こんにちは、金井志津乃です!

京都府の出願で「プレゼンテーションシート」というのを入力するんですよね……。名前からしてハードルが高そうで、何を書けばいいのか分かりません。

大丈夫です! 名前は物々しいですが、中身は「志望理由」「自己アピール」「自己研鑽」の3つだけ。しかも要項に「プレゼンテーションシート以外の自己アピール資料は無効とします」と書かれています。つまり自己アピールのために指定された書類。ここが面接の質問のもとになると考えられます。
この記事では、京都府公立学校教員採用選考試験の出願書類「プレゼンテーションシート」について、実施要項の記入要領と、実際に面接でどこを深掘りされたかの受験者報告から逆算して、書き方をまとめます。
なお、京都市立学校の教員採用は京都市教育委員会が完全に別で実施しています。この記事は京都府(京都市立学校を除く)の出願書類についての内容です。
この記事の根拠
- 項目・注意書きは令和9年度採用の実施要項「志願書等入力要領」(京都府教育委員会)の原文から
- 「どこを聞かれたか」は受験者4名・13件の実録(令和6・7年度採用)から逆算しています
- 面接の質問全体は別記事へ →京都府の個人面接|受験者4名の実録と5年間の出題傾向(一次・二次で2回+教育実践力テスト)
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
プレゼンテーションシート|30秒でわかる仕組み
| 何に書く | 専用の出願フォームに入力(インターネット電子申請)。志願書と一緒に入力します。 |
| いつ | 出願期間内。令和9年度採用は令和8年3月23日(月)正午〜5月11日(月)正午(スポーツ・芸術分野特別選考のみ4月30日まで)。 |
| 書く内容は3つ | ①志望理由(「教員を志望する理由」「京都府を志望する理由」) ②自己アピール(これまでの経験・特技・資格・長所と、それを教員としてどう生かすか) ③自己研鑽(今現在取り組んでいること) |
| これ以外は無効 | 要項に「プレゼンテーションシート以外の自己アピール資料は無効とします」と明記。別紙で自作の資料を添えても、要項上は無効とされています。 |
| 誰が読む | 要項に明記はありませんが、大学3年生等チャレンジ選考の要項に「面接試験を受験しない方は、プレゼンテーションシートの記入は不要です」と書かれています。つまり面接で使われる書類と考えられます。 |
| 書き方の指示 | 要項に「ポイントを絞り、簡潔に入力してください」と明記。長く書けばいいわけではありません。 |
| 提出前に | 要項の指示は「入力した内容は、提出前にPDF形式で出力し、内容に入力漏れや間違いがないか確認した上で、保存してください」 |

ここ、いちばん大事なところなのでもう一度。大学3年生等チャレンジ選考の要項には「面接試験を受験しない方は、プレゼンテーションシートの記入は不要です」とあります。つまり、このシートは面接のために書くものです。令和9年度採用の京都府は一次にも二次にも個人面接があるので、このシートは2回の面接で質問の土台になる場合があると考えて準備しておくと安心です。
実録から見る、記入内容と質問の対応例
受験者4名の報告を、プレゼンテーションシートの記載内容(志望理由・自己アピール・自己研鑽)に当てはめ直すと、はっきり対応が見えます。
① 志望理由の欄 →「どうして京都府ですか」を一次でも二次でも
要項の指示は「『教員を志望する理由』『京都府を志望する理由』について、現在の自分の思いを入力してください」。教員である理由と京都府である理由の2本立てで書かせているのがポイントです。
- どうして京都府ですか。(中学校)
- 教師と京都府を志望した理由を教えてください。(特別支援学校)
- 志望理由を教えてください。(養護教諭・第1次試験)/志望動機を教えてください。(養護教諭・第2次試験)※一次でも二次でも聞かれています。
- 京都府を選んだきっかけと、住んでみての印象を教えてください。(他の地域から来られた方に)
- 他自治体から京都府に来た経緯について。(前の勤務先を離れた理由まで踏み込まれたという報告あり)

京都府は一次面接と二次面接で同じ「志望動機」を聞かれたという報告があります。2回目も同じ軸で、より磨いて話しましょう。そして「なぜ京都府か」——ここはプレゼンテーションシートに書いたことが出発点になる場合があるので、出願の段階から言葉を選んで書いておくことをおすすめします。
② 自己アピールの欄 →「経験・特技」から追質問が伸びる
要項の指示はかなり具体的です。「これまでの経験や特技、資格、長所等について挙げ、自分が教員としてそれらをどのように活かそうと思うのか入力してください」。さらに「ボランティア等社会貢献活動、在学中の生徒会活動、クラブ活動、海外留学経験、特技、資格、社会人経験のある方はその経験等にふれ、表題についての答えとなる文章を簡潔に入力してください」と例示されています。
- 特技は、仕事でいかせていますか。(→追質問がたくさん来たという報告)
- 今までどんなスポーツをやってきましたか。
- 講師経験で学んだことを教えてください。/指導する上で大事にしている事は何ですか。(→追質問)
- 保有している資格を取った理由は何ですか。→ それを教員としてどう活かせますか。
- 短所は何ですか。/今まで働いてきて自身が成長したと思う力は何ですか。
- 看護師、保健師の免許はありますか。(養護教諭)
- あなたを採用するメリットは何ですか。
要項が「どのように活かそうと思うのか」と書いている以上、経験を並べるだけで終わらせないことが大切です。経験→そこで身についた力→学校現場でどう使うかまで書いて、はじめて「表題についての答え」になります。
「アルバイトの経験なんて書いていいの?」と聞かれることがありますが、書いてよいと考えています。ポイントは、教員としての魅力につながる形で書くことです。理由はこの動画で。
③ 自己研鑽の欄 →「今、何をしているか」を問う京都府らしい欄
要項の指示は「教員を目指すにあたり、自己研鑽していること、努力していること、継続していること等、今現在取り組んでいることについて入力してください」。過去の実績ではなく「今」を書かせる——ここが京都府の様式の特徴のひとつです。
- いじめを未然に防ぐために、自分が取り組んでいることは何ですか。
- 勤務校の課題はありますか。→ 課題に対しての具体的な取り組みは何ですか。
- 養護教諭に必要な資質は何ですか。→ どういう場面で必要だと感じますか。→ 具体的にそれを子どもにどう繋げて成功しましたか。→ 保健教育ではどうですか。(初めの質問に追質問が5つ続いた例。全体は後の節)
京都府の面接では、「取り組んでいること」を1つ挙げさせて、そこから何段も掘られたという報告があります。実録では1つの質問に追質問が5つ続いた例がありました。自己研鑽の欄に書いたことは、「なぜ」「どうやって」「その結果どうなった」「他の場面では」まで答えられるものを選んでください。
そして、令和7年度採用の教育振興プランからの小論文が「教員自身が探究心をもって学び続ける」だったことを思い出してください。「学び続ける教員」は、京都府の小論文でもプレゼンテーションシートでも関わりのあるテーマと考えられます(小論文の記事はこちら)。
プレゼンテーションシートを書く5つの原則
ここからは、私が動画でお話ししている志願書の注意点を土台にした原則を、京都府の様式に合わせてお伝えします。
①「深掘りしてほしい種」だけを撒く
要項が「ポイントを絞り、簡潔に入力してください」と指示しているのは、単なる分量の話ではありません。書く内容が多いと、面接官はどれを聞けばいいか分からず、聞かないこともあります。だから、深掘りしてほしいことを2つか3つぐらいに絞って書くのがよいのです。「特技は、仕事でいかせていますか」で追質問がたくさん来たという報告があるように、面接官は書いてある内容から選んで掘ってくることがあります。掘られて困る話は、最初から書かないほうが安心です。
② 突っ込み質問を想定しながら書く
1行書くたびに「これを読んだ面接官は何を聞きたくなるか」を考えてください。京都府なら「なぜ京都府か」「北部を含む府内全域で勤務できるか」「それを学校でどう使うのか」——こうした質問が来ることを想定しておくと安心です。質問が予測できる文章こそ、いい志願書です。
③ 資質・能力のバランスを見る
3つの記載内容すべてに「明るい」「元気」のような同系統の長所ばかり並ぶと、人物像が平板になります。「子どもへの関わり」「同僚との協働」「学び続ける姿勢」——違う種類の資質が1つずつ入っているかを確認してください。京都府の面接でも、「教職員と連携する上で必要な力」「信頼される教師とは」といった質問が出た報告があります。
④ 項目の意図を正確に読む
京都府の3欄は、聞いていることが少しずつ違います。志願書は、書く項目の意図を正確に読み取って書くことが大切です。要項上の記載は、志望理由=「現在の自分の思い」/自己アピール=「どのように活かそうと思うのか」/自己研鑽=「今現在取り組んでいること」です。項目ごとの意図に合わせて内容を書き分けましょう。3つの欄に3つの違うエピソードを用意しましょう。
⑤ 複数の目を通す(電子申請でも変わりません)
令和9年度採用の京都府は手書きではなく電子申請ですが、「丁寧に書く」の重要性は変わりません。要項も「入力した内容は、提出前にPDF形式で出力し、内容に入力漏れや間違いがないか確認した上で、保存してください」と指示しています。そして、書いたものは何人かの目を通すようにしましょう。何人かの目を通すことで、一人では気づかなかったところに気づいて微修正できます。文章はフレッシュな視点で何度も目を通すことで、より洗練されていきます。
志願書の書き方の全体像は、この完全マニュアル動画にまとめています。

もうひとつ、字数が限られた自己PRで効くのが「言わんでもわかることは書かない」という考え方。「子どもが好きです」「一生懸命がんばります」は、書かなくても伝わる(=みんな書く)ことです。その分の字数を「あなたにしか言えないこと」に使ってください。3つの長所のバランス、1文目に抽象論、2文目に補足や理由、3文目に学校現場でどう生きるか——この組み立てを大学講演で実演しています。
私が実際に書いた自己PRの全文と、その1文ずつの意図は、こちらの記事で公開しています(他自治体の様式ですが、考え方はそのまま使えます)。
プレゼンテーションシート以外の「志願書」も、面接で使われます
京都府の出願フォームでは、プレゼンテーションシートのほかに志願書(基本情報の欄と職歴の欄)を入力します。ここも面接の材料になる場合があります。実録には「勤務校の在籍人数を教えてください」「勤務校はどのような学校ですか」といった、勤務経験について質問された報告があります。
| 入力する項目(抜粋) | 注意点 |
|---|---|
| 選考区分・採用枠 | 一般選考/障害者/スペシャリスト/セカンドキャリア/社会人経験者A・B/スポーツ芸術/大学推薦/教師力養成講座の大学推薦から選択。採用枠は一般採用枠/北部採用枠/小中連携推進枠(北部と小中連携は、両方で募集のある校種・教科に限り重複可)。 |
| 第1志望・第2志望の校種等・教科 | 第2希望で併願できる組み合わせは要項で決まっています。第2希望の校種・教科についても普通免許状を現に有するか、令和9年3月31日までに取得見込みであることが必要です(スペシャリスト特別選考及びセカンドキャリア教科専門特別選考を除く)。 |
| 実技試験の種目(保健体育のみ) | 「バスケットボール・バレーボール・サッカー」から1種目、「柔道・剣道・ダンス」から1種目を志願書で選択。選択後に変更できるかどうかは要項に記載がないため、入力前によく確認してください。 |
| 一部試験免除の希望 | 12区分から該当するものを選択。証明書類(勤務証明書・前年度の結果通知書など)の添付が必要なものがあります(免除の一覧はこちら)。 |
| 加点措置の希望 | 13項目から希望を選択(合計15点が上限。小中連携推進枠は出願した段階で加点されるため選択不要)。資格等が確認できない場合は加点されません。(8)〜(13)は証明書類のアップロードが必要です。 |
| 所有する教員免許状 | 所有・取得見込みのすべてを入力。所有する免許が多い場合の入力できる数は、令和9年度採用の志願書等入力要領で確認してください。 |
| 教職経験・職歴 | 教職経験の有無を選択し、「あり」の場合の入力範囲、職歴の書き方、件数が多い場合の扱いは、令和9年度採用の志願書等入力要領の指示に従ってください。 |
| 配慮を要する内容 | 点字・拡大文字による受験の希望、連絡手段などを具体的に入力(該当なしの場合は入力不要) |
| 任期付職員選考の免除希望 | 第1次合格・第2次不合格となった場合に、令和8年度末に実施する「任期付職員採用選考試験」の筆記・面接の免除を希望するかを選択。希望の有無は合否に一切影響しません(要項に明記)。 |
※出典:京都府教育委員会「令和9年度京都府公立学校教員採用選考試験実施要項」志願書等入力要領。
出願書類受付後の校種等・教科(科目)の変更は認められません。また、同一人物が内容の異なる複数の出願を行うこと(重複出願)も認められません。

見落としがちなのが「資格欄は具体的に記載し、英語・情報資格は正式な資格名称、級・得点、取得年月日を入力してください」という指示。京都府は小・中・高の対象英語資格で10点、小・中・高・特別支援の応用情報技術者試験合格で10点の加点があるので、ここの書き方が直接点数に響きます。「英検準1級」ではなく「実用英語技能検定 準1級 令和◯年◯月◯日取得」——正式名称で、丁寧に。
書いたあとにやること|深掘りツリーをつくる
プレゼンテーションシートを提出したら、そこで終わりではありません。むしろここからが本番です。京都府の面接は1つの話題を何段も掘ってきます。
実録に残っている「深掘りの実例」(養護教諭・第2次試験)
- 養護教諭に必要な資質は何ですか。
- → どういう場面で必要だと感じますか。
- → 具体的にそれを子どもにどう繋げて成功しましたか。
- → 保健教育ではどうですか。
- → (性の多様性と答えたため)性の多様性の指導内容は何ですか。
- → 性の多様性を指導して、子どもや保護者、先生の反応はどうですか。
シートに書いた語句を1つずつ取り出して、「なぜ」「どうやって」「その結果は」「別の場面では」「まわりの反応は」の5方向に枝を伸ばしてみてください。これが深掘りツリーです。3欄それぞれについて作っておくと、面接の準備が進めやすくなります。
ツリーの作り方(=面接ノートの作り方)は、合格者の実例つきでこちらに。
よくある質問
Q. いつまでに書けばいいですか?
A. 出願と同時です。令和9年度採用は令和8年3月23日(月)正午から5月11日(月)正午まで(スポーツ・芸術分野特別選考のみ4月30日まで)。要項は「出願期間終了間際はアクセスが集中するため、手続きを完了できない恐れがありますので余裕を持って手続きしてください」と注意を促しています。文章は、要項が公開される3月より前から準備を始めると安心です(令和9年度採用の要項は2026年3月19日以降にインターネットで公開されました)。
Q. 大学3年生等チャレンジ選考でも書きますか?
A. 個人面接を受験する場合は書きます。チャレンジ選考の要項に「面接試験を受験しない方は、プレゼンテーションシートの記入は不要です」と明記されています。逆にいえば、面接を選択するならプレゼンテーションシートが必要ということ。3年生のうちに志望理由・自己アピール・自己研鑽を言語化しておけるのは、大きなアドバンテージになります。
Q. 何字くらい書けますか?
A. 令和9年度採用の実施要項では、入力可能な字数の記載を確認できませんでした。出願フォームの表示に従ってください。ただし要項が「ポイントを絞り、簡潔に入力してください」と明記しているので、枠いっぱいに詰め込むのが正解ではないことは確かです。読み手が「ここを聞きたい」と思える密度を意識してください。
Q. 講師をしています。何を書けば強いですか?
A. 京都府の実録では、講師の方に「講師経験で学んだことを教えてください」「指導する上で大事にしている事は何ですか」(→追質問)「勤務校の課題はありますか」(→具体的な取り組み)が聞かれたという報告があります。つまり「現場で今、何をしているか」を書けることは、講師の方の強みになりうると考えられます。自己研鑽の欄には、勤務校の課題に対して自分が実際にやっていることを1つ、具体的に書いてください。
なお、令和9年度採用の京都府内講師等特例では、京都府内公立学校(京都市立を除く)の常勤講師として令和3年度〜7年度に通算2年以上(実勤務24月以上)の経験があり、同一の校種等・教科を受験する方は、教職教養と専門が免除されます(京都府内講師等特例。勤務証明書の提出が必要です)。
Q. 提出した文章を、そのまま面接で話せばいいですか?
A. 丸暗記して読み上げるのはおすすめしません。プレゼンテーションシートは「質問の出発点」であって、答えそのものではないからです。書いた内容と矛盾しないこと、そして書ききれなかった具体を口で足せることが大事です。京都府は一次・二次の2回面接があるので、2回とも同じ軸で、しかし同じ棒読みにならない準備をしておきましょう。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
「プレゼンテーションシートのどこを聞かれたか」は、受験した方の報告でしか集まりません。京都府を受験された方は、ぜひ、これから受験する方のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
■ 教採 過去問データベース|受験報告フォーム(2〜3分・匿名OK)
■ 京都府の個人面接|受験者4名の実録と5年間の出題傾向
■ 京都府の倍率|令和9年度採用の最終結果と6年間の推移(校種別・教科別)
■ 京都府の小論文|過去の出題テーマと40分の書き方
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