【教員採用試験】京都府の特別選考と一部試験免除ルート|大学3年生等チャレンジ選考・大学推薦・講師特例・社会人・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

京都府って「一部試験免除」の種類がすごく多いって聞きました……。講師をしているんですが、私も使えるんでしょうか?

京都府は一部試験免除が12区分、加点が13項目もある、全国の中でも制度が細かい自治体のひとつです。しかも免除は重複してかけられる場合がある! 自分がどこに当てはまるかを知っているかどうかで、勉強量がまるごと変わりますよ。順番に整理していきましょう。

この記事では、京都府公立学校教員採用選考試験の特別選考・一部試験免除・加点措置について、令和9年度採用(2026年夏実施)の実施要項と、教育委員会が公表している実績の数字をもとに整理します。

なお、京都市立学校の教員採用は京都市教育委員会が完全に別で実施しています。この記事は京都府(京都市立学校を除く)の制度についての内容です。

この記事の根拠

  • 要件はすべて令和9年度採用の実施要項(京都府教育委員会)の条文から。主な条件を整理しています。各区分の全条件は実施要項で確認してください。
  • 実績の数字は令和5年度〜8年度採用の「教員採用選考試験の結果について」(教委の広報資料)から
  • 倍率・面接の実録は別記事へ →京都府の倍率/京都府の個人面接|受験者4名の実録と5年間の出題傾向(一次・二次で2回+教育実践力テスト)
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表①|あなたはどの「選考区分」で出願する?(令和9年度採用)

まず、出願時に選ぶ選考区分です。京都府には一般選考のほかに7つの特別選考区分があります(社会人経験者特別選考はA区分・B区分に分かれます)。

選考区分対象免除される試験採用予定
1 一般選考普通免許状の所有者・取得見込者。一般採用枠/北部採用枠/小中連携推進枠から選択。なし(一部試験免除は別途申請)540名程度
2 障害者特別選考身体障害者手帳1〜6級/療育手帳/精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方(療育手帳を持たない場合でも、公的判定機関により知的障害者と判定された方を含む)なし(実技の一部免除の場合あり)若干名
3 スペシャリスト特別選考高校保健体育(京都府教育委員会が指定する競技で、国際的規模の競技会に日本代表として出場、又は日本選手権大会・これに準ずる全国的規模の大会で選手として極めて優秀な成績を収めた方、若しくはそうした選手を輩出した指導者)/中・高外国語(英語)(英検1級・TOEFL iBT等の高得点)教職教養・専門が不要(小論文+個人面接のみ)若干名
4 セカンドキャリア教科専門特別選考民間企業・大学・研究機関等での勤務経験(国公私立の学校での勤務経験を除く)が通算3年以上。中:数学・理科・技術・家庭・英語/高:数学・理科・英語・家庭・情報・農業・工業・水産。教職教養・専門が不要(小論文+個人面接のみ)若干名
5-1 社会人経験者特別選考A区分教員免許所有者で、民間企業・官公庁等での週30時間以上の勤務経験が令和7年度までに通算3年以上。国公私立の幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校での勤務経験は除きます。教職教養一般選考に含む
5-2 社会人経験者特別選考B区分志願する校種等・教科の普通免許状を有しない方又は令和9年3月31日までに取得見込みでない方で、週30時間以上の勤務経験が令和7年度までに通算3年以上(国公私立の学校での勤務経験を除く)なし(名簿登載期間を延長して免許取得を猶予)一般選考に含む
6 スポーツ・芸術分野特別選考高等学校志願者のうち、要項が定めるスポーツの全国規模以上の大会等での実績・指導実績、又は芸術分野の吹奏楽の実績・指導実績を持つ方。対象種目、実績を得た時期、指導対象の条件は要項で確認してください。書類選考あり(結果は6月上旬)。小論文・教職教養(専門+個人面接のみ)一般選考に含む
7 大学推薦特別選考大学からの推薦を受けた方(成績優秀者)教職教養・専門一般選考に含む
8 「教師力養成講座」修了者に係る大学推薦特別選考京都府「教師力養成講座」の修了者で、大学からの推薦を受けた方教職教養・専門一般選考に含む

※出典:京都府教育委員会「令和9年度京都府公立学校教員採用選考試験実施要項」。
スペシャリスト・セカンドキャリアは原則として教員免許を取得していない方が対象ですが、該当教科の普通免許状を有する方・取得見込みの方も受験できます(セカンドキャリア教科専門特別選考の中学校技術・家庭、高等学校家庭は免許所有者・取得見込者が対象)。(7)(8)の詳細は各特別選考の実施要項をご確認ください。

早見表②|一部試験免除(12区分)|重複してかけられます

ここが京都府の特徴のひとつです。要項には「次の区分に該当する方は、希望により該当試験を免除します(重複可)」と明記されています。ただし(4)〜(6)の区分間での免除の重複はできません。

区分対象免除される試験
(1) 前年度合格試験令和8年度試験で小論文/教職教養/専門を受験し、基準(基準点)を満たした方。ただし令和8年度試験でスペシャリスト特別選考・セカンドキャリア特別選考に出願した方、令和9年度試験でスペシャリスト特別選考・セカンドキャリア教科専門特別選考に出願する方は対象外。満たした科目(該当するものはすべて自動適用)。専門は同一の校種等・教科を受験する場合に限る。
(2) 大学3年生等チャレンジ選考合格試験令和7年度実施のチャレンジ選考で小論文/教職教養/専門/個人面接の基準を満たした方満たした科目(すべて自動適用)。専門・第1次個人面接は同一の校種・教科の場合に限る。
(3) 前年度追加合格候補者令和8年度試験で追加合格候補者となった方すべての第1次試験(同一の校種等・教科に限る)
(4) 大学推薦特別選考大学からの推薦(教師力養成講座修了者を含む)教職教養および専門
(5) 社会人経験者特別選考A区分A区分に出願し要件をすべて満たした方教職教養
(6) スポーツ・芸術分野特別選考書類選考に合格した方小論文および教職教養
(7) 中・高外国語(英語)の資格TOEFL iBT 95点以上/TOEIC L&R+S&W×2.5=1845点以上/実用英語技能検定1級(令和6年4月1日〜出願時点に取得。英検は令和6年3月31日以前も可)専門および実技試験(資格を証明できる書類の原本を試験当日に持参して確認を受けることが条件です。忘れると免除されません)
(8) 応用情報技術者試験合格者高等学校情報の志願者専門
(9) 京都府内講師等特例①京都府内公立学校(京都市立を除く)の常勤講師として令和3年度〜7年度に通算2年以上(実勤務24月以上)
②京都府内公立学校(京都市立を除く)の常勤講師・非常勤講師・正規教員として令和3年度〜7年度に通算2年以上(実勤務24月以上。週10時間以上の非常勤講師は2年で1年換算。任用に際して教員免許を必要とする職に限る)
①教職教養および専門(同一の校種等・教科に限る)/②教職教養
(10) 他府県現職①国公立の学校で正規教員として令和8年度末まで在職見込み+同一校種等・教科の正規教員経験が、休職及び休業の期間を除いて令和7年度までに通算2年以上
②国公立および京都府内の私立学校で正規教員として令和8年度末まで在職見込み
①すべての筆記試験/②小論文および教職教養
(11) 元京都府正規教員京都府内公立学校(京都市立を除く)で、同一の校種等・教科の正規教員経験が、休職及び休業の期間を除いて令和7年度までに通算2年以上教職教養および専門
(12) 前年度大学推薦令和8年度試験を大学推薦特別選考(教師力養成講座修了者を含む)で受験し、第1次試験に合格した方教職教養および専門(同一の校種・教科に限る)

※出典:令和9年度採用の実施要項「5 一部試験免除」。
(9)②の非常勤講師は、任用に教員免許が必要な職に限り(支援員等は含まない)、週10時間以上が対象で、2年で1年換算(正規教員としての勤務歴も②の年数に算入できます)。(9)は勤務証明書の提出が必要です(正規教員歴の分は添付不要)。

注目してほしいのが(1)前年度合格試験です。前年度(令和8年度試験)にその科目で基準を満たしていれば、第1次試験で不合格でも令和9年度試験では免除の対象になる——しかも「免除可能なものがすべて適用されます」と要項に書かれています。京都府は結果通知で科目ごとの得点と合格基準点を全受験者に知らせてくれるので、自分がどの科目を免除できるか手元の通知書で確認できます。結果通知書は捨てずに保管しておきましょう。

大学3年生等チャレンジ選考|京都府の「前倒し受験」

京都府の一次免除ルートの中で、志願者が増えているのがこれです(令和7年度実施269人→令和8年度実施302人)。大学3年生・大学院1回生(最終年次の1年前)が、本番と同じ第1次試験に挑戦できる制度で、基準を満たした科目は翌年度の採用試験で免除を希望できます。

受験資格出願時点で大学3年生等(4年制大学・大学院の最終年次の1年前)で、令和9年度中に卒業見込みの方。志願する校種等・教科の普通免許状を取得済み又は令和10年3月31日までに取得見込みであること。高等学校の地理歴史・公民を志願する方は地理歴史と公民の両方、特別支援学校志願者は幼稚園・小学校・中学校・高等学校のいずれかの普通免許状と特別支援学校教諭の普通免許状の両方を、取得済み又は同日までに取得見込みであること。昭和43年4月2日以降生まれ等、その他の受験資格も要項で確認してください。
受験する試験小論文/教職教養/専門/個人面接から、一部または全部を選択(出願時に選択)。内容・時間は本試験と同じ(小論文40分/教職教養40分・100点満点/専門90分または70分・100点満点)。
翌年度(令和10年度採用試験)に免除できるもの小論文・教職教養=翌年度に実施するすべての校種等・教科で希望可能/専門・個人面接=基準を満たした校種等・教科と同一の場合に限る
日程(令和8年度実施)筆記=令和8年6月13日(土)※本試験と同じ日/面接=令和8年7月11日(土)・12日(日)のうち指定する1日/結果発表=令和8年7月31日(金)(実施要項に記載の予定日)
加点英語資格等10点/基本情報技術者試験5点・応用情報技術者試験10点/登録日本語教員10点(合計15点が上限)
おまけ「大学3年生等応援プログラム」——実施要項では、受験者を対象に、説明会・教育時事などのオンデマンド講座・1〜2週程度の学校現場体験の機会を提供するとされています(詳細は教職員人事課ホームページで順次公開予定と記載)

※出典:令和9年度採用の実施要項に併載の「大学3年生等チャレンジ選考試験実施要項(令和8年度実施)」。
試験結果に関わらず翌年度の採用試験に出願できます(改めて出願が必要)。免除を申請するときは選考試験結果通知書の写しの提出を求められるため、紛失に注意してください。

チャレンジ選考の実績|302人が挑戦(令和8年度実施)

校種等志願者(R8実施)受験者(R8実施)志願者(R7実施)
小学校90人87人85人
中学校99人91人83人
高等学校80人79人80人
特別支援学校8人7人5人
養護教諭23人19人15人
栄養教諭2人2人1人
合計302人285人269人
科目(令和8年度実施)選択した人受験した人翌年度の免除資格を得た人(当ブログ集計)
小論文233人223人約220人
教職教養299人284人約230人
専門278人264人約180人
個人面接172人158人約120人

※免除資格を得た人数は、京都府教育委員会が公表した「次年度試験免除の資格を得た者」の受験番号一覧を当ブログで数えた概数です(教委は人数を公表していません)。
出典:京都府教育委員会「令和8年度実施大学3年生等チャレンジ選考試験教科別受験状況」「同 次年度試験免除の資格を得た者」

見てほしいのは「個人面接を選んだ人が172人しかいない」ところ。教職教養は299人が選んでいるのに、面接を選ぶ人は6割弱(172人)まで減ります。でも京都府は第1次試験にも個人面接がある自治体。3年生のうちに筆記3科目(小論文・教職教養・専門)と個人面接のすべてで基準を満たし、専門と個人面接の免除条件である同一の校種等・教科に出願する場合は、4年生の6月の第1次試験の準備負担を減らせるんです(第2次試験の模擬授業・個人面接、対象教科では実技試験は残ります)。ここは思い切って全科目を選ぶことをおすすめします!

大学生のうちから動く価値は、私自身の体験でもお伝えしています。

大学推薦+「教師力養成講座」|京都府で名簿登載の多いルート

京都府の広報資料では、「優秀な大学生の確保」の取組として、大学推薦特別選考と「教師力養成講座」が挙げられています。教師力養成講座は、京都府が実施する講座で、修了者は大学推薦の枠で受験できます。

採用年度教師力養成講座修了者の大学推薦(登載)大学推薦(成績優秀者・登載)合計
令和5年度(第15期)78人46人124人
令和6年度(第16期)69人79人148人
令和7年度(第17期)72人54人126人
令和8年度65人57人122人

令和8年度採用では、大学推薦特別選考の志願175人・受験172人に対し、名簿登載122人。名簿登載者549人のうち約2割強が大学推薦ルートという計算になります。教職教養と専門が免除され、小論文+個人面接+二次だけで勝負できるのがこのルートの強さです。

※出典:京都府教育委員会「京都府公立学校教員採用選考試験の結果について」令和5年度〜8年度採用版。
大学推薦特別選考の詳細(推薦の条件・大学ごとの枠など)は各特別選考の実施要項に定められています。

講師をしている方へ|「京都府内講師等特例」の使い方

京都府内の公立学校(京都市立を除く)で講師をしている方は、勤務実績に応じて筆記が免除されます。常勤か非常勤かで免除の範囲が変わるのがポイントです。

あなたの状況必要な勤務実績免除される試験
京都府内公立の常勤講師(同一の校種等・教科を受験)令和3年度〜7年度の間に通算2年以上(実勤務24月以上)教職教養および専門(第1次は小論文と個人面接。第2次は対象教科の実技試験と面接試験)
京都府内公立(京都市立を除く)の常勤講師・非常勤講師・正規教員(校種等・教科を問わない)令和3年度〜7年度の間に通算2年以上(実勤務24月以上)。週10時間以上の非常勤は2年で1年換算。教職教養
元・京都府の正規教員同一の校種等・教科の正規教員経験が、休職及び休業の期間を除いて令和7年度までに通算2年以上教職教養および専門
他府県・京都府内私立の現職(正規教員)①国公立で正規教員として令和8年度末まで在職見込み+同一校種等・教科の経験が、休職及び休業の期間を除いて令和7年度までに通算2年以上すべての筆記試験(残るのは個人面接と二次だけ)
他府県・京都府内私立の現職(正規教員)②国公立および京都府内私立で正規教員として令和8年度末まで在職見込み(志願と異なる校種等・教科でも可)小論文および教職教養

※出典:令和9年度採用の実施要項「5 一部試験免除」(9)(10)(11)。
京都府内講師等特例は勤務証明書の提出(出願時PDFアップロード+出願時郵送)が必要です。ただし正規教員歴の分は提出不要です。他府県現職は出願時の提出書類なし。

京都府内公立学校(京都市立を除く)の常勤講師として令和3〜7年度に実勤務24月以上勤務し、その経験と同一の校種等・教科を受験する方は、希望により教職教養も専門も免除。第1次は小論文と個人面接ですが、第2次には対象教科の実技試験もあります。ここまで絞られると、筆記の準備の負担はかなり軽くなります。浮いた時間を面接と模擬授業にあてる——これが京都府の講師の進め方のひとつだと考えます。講師だからこそ語れる強みは、この動画でまとめています。

社会人・転職を考えている方へ|免許がなくても受験できる区分

京都府には、教員免許を持っていない社会人でも受験できる区分が3つあります(セカンドキャリア教科専門特別選考の中学校技術・家庭、高等学校家庭は、免許の所有または取得見込みが必要です)。

社会人経験者特別選考B区分(教員免許取得猶予)昭和44年4月2日以降に生まれ、志願する校種等・教科の普通免許状を有しない方又は令和9年3月31日までに取得見込みでない方で、民間企業・官公庁等で週30時間以上の勤務経験が令和7年度までに通算3年以上ある方。国公私立の幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校での勤務経験は除きます。その他の共通受験資格も要項で確認してください。名簿登載後、免許取得のために名簿登載期間を令和11年4月1日まで延長できます=採用を最大2年間猶予。試験は小論文・教職教養・専門・個人面接(一般選考と同じ内容)。
セカンドキャリア教科専門特別選考民間企業・大学・研究機関等での勤務経験が通算3年以上で、その経験により受験教科の専門的知識・経験・技能を有する方。中:数学・理科・技術・家庭・英語/高:数学・理科・英語・家庭・情報・農業・工業・水産。筆記は小論文だけ(+個人面接)。数学・理科は受験教科の分野に係る修士の学位(令和9年3月31日までの取得見込みを含む)も要件。英語は、TOEFL iBT 95点以上、TOEIC L&R+S&W×2.5の合計1845点以上、実用英語技能検定1級のいずれかも必要です(令和6年4月1日から出願時点までに取得。英検1級はそれ以前の取得も可)。勤務経験からは要項指定の幼稚園・小中高校等の学校勤務を除きます。中学校技術・家庭及び高等学校家庭は、該当教科の普通免許状の所有又は令和9年3月31日までの取得見込みが必要です。
スペシャリスト特別選考高校保健体育=京都府教育委員会が指定する競技(陸上・水泳・柔道・剣道・野球など31競技)で、国際大会に日本代表として出場した実績又は日本選手権大会・これに準ずる全国大会で極めて優秀な成績を収めた実績、もしくはそうした選手を輩出した指導者/中・高外国語(英語)=英検1級、TOEFL iBT、TOEIC等の高い英語資格。筆記は小論文だけ(+個人面接)。

※スペシャリスト・セカンドキャリアは、該当教科の普通免許状を持たない方には特別免許状が授与される仕組みです(特別免許状は教育職員検定に合格した方に授与されます)。ただし特別免許状を授与できない場合は名簿登載が取り消されます(要項より)。

特別選考の実績|「若干名」でも毎年、名簿に登載されています

採用年度選考志願/受験/名簿登載登載の内訳(教委公表)
令和8年度社会人経験者特別選考11/8/4教員免許取得猶予で4名(小学校1・中学校技術1・高校国語1・高校地歴公民1)
セカンドキャリア特別選考6/5/2高校情報1・高校工業1
スポーツ・芸術分野特別選考—6名(テニス・ダンス・柔道・水泳=高校保健体育各1/吹奏楽=高校音楽2)
スペシャリスト/障害者1/1/0  2/2/0—
令和7年度スポーツ・芸術分野特別選考—3名(相撲=高校国語1・レスリング=高校保健体育1・吹奏楽=高校音楽1)
スペシャリスト/セカンドキャリア2/2/0  1/1/0—
障害者特別選考5/5/1—
令和6年度スペシャリスト特別選考—2名(高校保健体育2)
セカンドキャリア特別選考—2名(高校農業2)
令和5年度スペシャリスト特別選考15/15/3高校保健体育2・高校農業1

※出典:京都府教育委員会「京都府公立学校教員採用選考試験の結果について」令和5年度〜8年度採用版。
「—」は当該年度の資料に該当欄がない項目です。

「若干名」と書かれていると諦めてしまう方が多いのですが、令和8年度は社会人経験者だけで4名、スポーツ・芸術で6名が名簿登載されています。しかも社会人経験者B区分は免許取得まで最大2年間、採用を待ってもらえる制度。年齢の上限(令和9年度採用の一般選考は昭和42年4月2日以降に生まれた方)の範囲で、40代・50代からの挑戦も制度として道が用意されています。

加点措置(13項目)|第1次試験の「専門」に最大15点

京都府の加点は第1次試験の「専門」に加算されます(専門は100点満点)。なお、専門が免除される区分での加点の扱いは、要項に記載がありません。併用は可能ですが、合計15点が上限です。志願書の該当欄で希望を選択し、(8)〜(13)は証明書類のアップロードが必要です。

加点措置対象校種等加点
(1) 小中連携推進枠を希望する方(出願した段階で加点。希望欄の選択不要)小・中(数学・理科・技術・家庭・英語)5点
(2) 中学校または高等学校の外国語(英語)普通免許状を所有小(第1希望のみ)5点
(3) 特別支援学校の普通免許状(領域は問わない)を所有小・中・高5点
(4) 中学校技術の普通免許状を所有中(技術を除く)5点
(5) 中学校家庭の普通免許状を所有中(家庭を除く)5点
(6) 高等学校家庭の普通免許状を所有高(家庭を除く)5点
(7) 高等学校情報の普通免許状を所有高(情報を除く)5点
(8) 英語資格等:実用英語技能検定準1級以上/TOEIC S&W 310点以上/TOEIC L&R 785点以上/TOEFL iBT 72点以上/ケンブリッジ英検160点以上/IELTS 5.5以上/GTEC CBT 1180点以上小・中・高10点
(9) 司書教諭資格を所有(取得に必要な単位を修得済みの方も含む)小・中・高・特5点
(10) 基本情報技術者試験に合格/応用情報技術者試験に合格小・中・高・特5点/10点
(11) 「登録日本語教員」の資格を所有小・中・高・特10点
(12) 社会福祉士・公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士のいずれかを所有全校種等・教科5点
(13) 国際貢献活動等の経験:令和3年4月1日〜令和8年3月31日に、JICAの青年海外協力隊・日系社会青年ボランティアとしての活動経験が通算2年以上/海外の日本人学校での勤務経験が合計3年以上全校種等・教科5点

※出典:令和9年度採用の実施要項「6 加点措置」。
表の(2)〜(7)の免許は令和9年3月31日までの取得見込みも含みます。(9)の司書教諭は同日までに資格取得に必要な単位を修得する方も含みます。
英語資格等は令和6年4月1日から出願時点までに取得したものが対象(実用英語技能検定は令和6年3月31日以前に取得したものも可)。資格等が確認できない場合は加点措置が行われません。

加点が大きいのは10点の3つ——英語資格・応用情報技術者試験・登録日本語教員です。上限15点なので、たとえば英語資格10点+特別支援免許5点=15点で満額。100点満点の専門で15点は非常に大きいです。いま持っている資格を志願書の加点欄と突き合わせるところから始めてください。

北部採用枠・小中連携推進枠|「枠」で受けるという選択

一般選考の中に、京都府独自の2つの枠があります。どちらも枠の中で選考から漏れた場合は、自動的に一般採用枠での選考対象になると要項に明記されています(ただし北部採用枠で採用された場合は、少なくとも10年間程度は北部地域での勤務になります)。

北部採用枠北部でじっくりと児童生徒の教育を行いたいという意欲のある方を募集する枠。名簿登載・採用後は少なくとも10年間程度、北部地域(綾部市・福知山市・舞鶴市・宮津市・京丹後市・伊根町・与謝野町)で勤務。令和9年度の枠:小学校25名以内/中学校25名以内/高校20名以内/特別支援学校10名以内。奨学金返還支援あり——日本学生支援機構の奨学金を最大1,536,000円(10年間に分けて補助・20名程度・所得要件あり)。
小中連携推進枠小・中学校両方の専門性を備え、両方の学校で力を発揮したい方の枠。小学校+中学校(数学・理科・技術・家庭・英語)の両方の免許が必要。採用後は小・中学校のいずれかに配属され、小・中学校間で異動する場合があります。令和9年度の枠:小学校10名以内/中学校5名以内。出願した段階で専門に5点加点。

令和8年度採用の実績は、北部採用枠が志願159人・受験155人・名簿登載56人、小中連携推進枠が志願24人・受験24人・名簿登載8人(小学校7人・中学校1人)。北部採用枠と小中連携推進枠は重複して希望することも可能です(ただし、北部採用枠・小中連携推進枠の両方で募集のある校種・教科に限ります)。

まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも面接

京都府の制度を並べて分かるのは、どのルートを使っても「小論文」と「個人面接」は残ることが多いということです(他府県現職①・スポーツ・芸術分野・前年度追加合格候補者は例外あり)。

あなたのルート第1次試験で残るもの
一般選考(免除なし)小論文・教職教養・専門・個人面接
大学推薦/教師力養成講座/京都府内講師等特例①/元京都府正規教員/前年度大学推薦小論文・個人面接
スペシャリスト/セカンドキャリア教科専門小論文・個人面接
社会人経験者A区分小論文・専門・個人面接
スポーツ・芸術分野専門・個人面接(+事前の書類選考)
他府県現職①個人面接のみ
前年度追加合格候補者なし(第2次試験から)

つまり京都府では、免除後に残る第1次試験は、適用される免除区分によって異なります。そしてどのルートで一次を通っても、第2次試験は全員が「個人面接+教育実践力テスト(+実技)」を受けます(教育実践力テストの中身は、小・中・高・特別支援学校・栄養教諭が模擬授業・口頭試問、養護教諭が場面指導・救急救命です)。免除は入口を広げてくれますが、合否に大きく関わるのは面接と模擬授業だと考えられます——ここに時間を注ぐことをおすすめします。

■ 京都府の個人面接|受験者4名の実録と5年間の出題傾向(一次・二次で2回+教育実践力テスト)
■ 京都府の小論文|過去の出題テーマと40分の書き方
■ 京都府のプレゼンテーションシートの書き方|面接で深掘りされる記載内容を実録から逆算

よくある質問

Q. 令和8年度試験で、小論文と教職教養は基準を超えていて、専門が免除で一次に合格しました。令和9年度試験ではどうなりますか?

A. 要項のQ&Aに同じ趣旨の質問が載っています。実際に受験して基準を超えた科目が免除の対象で、前年度に免除されていた科目は「受験していない」ため免除の対象になりません。このケースでは小論文と教職教養が免除になります。ご自身の結果通知書で、どの科目を受験して基準点を超えたかを確認してください。

Q. 免除は自分で選ぶのですか?

A. 志願書の「一部試験免除の希望」欄で選択します。ただし(1)前年度合格試験と(2)チャレンジ選考合格試験は「免除可能なものがすべて適用されます」と要項に明記されています。また、社会人経験者特別選考A区分・スポーツ芸術分野・大学推薦・教師力養成講座修了者の大学推薦を希望する場合は、特別選考で受験資格を得た段階(スポーツ芸術分野は書類選考に合格した方、大学推薦は推薦を受けて特別選考で受験資格を得た方、社会人経験者特別選考A区分は要件をすべて満たした方)で該当試験の免除の対象になります。要項では「希望により該当試験を免除する」とされているため、志願書での入力方法は志願書等入力要領で確認してください。

Q. 加点は複数申請できますか?

A. 併用できます。ただし合計15点が上限です。加点は第1次試験の「専門」に加算されます。証明書類がアップロードされていない、あるいは資格が確認できない場合は加点されないので、出願時に忘れずに添付してください。

Q. 京都市立学校の講師ですが、「京都府内講師等特例」は使えますか?

A. 使えません。要項では「京都府内公立学校」を「京都市立学校を除く京都府内の公立小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び特別支援学校」と定義しています。京都市立学校での講師経験は、この特例の対象外です。

Q. 特別支援学校教諭の免許がなくても特別支援学校を受験できますか?

A. 幼稚園・小学校・中学校・高等学校のいずれかの普通免許状を所有又は令和9年3月31日までに取得見込みで、その他の受験資格を満たすことが前提です。本試験の要項には「出願時に特別支援学校教諭免許状を所有していない場合でも受験することができます。ただし、採用後3年以内に免許状取得に必要な科目の単位を修得したうえで、免許状を必ず取得してください(採用時に誓約書を提出)」と明記されています。特別支援学校は令和8年度採用の倍率が1.7倍と最も低い区分でした。

Q. 出願はいつからですか?

A. 令和9年度採用は令和8年3月23日(月)正午から5月11日(月)正午までのインターネット(電子申請)。ただしスポーツ・芸術分野特別選考を希望する方は4月30日(木)までと早く締め切られます(書類選考があるため)。京都府教育委員会教職員人事課のホームページから専用入力フォームに進みます。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

制度は要項で追えますが、「その免除を実際に使ってみてどうだったか」「面接で何を聞かれたか」は受験した方の報告でしか集まりません。京都府を受験された方は、ぜひ、これから受験する方のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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