【教員採用試験】京都府の小論文|過去の出題テーマと40分の書き方(第1次試験・全校種共通)

こんにちは、金井志津乃です! 

京都府の小論文って一次試験にあるんですよね? しかも40分って短くないですか……何を書けばいいのか見当がつかなくて。

短いです! でも京都府の小論文は引用文を示して考えと取組を問う型が多いんです。過去の出題を並べると、京都府教育委員会の計画や中央教育審議会の諮問等を引用し、考えと具体的な取組を求めた過去問があります。型が分かれば、40分でも十分に戦えますよ!

この記事では、京都府公立学校教員採用選考試験の小論文について、過去の出題テーマと40分で書き切るための型・時間配分を、実施要項と照合してまとめます。

なお、京都市立学校の教員採用は京都市教育委員会が完全に別で実施しています。この記事は京都府(京都市立学校を除く)の小論文についての内容です。

この記事の根拠

  • 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を「令和9年度採用の報告」として追加収録
  • 試験時間・実施区分・免除制度は令和9年度採用の実施要項(京都府教育委員会)と照合済み
  • 出題テーマは公刊過去問集から4か年分(令和4・6・7・8年度採用)を整理。令和5年度採用分は当ブログのデータに欠測のため掲載していません。
  • 問題文そのものは転載せず、テーマの要旨と出典資料名のみを掲載しています
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

小論文の形式|30秒でわかる基本情報

実施第1次試験(筆記)。令和9年度採用は令和8年6月13日(土)に、教職教養・専門と同じ日に実施。
試験時間40分間(要項に明記)。教職教養40分・専門90分または70分と並ぶ科目のひとつです。
対象全校種等および教科(科目)(ただし、小論文が免除される選考区分・一部試験免除の該当者を除きます)
字数令和9年度採用の実施要項に字数の記載はありません(試験時間のみ明記)。当日の指示に従ってください。
配点教職教養・専門は「100点満点」と要項に明記されていますが、小論文の配点は記載されていません
二次との関係令和9年度採用の第2次試験は実技試験と面接試験(個人面接・教育実践力テスト)のみ。小論文は一次で完結します。
結果の開示合否にかかわらず、試験の種類別の得点と合格基準点を含む結果が受験者全員に郵送されます(要項に明記)。つまり小論文の得点と基準点が本人に分かります。
免除の対象令和9年度採用では、前年度に小論文を実際に受験して基準を満たした方は小論文の免除対象です。ただし、令和8年度のスペシャリスト・セカンドキャリア特別選考出願者、又は令和9年度のスペシャリスト・セカンドキャリア教科専門特別選考出願者は対象外です。大学3年生等チャレンジ選考で基準を満たした場合も、翌年度の採用試験(令和8年度実施の選考なら令和10年度採用試験)ですべての校種等・教科で免除を希望できます。

京都府の小論文でいちばん大事なのは、「前年度に小論文を受験して基準を満たせば、翌年度は免除される」という制度です(令和9年度採用の要項。スペシャリスト・セカンドキャリア関連の出願者は対象外)。しかも結果通知で自分の得点と基準点の両方が分かる。つまり京都府の小論文は「その年だけの1回勝負」ではなく、翌年度の負担を減らせる可能性のある投資なんです。ここは手を抜かずに取り組むことをおすすめします!

■ 京都府の特別選考と一部試験免除ルート|大学3年生等チャレンジ選考・大学推薦・講師特例・社会人・加点制度

【令和9年度採用(2026年夏実施)の報告】小論文のテーマ

令和9年度採用(2026年夏実施)の小論文について届いた報告です。受験者から届いた報告の内容を収録しています。

高校|小論文(字数制限なし・用紙は報告者の記憶ではB4判1枚・40分)

  • テーマは探究活動に関するものとの報告。字数制限なし・用紙は報告者の記憶ではB4判1枚・40分。

出典:当ブログの受験報告フォーム(2026年9月18日時点・この自治体の報告1件)。
校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。

過去の出題テーマ|京都府の計画や中教審の諮問等を引用した出題の例

公刊過去問集から、京都府の出題として記録されているものを整理しました(令和4年度〜7年度採用は京都府教育委員会の資料、令和8年度採用は中央教育審議会の諮問からの引用です)。テーマの要旨と出典資料名のみ掲載しています(問題文そのものは各年度の京都府の出題をご確認ください)。

採用年度引用された資料テーマの要旨
令和4年度採用ごろ京都府教育委員会「学校教育の重点」「認知能力と非認知能力を一体的にはぐくむ教育の展開」の必要性を、昨今の子どもを取り巻く状況や課題を踏まえて述べ、これらの能力を一体的にはぐくむためにどのような取組をしていきたいかを具体的に述べる
令和4年度採用ごろ京都府教育委員会「目指す人間像」子どもたちにはぐくみたい力として掲げられた「主体的に学び考える力」「多様な人とつながる力」「新たな価値を生み出す力」の必要性を、子どもを取り巻く状況や課題を踏まえて述べ、3つの力をはぐくむための取組を具体的に述べる
令和6年度採用
(2023年夏実施)
「第2期 京都府教育振興プラン」「多様な他者と関わり対話を通じて学びあうという学校の営みを大切にしながら、これからの学びを支えるICTや先端技術を効果的に活用し、時代の変化に応じた教育を行わなければなりません」という記述を踏まえて論じる
令和7年度採用
(2024年夏実施)
「第2期京都府教育振興プラン」「教員自身が教職生涯を通じて探究心をもって学び続け、時代の変化に対応して求められる資質や能力を身に付けていく必要がある」と示した理由や背景について考えを述べ、それを踏まえて自身が実践したいことを具体的に述べる
令和8年度採用
(2025年夏実施)
中央教育審議会「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(諮問)」(令和6年12月25日)少子化とAI等の先端技術が高度に発達する時代だからこそ、教師による対面指導、子供同士の学び合い、地域社会での多様な体験活動が重要だという趣旨を踏まえて論じる
令和9年度採用
(2026年夏実施)
—探究活動に関するテーマとの受験者報告があります(高校・令和9年度採用)。詳しくは本記事の「令和9年度採用の報告」の枠をご覧ください。

※出典:市販の公刊過去問集(京都府分)。
令和5年度採用(2022年夏実施)の出題は当ブログのデータに欠測のため掲載していません。また、令和4年度採用として記録されている2題は、いずれか一方が令和5年度採用の出題である可能性があります。

4年分を並べて見えた3つの特徴

  1. 掲載した4か年分は、いずれも「引用文つき」でした。京都府教育委員会の計画や中教審の諮問から一節が引用され、「〜と示しています。これを踏まえて」という形で問われています。ゼロから考える出題ではない年が多いようです。
  2. 設問が求める内容を分けて捉えましょう。掲載した過去問では、理由・背景や教師の役割についての考えと、具体的な教育活動が問われています。実際の設問に合わせ、求められた内容に漏れなく答えましょう。
  3. ネタ元の一つは「京都府教育振興プラン」。令和6・7年度採用は2年連続で「第2期 京都府教育振興プラン」からの引用でした。京都府を受けるなら、このプランに一度は目を通しておく価値があります。

「必要性を、昨今の子どもを取り巻く状況や課題を踏まえて述べなさい」——この言い回しは、令和4年度採用ごろの2題に見られます。京都府は、「今の子どもたちに何が起きているか」を自分の言葉で語れるかを見ていると考えられます。データや答申の丸暗記ではなく、実習や講師経験で見た子どもの姿を1つ用意しておきましょう。

書き方|40分で「必要性→取組」を書き切る型

京都府の小論文は40分。60〜90分の自治体もあるのと比べると短めなので、迷わず書き出せる型と時間配分を先に決めておくと安心です。私がこれまで多くの受験者を見てきた中で、ベストな時間配分の目安は「構想メモに全体の4分の1程度、残りを執筆と見直しに」です。40分をこの割合で分けると、構想メモ約10分、執筆と見直しで約30分です。ただし人によって違うので、過去問演習で自分に合う配分を掴んでください。

時間やることポイント
最初の10分設問の要求に線を引く→構想メモ設問が求める内容(例:理由・背景や教師の役割についての考えと、具体的な教育活動)を分けてメモに書く。
約23分執筆字数指定がある場合は指定字数の8〜9割を書く(令和9年度採用の要項には字数も採点基準も記載がないため、一般的な目安です)
最後の7分見直し主語述語のねじれ・誤字・段落の切れ目を確認。40分だと書きっぱなしになりがちなので、時間を残しておきましょう。

※時間配分の目安は金井志津乃のYouTube『小論文完全攻略』(2024年5月)の発言にもとづく。執筆と見直しの内訳は当ブログの目安です。

私が『小論文完全攻略』の動画でおすすめしている基本は、序論・本論・結論の三段構成で、分量は序論2割・本論7割・結論1割ぐらいです。本論は、取り組みや考えを大きく2種類に分けて二段落で述べるときれいにまとまります。京都府の出題形式(引用文+必要性+取組)に合わせた次の型は、その基本をもとに当ブログがおすすめする型です。

京都府の型(引用文+必要性+取組)

  • ①引用文の趣旨を一文で受け止める:「京都府教育委員会は〜と示している」。ここで問題文の言葉をそのまま使うと論点がずれにくくなります。
  • ②必要性(=なぜ今それが必要か):「昨今の子どもを取り巻く状況や課題」を具体的に。少子化、情報環境の変化、人間関係の希薄化、多様な背景を持つ子どもの増加など、1つに絞って掘り下げるのが40分ではおすすめです。
  • ③あなたの取組(ここが最大の配分):具体策を2つ。「授業の中で」+「授業以外(学級・行事・家庭や地域との連携)で」の2方向にすると、実践のイメージが立体的になります。
  • ④結び:京都府の教員としてどうありたいかで締める

小論文でまず意識してほしいのは「課題の趣旨からそれないこと」。京都府の場合、引用文に触れずに一般論を書いてしまう、あるいは「必要性」だけ書いて「取組」を書き忘れるのがありがちな失敗と考えられます。設問を読んだら、まず「述べなさい」が何回あるかを数えてください。2回あれば、答案も2ブロック必要です。

書き方の全体像は、この4ステップの動画がいちばん早いです。

40分という短い試験ほど、構想メモの精度が結果を決めます。「学び続ける教師」という漠然としたテーマを、理由→具体→結論に落とすまでを実演した動画です。京都府は令和7年度採用でまさに「教員自身が探究心をもって学び続ける」が出題されているので、そのまま練習台になります。

NG例文とOK例文を並べた添削動画もどうぞ。「社会的背景の理解不足」「問題文の要求を満たしていない」「主語述語のねじれ」「抽象的な結び」——一般に減点されやすいと考えられるポイントが出てきます。

京都府らしい答案にするために|引用元になる資料を押さえる

京都府がめざす教育(京都府総合計画「夢を実現する教育」より)

京都府が公表している総合計画の教育分野には、2040年に実現したい姿として次の4つが示されています。小論文の引用元と重なるキーワードが含まれています。

  • 「包み込まれているという感覚」が実感できる教育——すべての子どもが「主体的に学び考える力」「多様な人とつながる力」「新たな価値を生み出す力」を身に付けられるよう、安心して学べる環境をつくる(令和4年度採用ごろの小論文にそのまま出題されています)
  • 人権を基盤として次代の京都を支える人材が育成される教育——多様な子ども一人ひとりを大切にし、誰一人取り残さない
  • 超スマート社会において新たな価値が創造できる教育——情報活用能力を基盤に、多様な他者と協働して新たな価値を創造する(令和6年度採用のICT・先端技術の出題と重なります)
  • 京都の文化力を生かした教育——地域のつながりや伝統・芸術を生かし、郷土に誇りと愛情を持つ担い手を育てる

出典:京都府「京都府総合計画 分野別基本施策②夢を実現する教育」

さらに、令和8年度採用では中央教育審議会の諮問(令和6年12月25日)から出題されました。京都府の小論文は「府の計画」と「国の答申・諮問」の両方から引用されると考えて準備してください。国の側の必読資料は、この2つです。

  • 生徒指導提要(改訂版)——「取組」を書くときの具体策の引き出しになります
  • 中央教育審議会「令和の日本型学校教育」の答申——「個別最適な学び」「協働的な学び」は、京都府の「多様な他者と関わり対話を通じて学びあう」とほぼ同じ論点です

「令和の日本型学校教育」は、面接でも小論文でも使える重要なテーマのひとつです。6つのポイントに整理して解説しました。

よくある質問

Q. 何字書けばいいですか?

A. 令和9年度採用の実施要項には試験時間(40分)のみが記載され、字数の指定はありません。当日の問題用紙・解答用紙の指示に従ってください。一般論として、字数指定がある場合は指定字数の8〜9割を書くのが目安です(文字数が不足していると、大きな減点になる場合があります)。原稿用紙のマス目が示されている場合は、そのマス目を基準に配分してください。

Q. 校種によって問題は違いますか?

A. 要項には、小論文の実施対象が「全校種等及び教科(科目)」と記載されています。ただし、この記載だけでは令和9年度採用で全員に同じ問題が出題されるかまでは確認できません。

Q. 二次試験にも小論文はありますか?

A. ありません。令和9年度採用の京都府の第2次試験は実技試験と面接試験(個人面接・教育実践力テスト)だけです。小論文は第1次試験で完結します。

■ 京都府の個人面接|受験者4名の実録と5年間の出題傾向(一次・二次で2回+教育実践力テスト)

Q. 小論文の評価の観点は公表されていますか?

A. 令和9年度採用の実施要項には、小論文の評価の観点は記載されていません。ただし合否にかかわらず、試験の種類別の得点と合格基準点が受験者全員に郵送されます。自分の小論文が何点で、基準点が何点だったかが分かるという点では、受験者にとって自分の得点を確認しやすい自治体のひとつです。

Q. 一度基準を超えたら、本当に翌年は免除ですか?

A. はい。令和9年度採用の実施要項の「一部試験免除」に「令和8年度京都府公立学校教員採用選考試験において、小論文を受験し、基準を満たした方」は小論文を免除と明記されています(出願時に前年度の第1次試験結果通知書のPDF提出が必要)。ただし前年度に免除されていた科目は「受験していない」ため対象外です。また、令和8年度にスペシャリスト特別選考・セカンドキャリア特別選考へ出願した方、又は令和9年度にスペシャリスト特別選考・セカンドキャリア教科専門特別選考へ出願する方は、この前年度合格試験による免除の対象外です。また大学3年生等チャレンジ選考で小論文の基準を満たした場合は、翌年度に実施するすべての校種等・教科で免除を希望できます。結果通知書は必ず保管してください。

令和9年度採用の小論文テーマを教えてください

京都府の小論文について、令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を収録しています(本記事の「令和9年度採用の報告」の枠)。令和9年度採用(2026年夏実施)を受験された方、テーマを教えていただけると、これから受験する方の大きな力になります。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム(2〜3分・匿名OK)

■ 京都府の倍率|令和9年度採用の最終結果と6年間の推移(校種別・教科別)
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