教員として勤務して離職(離職後12年以内。養育・介護による離職は3年以上の勤務要件なし)離職者を対象とした特別選考第1次選考すべて免除・実技も免除

※出典:2027年度(2026年度実施)神戸市立学校園教員採用選考試験 実施要項「選考区分早見表」「一般選考 選考概要」(正誤表による訂正後の内容)。
複数の選考種別を重複して出願することはできません。ただし、大学等推薦区分と障害者特別選考は同時受験できます。

この表を見て気づいてほしいのは、「第1次選考すべて免除」が、一般選考で4区分、離職者を対象とした特別選考も含めると5つもあるということ。神戸市は、一度でも関わった人・つながった人に翌年以降のショートカットを用意している自治体です。令和9年度採用の結果がどうであれ、翌年度以降の免除ルートが開く可能性がある——これは受け続ける価値のある設計です。

ルート別の正規合格率|公表数字から見えること

神戸市は、出願区分ごとの受験者数と正規合格者数を毎年公表しています。そこから当ブログが合格率を計算しました。

出願区分令和7年度採用(2025年度)令和6年度採用(2024年度)
受験正規合格合格率受験正規合格合格率
大学等推薦区分19212766.1%1267962.7%
現職教員区分965254.2%1194941.2%
任期付合格者区分2059948.3%1396546.8%
直近3か年(2か年)1次合格者区分1514328.5%1374129.9%
社会人経験者区分29724.1%25520.0%
一般区分4567917.3%52812122.9%
臨時的任用教員区分4888016.4%56910318.1%
合計1,61748730.1%1,64346328.2%

※受験者数・正規合格者数は神戸市教育委員会の公表値、合格率は当ブログが算出した値です(教育委員会が合格率として公表しているものではありません)。区分名は年度により表記が異なります(令和6年度採用は「直近2ヵ年1次合格」)。

読み取れることは3つです。

  1. 大学等推薦区分の合格率が突出(6割超)。学生の方にとって、公表された区分別の合格率でもっとも高い区分です。
  2. 現職教員・任期付合格者は4〜5割台。すでに正規教員として勤務している人や、任期付で合格した人は、合格率が高い傾向があります。
  3. 臨時的任用教員区分は人数が最多(約490〜570人)だが合格率は16〜18%。「講師をしている=有利」とは言い切れません。臨時的任用教員区分で免除されるのは教職・一般教養だけで、専門教科も集団面接も個人面接も受験します。

講師をしながら受験している方に、動画でお話ししたことがあります。講師経験は「持っている」だけでは評価につながりにくいと私は考えています。強みになるのは、①目の前の子どもの話をリアルにできること(クオリティ)②現場で任されてきた事実(信用)③現場を経験しても初心や信念を忘れていないこと(フレッシュさ)の3つ。エントリーシートと個人面接では、この3つが伝わるようにしておくといいと思います。

大学3年生等早期チャレンジ選考|1年前に受けて「翌年の免除」を取る

神戸市の目玉のひとつです。大学3年生等(最終年次の1年前の年次)が対象で、第1次選考だけを受験します。合格すると、翌年の本番で免除が受けられます。

対象2026年4月1日現在で大学3年生等(大学院・短大・専門学校等の最終年次の1年前)で、2028年3月31日までに卒業予定かつ免許取得見込みの方
受ける試験筆記(専門教科80分・教職一般教養50分/6月13日)+ 集団面接(令和9年度採用の要項では8月12日〜18日に実施予定)
第Ⅰ区分合格筆記(教職・一般教養、専門)と集団面接に合格 → 翌年度は第1次選考すべて免除
第Ⅱ区分合格筆記(教職・一般教養)に合格 → 翌年度は教職・一般教養が免除
注意同一の大学等で在学中に受験できるのは1回のみ(留年・休学等で年次が延びた場合も複数年度の受験は不可)。翌年に免除を使うには、同様の校種・教科等で改めて出願する必要があります。
加点との併用第Ⅰ区分合格者が大学等推薦区分の要件も満たす場合、第2次選考の合計点に8点加点(出願は大学等推薦区分の第Ⅰ区分合格者区分で行う)

実績を見ると、この選考は年々大きくなっています。

実施年度志願受験第Ⅰ区分合格第Ⅱ区分合格
2024年度実施19117768100
2025年度実施298279101155
2026年度実施(結果公表済み)374345116189

※出典:神戸市教育委員会「2026年度教員採用選考試験(夏実施)の結果」、「2027年度神戸市教員採用選考志願状況」。
2025年度実施では受験279人のうち256人(約92%)が第Ⅰ区分または第Ⅱ区分に合格しています。

2025年度実施の早期チャレンジ選考では受験者の約91.8%が第Ⅰ・第Ⅱ区分に合格しました。2026年度実施は345人中305人で約88.4%です。第Ⅰ区分を取って大学推薦も受けられれば、翌年は「第1次選考すべて免除+8点加点」という状態で二次に臨めます。受けるかどうかは、要項を確認して決めてください。

大学等推薦区分|合格率6割超(令和6・7年度採用)。ただし大学が動く期限が早い

神戸市立学校教員を第一志望とし、大学・大学院・教職大学院の学長または学部長・研究科長から推薦を受ける区分です。書類選考のうえ、第Ⅰ区分合格者は第1次選考すべて免除、その他は筆記試験が免除されます(集団面接は受験)。

対象の校種・教科小学校教諭、小学校教諭(英語コース)、中学校(技術)、中学校・高等学校教諭の国語・数学・理科・美術・家庭・英語、特別支援学校教諭 ※社会・音楽・保健体育・工業・商業は対象外
被推薦者の要件①神戸市を第一志望とし2027年4月1日から勤務可能
②求める人物像にふさわしく学業成績が優秀(取得単位のうち「良以上、または100点満点で70点以上相当」が8割以上)
③出願時に在籍し2027年3月31日までに卒業(修了)見込み
④推薦対象の免許を取得済みまたは取得見込み
推薦人数校種・教科ごとに3名以内。ただし過去3年に推薦者の合格実績がある大学等は上限なし(1名でも合格した大学は、対象の校種・教科すべてで上限が撤廃されます)。
期限令和9年度採用の場合、本人の電子申請=5月10日(日)23時59分まで/大学等からの推薦書・成績証明書=5月8日(金)必着(大学がとりまとめて簡易書留で送付)
結果令和9年度採用の場合、選考結果は5月22日(金)に大学等宛てに郵送。対象と認められなかった場合は、一般区分(または第Ⅰ・第Ⅱ区分合格者区分)の出願とみなされます。
注意他の出願区分と重ねて出願するといずれの推薦・出願も無効。この制度による合格者は「大学院進学予定者等に対する特例」を使えません。

2027年度採用の大学等推薦区分の志願者は188人(第Ⅰ区分合格者50人・その他138人)。合格率は令和7年度採用で66.1%、令和6年度採用で62.7%でした。

ここで一番大事なのは「推薦書の締切が5月8日」ということ。大学の中でとりまとめが必要なので、推薦書類の提出期限(5月8日必着)から逆算すると、遅くとも3〜4月には動き出しておくと安心です。成績要件(良以上が8割)もあるので、大学1〜2年生のうちから意識しておくと選択肢が増えますよ。

現職教員区分・他自治体等正規教員経験者区分(新設)

すでに正規教員として働いている方、働いていた方のための2つの区分です。2027年度採用からは「他自治体等正規教員経験者区分」が新設されました。

現職教員区分他自治体等正規教員経験者区分(新設)
要件2027年3月31日時点で、同一の国公立または私立学校園の現職の正規教員として継続3年以上勤務中2026年3月31日時点で、同一の国公立(神戸市立を除く)または私立学校園の正規教員として継続3年以上勤務し、離職後5年以内。かつ出願時に正規教員でないこと。
第1次選考すべて免除筆記免除(集団面接は受験・240点)
校種・教科受験する校種・教科等と同一の教職経験に限る(音楽・美術・養護・栄養は勤務校種不問。ただし専科として採用された者に限る)
提出書類第2次選考の個人面接会場受付で在職・勤務証明書(様式指定)を提出

「継続して3年以上」の数え方は、実施要項のよくある質問に詳しい例が載っています。同一の団体・法人に一日も途切れずに正規雇用が続いている状態を指し(人事異動で所属や配属校が変わっても「継続」)、休職・育児休業等の期間は差し引かれますが、「継続」の期間がリセットされるわけではありません。また「他の任命権者での勤務期間の通算はできない」とも明記されています。

現職教員区分の実績は、受験96人・正規合格52人(令和7年度採用)、受験125人・正規合格61人(令和8年度採用)。他自治体等正規教員経験者区分は2027年度採用で志願36人という滑り出しです。

臨時的任用教員区分・臨時的任用教員継続勤務者区分

神戸市で講師をしている方のための区分です。2つあり、勤務年数と校園長の推薦の有無で分かれます。

臨時的任用教員区分臨時的任用教員継続勤務者区分
要件2016年4月1日〜2026年3月31日の10年間に、神戸市教育委員会所管の教育機関で臨時的任用教員(常勤)または会計年度任用教員(非常勤)として通算2年以上/または出願時に勤務中で2027年3月31日まで勤務見込み同10年間に、神戸市で正規教員・臨時的任用教員(常勤)・任期付教員として通算5年以上(休職・育児休業等で勤務実態のない期間を除く)+出願時に神戸市の臨時的任用教員(常勤)または会計年度任用教員(非常勤)として勤務中で2027年3月31日まで勤務見込み+所属の長(校園長等)の推薦
第1次選考教職・一般教養が免除(専門教科120点+集団面接120点=240点)教職・一般教養が免除。専門教科のかわりに小論文(80分・60点)+集団面接180点=240点。
提出書類エントリーシート臨時的任用教員継続勤務者区分エントリーシート(様式が別)
校種・教科出願する校種・教科等と異なる勤務経験でも受験可能
勤務形態常勤・非常勤を問わない—

令和9年度採用の要項では、継続勤務者区分には、もうひとつ早い期限があります。推薦依頼書を4月8日(水)10時〜4月22日(水)17時までに所属の長に提出し、校園長が推薦書を5月12日(火)9時までに提出する(提出先は要項で確認してください)、という2段階の手続きです。複数校に勤務している場合は、それぞれの勤務先の校園長に提出します。

継続勤務者区分は令和8年度採用で新設され、初年度は受験93人・正規合格30人(当ブログ算出で32.3%)という実績でした。2027年度採用の志願者は67人です。

この区分だけ、第1次選考で小論文(80分・60点)が課されます。「筆記が免除でラッキー」ではなく、小論文が240点満点のうち60点を占める試験に変わる、ということです。対策をおすすめします。

■ 神戸市の小論文(論作文)|誰に課されるのか・過去の出題テーマと書き方

任期付・補欠合格者区分(新設)と直近3か年1次合格者区分

「あと一歩だった人」を翌年に引き上げるための2区分です。2027年度採用から、補欠合格だった方も対象に加わりました。

任期付・補欠合格者区分(新設)直近3か年1次合格者区分
要件①2023・2024・2025年度実施の選考で任期付教員として合格し、出願時点で勤務中または名簿登載中
②2025年度実施で補欠合格となったが繰り上げにならなかった方で、出願時点で神戸市の臨時的任用教員(常勤講師)として勤務中
2023・2024・2025年度実施の選考で第1次選考に合格し、第2次選考を有効に受験して不合格と判定された方
第1次選考すべて免除筆記免除(集団面接は受験・240点)
校種・教科任期付・補欠合格時と同一の校種・教科等を受験する場合に限る直近3か年1次合格時と同一の校種・教科等を受験する場合に限る
2027年度採用の志願者239人177人

※直近3か年1次合格者区分には、2025年度実施で大学等推薦第Ⅰ区分合格者区分または第Ⅰ区分合格者区分で受験し、不合格(任期付合格を含む)となった方も含まれます。

神戸市の設計思想がいちばんよく出ているのがここです。令和9年度採用の要項には、直近3か年に第1次選考に合格し、第2次選考を有効に受験して不合格となった方(同一の校種・教科等を受験する場合に限る)の筆記試験を免除する区分があります。任期付合格者・補欠合格者は、出願時の勤務・名簿登載など所定の要件を満たし、合格時と同一の校種・教科等で出願する場合に、第1次選考が全部免除になります。だから神戸市は、連続して受け続ける人を免除制度で後押ししている自治体と言えそうです。令和9年度採用の結果が残念でも、翌年度は違う立ち位置で臨める場合があります。

障害者特別選考・特別支援学校キャリアチェンジ特別選考・離職者を対象とした特別選考

障害者特別選考|「別枠の判定」+実技免除の可能性

出願する選考の対象者要件を満たし、実施要項p5に定める手帳等の交付を受けている方が対象です。診断書・意見書には障害の種類・程度と、障害者雇用促進法別表の障害に該当する旨の記載が必要で、所定の内部障害は指定医によるものに限られます。知的障害の判定書も所定の機関・医師によるものが対象です(出願する校種・教科等は問いません)。

  • 募集は全選考に準拠・若干名で、一般選考とは別枠で合否判定(実施要項のよくある質問)
  • 申し出があれば、障害の状況に応じて実技試験の一部または全部を免除(免除の可否は受験票送付時に通知)。実技が免除された場合、実技の配点はすべて面接に移り面接300点になります。
  • 特例措置区分(現職教員区分など)の第1次免除と併用できます(要件を満たす場合)
  • 手帳等は志願書提出時および受験日当日において有効であることが必要。第2次選考の面接試験当日、受付で原本を提示。

特別支援学校キャリアチェンジ特別選考|免許がなくても受けられる

特別支援学校教諭の免許を持っていなくても、教員として3年以上の在職経験(特別支援学校での勤務に限らない)があれば、特別支援学校教諭として受験できる選考です。

  • 必要な免許は小学校・中学校・高等学校のいずれかの教諭普通免許状。採用見込者数は若干名。
  • 2027年3月31日までに特支免許の取得見込みがなく、2028年3月31日までに取得できることが要件。神戸市が実施する認定講習を受講できます。
  • 免許取得までは採用決定を行わず、原則臨時講師として特別支援学校等で任用。免許取得が確認でき次第、原則2027年4月2日以降2028年3月31日までに採用。
  • 特例措置区分(現職教員・他自治体等正規教員経験者・社会人経験者・臨時的任用教員・同継続勤務者)は一般選考に準ずる扱い。任期付教員採用選考との併願はできません。

令和8年度採用で新設され、初年度は受験4人・合格2人でした。2027年度採用の志願者は6人です。

離職者を対象とした特別選考|第1次も実技も全部免除

神戸市立学校園の正規教員(任用の期限を附さない常勤講師や教頭・校園長等を含む)としての勤務経験がある方が、第2次選考の個人面接だけで受験できる選考です。3つの区分があります。

一般離職者区分2027年3月31日時点で、神戸市立学校園の正規教員として3年以上(勤務実態のない期間を除く)の勤務経験があり、離職後12年以内
子の養育を目的とした離職者区分神戸市立学校園の正規教員としての勤務経験があり、在職中に育児休業を取得後、引き続き子を養育するために離職し、離職後12年以内(条件付採用期間中に離職した者を除く)
介護を目的とした離職者区分神戸市立学校園の正規教員としての勤務経験があり、在職中に介護休暇を取得後、継続して当該要介護者を介護するために離職し、離職後12年以内(同上)
選考方法第1次選考はすべて免除、実技試験も免除。7月27日〜8月8日の個人面接試験のみ(面接300点)。
提出書類離職者を対象とした特別選考用エントリーシート(様式が別)
注意受験する校種・教科等と同一の教職経験を有する方に限る(音楽・美術・養護・栄養は校種不問)。応募認定退職により退職した方は対象外。加点制度の対象外。

実績は、令和5年度採用が受験2人・合格2人、令和6年度採用は受験0人、令和7年度採用が受験5人・合格5人、令和8年度採用が受験13人・合格8人(夏実施分)。人数が少なく母数も小さいですが、合格率は高めの選考です。2027年度採用の志願者は11人でした。

※このほか「教員免許状を持たない者を対象とした特別選考」も実施されており、令和8年度採用では受験9人・合格3人という実績があります(2027年度採用の志願者は13人)。この選考の詳細は一般選考の実施要項には掲載されていないため、採用ホームページで別途ご確認ください。

加点制度|10種類・上限40点。二次の300点に上乗せされます

神戸市の加点は、第2次選考の合計点(300点満点)に加算されます。上限は40点で、40点を超える部分は対象外です。加点を希望する場合は電子申請による出願時に申請が必要です。申請済み内容の変更は、要項Q&Aに従い出願期限までに行ってください。

加点の種類対象区分加点
複数免許所有者(出願教科に加え、音楽・美術・技術・家庭の中学校教諭免許)中学校/中学校・高等学校/高等学校教諭区分1科目につき15点
小学校教諭普通免許状所有者中学校/中学校・高等学校/高等学校教諭区分10点
特別支援学校教諭普通免許状所有者幼稚園・小学校(英語コース含む)・中学校・中高・高校教諭区分10点
情報免許所有者中学校/中学校・高等学校/高等学校教諭区分10点
英語資格所有者全校種・教科等10点
日本語指導能力を有する者全校種・教科等10点
司書教諭資格所有者幼稚園教諭を除く全校種・教科等8点
看護師免許所有者養護教諭区分8点
大学3年生等早期チャレンジ第Ⅰ区分合格+大学等推薦大学等推薦区分の対象校種・教科8点
学生スクールサポーター/幼稚園学生ボランティア/特別支援教育ボランティア全校種・教科等5点

※出典:2027年度実施要項「加点制度」。
教員免許状は取得見込み者も対象です(取得見込みを証明する書類を個人面接会場受付で提出)。看護師免許による加点は免許所有者が対象です。離職者を対象とした特別選考と大学3年生等早期チャレンジ選考は加点制度の対象外です。

英語資格加点の基準(2024年4月1日〜2026年3月31日に取得したものに限る)

校種・教科等ケンブリッジ英語検定英検GTECIELTSTEAPTEAP CBTTOEFL iBTTOEIC L&R/S&W
中高英語・特支英語1801級13507.0375800951845
上記以外160準1級11805.5309600721560

※記載の点数・級以上で加点。TOEIC L&R/S&Wは、S&Wのスコアを2.5倍にして合算したスコアで判定します。

ボランティア加点(5点)は「日数」の数え方がゆるやか

神戸市の学生スクールサポーター、幼稚園学生ボランティア、特別支援教育ボランティアとして、2023〜2025年度のいずれかの年度で15日以上の活動実績があり、教職経験が1度も無い方が対象です。数え方のルールが実施要項に明記されています。

  • 1回の活動を1日分とみなす(1日に複数回でも1日分)
  • 1回あたりの活動時間は問わない
  • 3種類の活動日数は合算できる
  • 受験校種とは異なる校種での活動も認められる
  • 申請様式をダウンロードし、活動日数を記載して電子申請時に提出

令和8年度採用ではこの加点を申請した受験者が144人、うち合格者は49人でした。なお「教職経験が1度も無い」とは、正規か非正規かを問わず教員としての勤務経験がないことを指します(よくある質問)。他都市で非常勤講師をしている場合は対象外です。

加点は上限40点=二次300点満点の13%以上です。中高受験の方なら「複数免許15点+小学校免許10点+特支免許10点=35点」になる場合もあります。面接で35点を取り返すのは、かなり大変だと考えられます。取れる加点は全部取ってから、面接対策に時間を使いましょう。ただし申請は出願時のみ——これだけは絶対に忘れないでください。

任期付教員採用選考|正規と同時に受けられる「もう一つの合格」

神戸市は正規教員の選考とあわせて任期付教員の採用選考を実施しています。出願時に任期付教員への希望の有無を選択します(希望しない場合は「希望しない」を選択。希望の有無は正規の合否に影響しません)。

任期付教員とは産前産後休暇・育児休業を取得する教員の代替や、正規教員の休業等による欠員の代替として勤務する職員。正規教員と同様の職務に従事し、任期以外の勤務条件(給与・勤務時間・休暇・服務等)は原則として正規教員と同様。
任期原則3年間(2027年4月1日〜2030年3月31日)
最大の利点合格して勤務した者は、任期中は教員採用選考の第1次選考が免除(直近3か年の任期付選考で合格した者が対象)
募集人員約140人(小学校約80/中高約40/特支約15/養護数名/幼稚園・栄養若干名)
注意名簿登載期間中に任期付教員(臨時的任用教員含む)の採用を辞退した場合、合格が取り消され名簿から削除されることがあります(削除されると第1次免除も使えません)。特別支援学校キャリアチェンジ特別選考との併願不可。任期付合格者は「大学院進学予定者等に対する特例」を申請できません。

令和8年度採用では177人が任期付合格しています(令和7年度採用206人、令和6年度採用185人)。

出願前に確認したい、見落としやすいポイント(令和9年度採用の要項より)

  1. 適性検査は全員必須。6月5日〜12日にWEBで受検。未受検だと以降の選考を受験する資格を失います(配点はありませんが、面接時の資料になります)。
  2. 出願は電子申請のみ(4月8日10時〜5月10日23時59分)。期間内に完了しなければ、いかなる理由でも受け付けられません。出願期間終了後の書類差し替えも不可です。
  3. エントリーシートは全員提出。区分によって様式が違います(一般・障害者特別・キャリアチェンジ=エントリーシート/臨時的任用教員継続勤務者区分=専用様式/離職者を対象とした特別選考=専用様式/大学3年生等早期チャレンジ選考=一般選考と同様式)。
  4. 選考に関する情報(選考の種別・出願区分・任期付希望・校種教科等・加点申請・エントリーシート等)は5月10日23時59分まで変更可能。それ以降は一切受け付けられません。
  5. 特例措置区分の免除の可否は「受験票送付時」(6月3日13時以降)に通知されます。出願したから当然免除、ではありません。受験票で必ず確認を。
  6. 特例措置区分は「区分適用を希望しない」という選択もできます。要件を満たしていても、一般区分で出願できるかどうかは、要項で確認してください。
  7. 「継続して3年以上の経験」は同一の任命権者に限られます。他の任命権者での勤務期間は通算できません(よくある質問)。

40代・50代、社会人からの受験を考えている方へ

神戸市の受験資格のうち年齢にあたるのは、1967年4月2日以降に生まれた方(2027年度採用の場合)という要件です。このほか、必要な免許状などの要件も満たす必要があります。実際、令和7年度採用の合格者のうち40歳代が20人、50歳代が4人、令和6年度採用では40歳代22人・50歳代10人という実績が公表されています(合格者の平均年齢は令和7年度採用で26.5歳)。

社会人経験者区分は、2021年4月1日〜2026年3月31日の5年間に、法人格を有する同一の民間企業または同一の官公庁等で、勤務実態のない期間を除いて継続3年以上の正規勤務経験(正規教員としての勤務は除く)のほか、JICA海外協力隊として2年以上の派遣経験、文部科学省から派遣された日本人学校・補習授業校の教員として2年以上の派遣経験でも要件を満たします。

年齢を気にしている方は、こちらもぜひ。40代50代で合格された方に共通する3つのポイントをお話ししています。

まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次

神戸市は、大学3年生から現職教員まで、多くの立場に免除ルートを用意している自治体です。でも忘れないでほしいのは、第2次選考も合格に向けて準備が必要だということ。満点は300点ですが、実技の実施・免除や加点の適用は区分等によって異なります。しかも令和9年度採用では、第1次合格者と第1次免除者の合計に対する正規合格者は約4割でした。

だから順番はこうです。①自分の区分を確定する → ②取れる加点を全部申請する → ③自分の区分で必要な一次の科目・実技・個人面接(模擬授業・場面指導)の準備を進める。

■ 神戸市の個人面接|受験者3名の実録と5年間の出題傾向(模擬授業・場面指導も個人面接の中で)
■ 神戸市のエントリーシートの書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
■ 神戸市の倍率|2027年度採用の志願状況と6年間の推移(校種別・教科別)
■ 兵庫県の特別選考と一次免除ルート

2026年10月時点で、神戸市の受験報告は3名分です。どの区分で出願して、二次で何を聞かれたか——あなたの報告が、次の受験生の道しるべになります。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

あわせて見たい動画

\登録無料/ 神戸市対策をもっと深く

この記事のような実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。

  • 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
  • 一発合格を勝ち取る極意セミナー
  • 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー ←この記事の対策に◎
  • 【厳選】面接質問TOP50
  • 【早期登録者限定】シークレット特典
  • あなたに必要な対策診断 ←この記事の対策に◎
  • 教採に受かる人の15の習慣
  • 【無料版】教員採用試験必勝ノート
  • 【全国版】集団討論過去問
  • 【全国版】小論文テーマ集
  • 【全国版】場面指導テーマ集

「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます

YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次