【教員採用試験】埼玉県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生チャレンジ・大学推薦・臨任経験者・セカンドキャリア・加点制度を数字で解説

こんにちは、金井志津乃です! 

埼玉県って特別選考の種類が多すぎて、自分がどれで受けられるのか分からない……。一次が免除になるのはどれ? そもそも一般選考で受けたほうがいいの?

気持ち、よく分かります! 埼玉県の特別選考は9種類。しかも受験者のおよそ3分の2が特別選考という県なんです。「自分が使えるルートを知らないまま一般選考で受ける」のがいちばんもったいない。要項の条文と、教育委員会が公表しているルート別の合格率で整理しますね!

この記事では、埼玉県公立学校教員採用選考試験の特別選考と第1次試験の免除・加点について、令和9年度採用の選考試験要項の条文と教育委員会が公表している選考区分別の実績をもとに整理します。

この記事の根拠

  • 受験資格・免除の範囲・加点はすべて「令和9年度埼玉県公立学校教員採用選考試験要項(令和8年度実施)」の条文から。要約する際も、要件の数字は原文どおりに記載しています。
  • ルート別の受験者数・合格者数・合格率は埼玉県教育委員会「令和8年度埼玉県公立学校教員採用選考試験結果」(2025年9月26日公表)の公表値
  • 大学推薦特別選考・彩の国かがやき教師塾特別選考・大学3年生等チャレンジ選考は別冊の要項で実施されます。本記事は本体要項に書かれている範囲のみを扱っています。
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

早見表|あなたはどのルート?(令和9年度採用)

まず全体像です。「第1次試験で何を受けるか」が、選考区分によってまったく違います。特別選考も、各区分の資格に加えて要項の共通受験資格を満たす必要があります。令和9年度採用では昭和40年4月2日以降の出生などが条件です。免許状の種類・取得期限(セカンドキャリア・看護師等経験者の例外を含む)と欠格事項も要項3ページで確認してください。

選考区分対象第1次試験R8合格率
一般選考高等学校等教員(看護)を除く志願区分(特別選考の資格があっても一般選考で志願可)筆答(一般教養・教職科目)+筆答(専門分野)28.0%
障害者特別選考全志願区分免除13.5%
本採用教員経験者特別選考全志願区分免除65.0%
臨時的任用教員経験者特別選考A選考全志願区分筆答(専門分野)+集団面接30.4%
臨時的任用教員経験者特別選考B選考全志願区分免除44.8%
セカンドキャリア特別選考全志願区分筆答(専門分野)+集団面接36.0%
看護師等経験者特別選考高等学校等教員(看護)免除14.3%(令和8年度は高等学校等と特別支援学校の合計。高等学校等のみは25.0%)
大学推薦特別選考指定大学・大学院の推薦者免除88.7%
彩の国かがやき教師塾特別選考小学校等・中学校等別途定める要項による100.0%
大学3年生チャレンジ選考通過者特別選考全志願区分筆答(専門分野のみ)52.0%

※「第1次試験」は令和9年度採用の要項「試験種目・配点」表より。「R8合格率」は埼玉県教育委員会「令和8年度埼玉県公立学校教員採用選考試験結果」(2025年9月26日公表)の公表値で、受験者に対する最終合格者の割合です。大学3年生チャレンジ選考通過者特別選考は令和8年度採用から実施。

合格率の差、すごいですよね。一般選考28.0%に対して、大学推薦88.7%・かがやき教師塾100%・本採用教員経験者65.0%。ただし、これは「ルートを選べば受かる」という話ではありません。その資格を得るまでに、すでにハードルを越えている人たちだから高いんです。それでも「自分が使えるルートを知っているかどうか」で、スタートラインが変わることがあります。

大学生のルート|大学3年生チャレンジ選考・大学推薦・彩の国かがやき教師塾

大学3年生チャレンジ選考通過者特別選考(全志願区分)

埼玉県で令和9年度採用の志願者数の増加が最も大きいルートです。大学3年生等のうちに「大学3年生等チャレンジ選考」を受験して通過しておくと、翌年の本試験は第1次試験が筆答(専門分野)1種目だけになります(一般教養・教職科目の筆答も、集団面接も免除)。

受験資格「埼玉県公立学校教員採用選考試験 大学3年生チャレンジ選考(令和7年度実施)」の選考通過者
第1次試験筆答試験(専門分野)60分のみ。一般教養・教職科目の筆答試験と集団面接は課されません。
実績令和8年度採用(初年度):受験790人→合格411人=52.0%。校種別では小学校等78.5%・特別支援68.4%・中学校等49.3%・高等学校等32.5%・養護31.5%・栄養25.0%。
志願者の伸び令和8年度採用809人 → 令和9年度採用892人(+83人)。全特別選考の中で最大の増加。
令和8年度実施のチャレンジ選考からの拡大令和8年度実施のチャレンジ選考は、短期大学・大学院・専門学校の学生にも対象が拡大しています。通過後に受ける本選考は翌年の令和10年度採用です。この記事の令和9年度採用「通過者特別選考」は、令和7年度実施の通過者が対象です。
注意本試験の出願時に、必ず「大学3年生チャレンジ選考通過者特別選考」の選考区分で申し込むこと(要項に注意喚起あり)。また加点は表の点数の半分(端数切り上げ)になります(第1次試験の試験種目が1種目のため)。

※詳細は別途定める「大学3年生等チャレンジ選考試験要項」をご確認ください。

大学生の方には、3年生での受験を強くおすすめします。通過すれば4年生の年は専門1科目だけ。そのぶん面接・集団討論・論文にまるまる時間を使えるんです。埼玉県の二次は最大3日構成(実技のない区分は2日)で面接系の配点が重いので、この時間差は合否に影響する可能性があります。私自身も大学2回生から準備を始めて新卒一発合格しました。何をしていたかはこの動画で話しています。

大学推薦特別選考|第1次試験が全部免除、合格率88.7%

埼玉県教育委員会が指定する大学・大学院からの推薦を受けるルートです。第1次試験は全科目免除。令和8年度採用の合格率は88.7%(受験133人→合格118人)、令和7年度採用は92.4%でした。

志願区分・教科推薦する機関
小学校等教員/中学校等教員(美術・技術・家庭)/特別支援学校教員(特別支援教育)埼玉県教育委員会が指定する大学、大学院(教職大学院を含む)
高等学校等教員(数学・理科)埼玉県教育委員会が指定する大学院(教職大学院を含む)
全志願区分埼玉県教育委員会が指定する教職大学院

※出典:令和9年度埼玉県公立学校教員採用選考試験要項【特別選考一覧表】⑸
詳細は別途定める「大学推薦特別選考実施要項」(令和9年度試験ホームページに掲載)によります。
どの大学が指定されているかは、まず所属大学の教職課程窓口に確認してください。推薦の枠や人数は、大学ごとに別途定められている場合があります。

彩の国かがやき教師塾特別選考(小学校等・中学校等)|合格率100%

彩の国かがやき教師塾に関わる受講者を対象とした選考です(対象者の要件は別途定める要項でご確認ください)。令和8年度採用は受験80人→合格80人(100.0%)、令和7年度採用は98.8%。実施方法は別途定める「彩の国かがやき教師塾特別選考実施要項」によります。

なお、この選考を使わずに一般選考で志願する場合でも、「彩の国かがやき教師塾ベーシックコース」の修了者には第1次試験に5点の加点があります(小学校等・中学校等・特別支援学校・養護・栄養が対象)。ただし彩の国かがやき教師塾特別選考(中学校等教員)での志願者は、小学校等教員への併願ができません(要項より)。

講師・現職のルート|臨時的任用教員経験者A/B、本採用教員経験者

埼玉県で最も人数が多いのがこのグループです。令和9年度採用の志願者は、臨時的任用教員経験者A選考が1,277人、B選考が432人、本採用教員経験者が160人。合わせて1,869人が「現場で働きながら受ける」ルートです。

臨時的任用教員経験者特別選考A選考(合格率30.4%)

受験資格ア または イ(いずれか)に該当すること。
ア:令和5年4月1日〜令和8年3月31日の期間に、埼玉県内の国公立学校における常勤の臨時的任用教員・任期付教員・任期付短時間勤務教員としての経験を7か月以上有する(連続していなくてよい/異校種の経験は合算可/経験した校種・教科と志願する校種・教科が異なってもよい/ひと月の中に発令期間が1日でも含まれれば経験月として数える/埼玉県内の市町村が単独で採用する常勤の教員としての経験も対象となる場合があります)
イ:令和8年5月1日現在、埼玉県内の公立学校で常勤の臨時的任用教員等である(埼玉県教育委員会が発令したものに限る。川口市立高等学校(全日制)・川越市立川越高等学校での経験を含む)
第1次試験筆答試験(専門分野)+集団面接(5名程度・試験員2名・100点)。一般教養・教職科目の筆答試験は免除。
集団面接の観察項目教職への理解/指導力/経験(教師として求められる実践ができるか。経験を生かし、能力を高めていこうとする姿勢があるか)/理解力・判断力/協調性・社会性(選考方針より)
提出書類勤務状況等調書(要厳封・開封無効)を第1次試験当日(令和8年7月5日)に持参。所属長が作成し厳封したもの。令和8年7月1日現在も県内国公立学校の臨時的任用教員等として勤務している方は、同日以降の日付で、現在の勤務校の所属長に作成・厳封してもらう必要があるため、日程に余裕をもって依頼を。
受験資格に係る職歴に埼玉県教育委員会以外が発令したものを含む場合は、在職期間等証明書(該当教育委員会が証明したもの)を第2次試験合格後に原本で提出します(様式は第2次試験結果の通知時に案内されます)。
対象外非常勤講師・学校栄養職員・実習助手の経験は対象になりません

臨時的任用教員経験者特別選考B選考|第1次免除(合格率44.8%)

受験資格A選考のア(県内国公立学校での常勤の臨時的任用等の経験7か月以上)
ウ:令和8年度採用(令和7年度実施)・令和7年度採用(令和6年度実施)・令和6年度採用(令和5年度実施)の埼玉県公立学校教員採用選考試験の第1次試験を受験(免除を除く)し、合格した者——の両方を満たす者(志願区分・教科(科目)等は合格時と同じものに限る)。
第1次試験全科目免除
令和9年度からの拡大要件ウが「直近3年間の第1次試験を受験(免除を除く)し、合格した者」に拡大されました(要項「昨年度からの主な変更点」より)。令和8年度採用までより対象が広がっています。
提出書類県内臨時的任用教員・任期付教員・任期付短時間勤務教員として勤務した学校(複数校の場合は直近校)の所属長が作成した勤務状況等調書(要厳封・開封無効)を第2次試験①の日に持参(【小・中・養・栄】令和8年8月8日/【高・特】令和8年8月2日)。令和8年7月1日現在もこれらの任用形態で学校に勤務している方は、7月1日以降の日付で現在の勤務校の所属長に作成・厳封を依頼します。受験資格に係る職歴に埼玉県教育委員会以外が発令したものを含む場合は、在職期間等証明書(該当教育委員会が証明したもの)を第2次試験合格後に原本で提出します

ここ、埼玉県の講師の方は絶対に確認してください。過去3年のうちに一次を受験して合格し、上の表にある経験要件と、合格時と同じ志願区分・教科(科目)等の条件も満たせば、令和9年度採用では一次まるごと免除のB選考が使えます。A選考(合格率30.4%)とB選考(44.8%)では、令和8年度採用の合格率に約14ポイントの開きがあります(受験者の層が違うため単純には比べられません)。「前年度に一次は通ったけど二次で落ちた」という方——それは、大きな武器になります。

本採用教員経験者特別選考|第1次免除(合格率65.0%)

受験資格ア・イのいずれかを満たすこと。
ア:志願区分における、埼玉県内の公立学校での本採用教員としての教職歴が令和8年3月31日までに通算2年以上(埼玉県教育委員会が発令したものに限る。川口市立高等学校(全日制)・川越市立川越高等学校での経験を含む)
イ:志願区分における、国立大学法人が設置する学校・さいたま市立の学校・埼玉県外の公立学校での本採用教員としての教職歴が令和8年3月31日までに通算2年以上あり、令和8年4月1日現在引き続き本採用教員として任用されている者(令和8年4月1日時点で休職・休業中の者を除く)
第1次試験全科目免除
ポイント教職歴に休職(休業)期間は含みません/複数の教職歴は合算可/経験した教科と志願する教科は異なっても構いません/私立学校での経験は対象外/小・中・高を志願する場合、特別支援学校の各部での経験は教職歴に含まれず、その逆も同様
提出書類履歴書の写しを出願時に郵送(簡易書留・令和8年5月8日消印有効)。任命権者または所属長が公印により原本証明したもの。加えて勤務状況等調書(要厳封)を第2次試験①の日に持参。

この「イ」の要件が重要です。志願区分で、他県(国立大学法人設置校・さいたま市立を含む)の本採用教員として令和8年3月31日までに通算2年以上の教職歴があり、令和8年4月1日現在も引き続き本採用教員として任用されている(休職・休業中を除く)なら、埼玉県の第1次試験は免除になります。合格率65.0%(令和8年度採用)は、大学推薦・かがやき教師塾に次ぐ高さです。

講師として受験する方の強みは、私はこう考えています。

新卒の方と講師の方では、意識すべきポイントが違います。新卒の方は知識武装と情報収集——ただし学んだ知識をアウトプットするときは「自分自身の考えとしてこう考えています」という形で出すこと。講師の方はいろいろな子どもを見ているからこその具体例・実績と、熱意をまだ失っていないことをしっかりアピールしてください。

社会人のルート|セカンドキャリア特別選考(合格率36.0%)

民間企業等で働いてきた方のためのルートです。令和9年度採用の志願者は190人(前年比+10人)。合格率は令和7年度採用36.5%、令和8年度採用36.0%と安定しています。

受験資格ア(勤務経験)民間企業等における本採用(正規採用)職員としての勤務経験を、令和8年3月31日までに通算5年以上有する者
または、1つの民間企業等における本採用職員としての勤務経験を、平成31年4月1日〜令和8年3月31日の期間に継続して3年以上有する者
受験資格イ(免許)志願区分・教科の普通免許状等を有する者、または令和11年3月31日までに取得見込みの者(昭和41年4月1日以前に出生した者は令和10年3月31日まで)
「民間企業等」の定義法人格を有する企業・団体・官公庁等のこと
「本採用職員」の定義任期の定めのない雇用により、週30時間以上の勤務を行う社員または職員(国公私立学校の教員を除く)。病気や育児等により勤務しなかった期間は含みません。通算5年以上の場合は複数の職歴を合算できます。
第1次試験筆答試験(専門分野)+集団面接(5名程度・試験員2名・100点)。一般教養・教職科目の筆答試験は免除。
集団面接の観察項目教職への理解/指導力/経験(民間企業等で培った知識や経験を教師として生かすことができるか。経験を生かし、能力を高めていこうとする姿勢があるか)/理解力・判断力/協調性・社会性(選考方針より)
免許取得のための登載猶予第2次試験合格者のうち、免許状を令和9年4月1日以降に取得見込みの者は、申請し埼玉県教育委員会の許可を得た場合に、取得見込みの時期に応じて1年間または2年間、採用候補者名簿への登載を猶予されます
提出書類在職期間等証明書(雇用主・任命権者等が証明したもの/県指定様式)を第2次試験合格後に原本提出

令和9年度採用からの拡大は見逃せません。令和8年度採用までは「通算5年以上」だけでしたが、「1つの企業で継続3年以上」でも受けられるようになりました(要項「昨年度からの主な変更点」より)。しかも免許は原則として令和11年3月31日までの取得見込みで可(昭和41年4月1日以前に出生した方は令和10年3月31日まで)で、申請して県教育委員会の許可を得れば、合格後に最大2年間の登載猶予がある。「免許を取ってから受験しよう」と待っている必要がない設計になっています。

社会人・40〜50代の方が面接で聞かれること

社会人で教採を受けるとき、私が「バシッと話せるようにしておいてください」とお伝えしているのは次の2つです。

  • 社会人経験を学校現場でどう生かしたいのか——ここは絶対に聞かれるところかなと思います
  • なぜ社会人をしていたのに教員を目指そうと思ったのか——ここにその人の教員としての使命感が出ます

実際、埼玉県の実録でも「これまでの仕事と学校教育で異なる点は何ですか」「これまでの仕事の経験を教育にどのように生かせますか」「これまでの経歴を踏まえて、年下の同僚とはどのように接しますか」といった質問が、複数の年度・校種で報告されています。

40代・50代での受験についても、結論から言うと合格できると私は考えています。私のところにも、40代まで民間企業で働いていて初めて挑戦して合格した方、子育てが落ち着いた50代でかねてからの夢だった教員を目指して合格した方が何人もいます。ただし、面接官が懸念しやすいポイントが3つあると私は考えています。

  1. 今求められている授業や教育ができるのか。自分が学生だった頃と今の教育は大きく変わっています。ICT、主体的・対話的で深い学び——謙虚に学べる姿勢があるかどうか。
  2. 年下の同僚とフラットに働けるか。自分の子どもくらいの年齢の先輩教員から、本当に謙虚に学べるか。ここができる方は、それだけで「採用したい」と思われます。
  3. 人生経験を生かした「調整役」としての価値提供。人と人の間に入るクッションになれる、みんなが敬遠している仕事に「もしよかったら私がやりましょうか」と手を挙げられる。ただし「だからやってあげる」ではなく、チームが今それを求めているかを見たうえで——ここが分かれ目です。

ちなみに「社会人受験で合格しやすい職業はありますか」とよく聞かれます。私の見立てでは2種類あります。①受験する校種・教科に関連する職業(専門性にそのままつながる)と、②営業職・接客業(相手に好印象を持ってもらえる話し方を体得している方が多く、面接に強い)です。

その他のルート|障害者特別選考・看護師等経験者特別選考

障害者特別選考(全志願区分)身体障害者手帳の交付を受けている者、または精神障害者保健福祉手帳(令和8年4月1日時点で有効期限内のもの)の交付を受けている者。第1次試験は全科目免除。障害の種類や程度により、必要に応じて第2次試験の一部を免除または内容等を変更して実施されます。出願時に手帳の写真等の電子データをアップロードし、合格後に原本を呈示。この選考の採用見込数は、各志願区分の採用見込数に含まれません(要項の注記より)。
看護師等経験者特別選考(高等学校等教員・看護)高等学校卒業以上の学歴/教育職員免許法第5条第1項各号のいずれにも該当しない/看護師の資格を有する/病院等において常勤(常勤に準ずるものを含む)の看護師(助産師・保健師を含む)として5年以上、または3年以上の実務経験と看護に関する教職経験を合算して5年以上——のすべてを満たす者。経験期間は令和8年3月31日までに勤務した期間を通算します。普通免許状を所有していなくても志願でき、合格した際は特別免許状取得の手続きをします(令和9年3月31日までに取得できなかった場合は名簿から削除)。第1次試験は全科目免除。令和9年度採用は高等学校等教員(看護)のみ実施で、特別支援学校教員では実施されません。

第1次試験の加点制度|最大10点、ただし合算はできません

特別選考とは別に、特定の資格・実績等を有する者に対して、申請により第1次試験の合計点に加点する制度があります。埼玉県の第1次試験は最大200点(一般選考)なので、10点は1次合計200点の5%分(1科目100点なら1割)。決して小さくありません。

  • 複数の資格・実績等に該当しても、加点は合算されません(要項の注意事項より。申請方法は出願時の案内で確認)
  • 令和9年度採用の要項では、出願時に必要書類の写真等の電子データをアップロードして提出します。出願期限までに提出がなければ加点されません。
  • 第2次試験合格後に原本提出または原本呈示。指定の期日までに確認できない場合は合格を取り消されることがあります。
  • 大学3年生チャレンジ選考通過者特別選考の受験者は、第1次試験の試験種目が1種目のため、加点は表の点数の半分(端数切り上げ)
加点対象対象の志願区分加点
JICAが派遣する青年海外協力隊員等として、出願時までに24か月以上の海外での国際貢献活動経験全志願区分10点
英語の中学校教諭普通免許状または高等学校教諭普通免許状を有する(取得見込は不可)小学校等教員10点
小・中・義務教育学校・高校・中等教育学校で、英語指導助手の常勤(常勤に準ずる者を含む)としての実務経験を令和8年3月31日までに通算24か月以上小学校等教員10点
CEFR B2相当(英検1級・準1級(英検IBAは不可)/TOEIC L&R 785点以上(IPテストは不可)/TOEFL iBT 72点以上/ケンブリッジ英語検定・4技能CBTリンガスキル160点以上/GTEC CBT・Advanced 1180点以上(アセスメント版は不可)/IELTS 5.5以上/TEAP 309点以上/TEAP CBT 600点以上。英検は英検S-CBT・英検CBTを含む。出願時に証明書類を有することが条件で、資格の取得時期・試験時期は問わない)小学校等教員/中学校等教員(英語)/高等学校等教員(英語)10点
専門調理師の認定証書、または調理師の資格高等学校等教員(家庭)10点
手話通訳士試験に合格し、手話通訳士として登録全志願区分10点
司書教諭講習修了証書(取得見込は不可)小学校等教員/中学校等教員5点
日本語教育能力検定試験に合格全志願区分5点
登録日本語教員の国家資格全志願区分10点
基本情報技術者試験に合格全志願区分(高等学校等教員(情報)を除く)5点
応用情報技術者試験に合格全志願区分10点
特別支援学校教諭普通免許状(特別支援学校自立教科教諭普通免許状・特別支援学校自立活動教諭普通免許状を除く)を有し、かつ小・中学校の特別支援学級において特別支援教育担当教員を希望小学校等教員/中学校等教員10点
音楽・美術・技術・家庭のいずれかの中学校教諭普通免許状を有する(合格後、その教科を担当することがあります)中学校等教員10点
中国語の高等学校教諭普通免許状高等学校等教員(国語)10点
公民または社会の高等学校教諭普通免許状高等学校等教員(地理歴史)10点
地理歴史または社会の高等学校教諭普通免許状高等学校等教員(公民)10点
ドイツ語・フランス語・中国語のいずれかの高等学校教諭普通免許状高等学校等教員(英語)10点
情報の高等学校教諭普通免許状高等学校等教員10点
「彩の国かがやき教師塾ベーシックコース」修了者のうち、一般選考で志願する者小学校等・中学校等・特別支援学校・養護・栄養5点

※出典:令和9年度埼玉県公立学校教員採用選考試験要項【加点一覧表】
免許状所有による加点は、その免許状が取得見込みの場合や、志願区分・教科の免許状そのものを所有している場合は対象外です(例:中学校等教員(音楽)の志願者は、中学校教諭免許状(音楽)を所有していても加点対象になりません)。

見落としが多いのが「特別支援学校教諭免許+特別支援学級担当希望」の10点です。小学校・中学校を志望していて特別支援学校教諭普通免許状(自立教科・自立活動の免許状を除く)を持っている方は、忘れずに申請を。逆にいちばん惜しいのが「出願期限までに書類を出さなかったので加点されなかった」というケース。加点は出願時にデータをアップロードしないと一切つきません。出願の前に、自分の資格を全部書き出してみてください。

令和9年度採用からの変更点(要項より)

  1. 試験実施教科の変更:高等学校等教員の「建築」「デザイン」「情報技術」「工業化学系」「福祉」、特別支援学校教員の「自立活動」は実施しません。
  2. 併願制度の新設:中学校等教員・養護教員・栄養教員の志願者が、申請により小学校等教員を併願できるようになりました。
  3. 臨時的任用教員経験者特別選考B選考:受験資格の要件を、直近3年間の第1次試験を受験(免除を除く)し合格した者に拡大。
  4. セカンドキャリア特別選考:受験資格を、通算5年以上に加えて「継続して3年以上」有する者に拡大。
  5. 大学3年生等チャレンジ選考:受験資格を、大学に加えて短期大学・大学院・専門学校の学生にも拡大。

新設された「併願制度」の中身

令和9年度採用から始まった制度です。要件を正確に押さえておきましょう。

誰が使える?中学校等教員・養護教員・栄養教員の志願者。※彩の国かがやき教師塾特別選考(中学校等教員)での志願者は併願できません。
何が起きる?併願を申請した志願者のうち、第2次試験不合格者で成績が上位である者を、小学校等教員の第2次試験合格者として採用候補者名簿に登載します
試験は増える?いいえ。併願を申請した志願者も、各志願区分の試験を受けるだけです。
いつ申請?出願時。出願期限までに申請がなければ併願は認められません。併願先の選考区分は出願時の選考区分と同じ。
注意原則として、小学校教諭普通免許状を有するか令和9年3月31日までに取得見込みであることが併願の要件です(セカンドキャリア特別選考を除く)。併願により小学校等教員に合格した場合、小学校教諭普通免許状の取得が要件になります(セカンドキャリア特別選考の併願者は、免許状の取得を理由に登載猶予を希望する場合に、猶予終了年度の3月末日までの取得が要件です)。大学院修士課程の在学・進学を理由とした登載猶予の規定もあります(専修免許状を取得できる国内の大学院修士課程・教職大学院が対象。申請と県教育委員会の許可が必要で、令和8年12月末日までに在学又は進学が決定していることが条件。令和9年度修了者は1年間、令和10年度修了者は2年間。併願で小学校等教員に合格した場合は、猶予終了年度の3月末日までに修士の学位授与と小学校教員の専修免許状取得の両方が必要です)。

まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次

ここまで見てきたとおり、令和9年度採用の埼玉県には第1次試験が免除されるルートが5つ(障害者・本採用教員経験者・臨任B・看護師等経験者・大学推薦)あり、筆答が専門分野1科目になるルートも3つあります(臨任A・セカンドキャリアは、これに集団面接が加わります)。ですが——

第2次試験は、障害者特別選考(必要に応じて一部免除・内容変更あり)と彩の国かがやき教師塾特別選考(別要項による)を除き、どのルートでも基本は同じです。集団討論(小・中・養・栄は90点、高・特支は80点)、論文(50点)、適性検査、実技(該当教科50点)、個人面接(100点)、高校・特別支援はさらに集団面接(90点)。第1次試験の免除だけで合格が決まるわけではなく、二次の面接で評価されなければ合格はありません。実際、第1次免除の臨任B選考でも合格率は44.8%——半数以上は二次で不合格になっています。

ルートを確保したら、次は二次の準備です。

■ 埼玉県の個人面接|実録3年分・受験者18名の質問と5年間の出題傾向
■ 埼玉県の集団討論|実録16件のテーマ・進め方(人数・時間は報告例)・評価の観点
■ 埼玉県の倍率|令和9年度採用の一次結果と5年間の推移

よくある質問

Q. 特別選考の資格がありますが、一般選考でも受けられますか?

A. 高等学校等教員(看護)を除き、受けられます(看護は看護師等経験者特別選考のみ実施)。要項に「特別選考の受験資格を有していても、一般選考を志願することができます」と明記されています。ただし、令和8年度採用の一般選考の合格率は28.0%で、多くの特別選考より低い数字です。使えるルートがある場合は、第1次試験の負担が軽くなる選考区分もあります。

Q. 複数の特別選考の資格がある場合、どれを選べばいいですか?

A. 選考区分は受験票の発行をもって確定し、出願期間後の変更は受け付けられません(要項より)。判断のポイントは2つです。①第1次試験の負担(全免除>専門1科目>専門+集団面接>筆答2科目)、②要件を満たしていることを証明できるか。要件を欠いていることが判明すると、受験を認められない、または合格を取り消されることがあります。迷ったら教職員採用課採用試験担当に確認してください(連絡先は令和9年度採用の要項でご確認ください)。

Q. 非常勤講師の経験は臨時的任用教員経験者特別選考に使えますか?

A. 使えません。要項の注意事項に「非常勤講師、学校栄養職員、実習助手の経験は対象としません」と明記されています。対象となるのは常勤の臨時的任用教員・任期付教員・任期付短時間勤務教員です。

Q. 他県で正規教員をしています。埼玉県の一次は免除になりますか?

A. 本採用教員経験者特別選考の「イ」の要件に当てはまれば免除になります。条件は、志願区分における埼玉県外の公立学校(または国立大学法人が設置する学校・さいたま市立の学校)での本採用教員としての教職歴が令和8年3月31日までに通算2年以上あり、かつ令和8年4月1日現在も引き続き本採用教員として任用されていること(休職・休業中の方を除く)。なお経験した教科と志願する教科は異なっても構いません。

Q. 加点は複数申請できますか?

A. 要項に明記されているのは、複数の資格・実績等に該当しても加点は合算されないということです。複数申請の可否と、どの加点が適用されるかは、出願時の案内で確認してください。

Q. 免許がまだありませんが、セカンドキャリア特別選考は受けられますか?

A. 受けられます。令和11年3月31日までに志願区分・教科の普通免許状を取得見込みであれば志願できます(昭和41年4月1日以前に出生した方は令和10年3月31日まで)。合格後は申請し埼玉県教育委員会の許可を得た場合に、取得見込みの時期に応じて1年間または2年間、採用候補者名簿への登載が猶予されます。他の選考区分では、令和9年3月31日までに免許状を取得できなかった場合は名簿から削除されるので、この点は大きな違いです。

Q. さいたま市の特別選考も同じですか?

A. いいえ。さいたま市はさいたま市教育委員会が別に採用選考を実施しており、選考区分も要件も異なります。この記事の内容はすべて埼玉県(さいたま市を除く)のものです。なお、川口市立高等学校(全日制)および川越市立川越高等学校の教員は、埼玉県の選考に含まれます。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

要項の条文は公開資料で追えますが、「特別選考の集団面接で何を聞かれたか」「実際にどんな書類を出したか」は受験した方の報告でしか集まりません。埼玉県を受験された方は、ぜひ次の年度の受験生のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。

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