こんにちは、金井志津乃です!

和歌山県の二次って、集団討論が新しく入ったんですよね? 個人面接の冒頭で自己アピールがあるとも聞いたけど、実際どんなことを聞かれるんでしょう……

そのとおりです! 和歌山県は「個人面接の冒頭で1分の自己アピール」を求められたという報告が多く、そこから深掘りが始まる例が目立ちます。実は私自身も和歌山県の教員採用試験を受けて合格した一人なので、この記事では私が最終面接で使った自己PRもお話ししますね!
この記事では、和歌山県公立学校教員採用候補者選考試験第二次選考試験の個人面接について、実際に受験した方々からご提供いただいた「生の質問」3年分をもとに、内容・流れ・傾向と対策をまとめます。集団討論・集団面接についても、この記事の中で扱います。
この記事の根拠
- 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を追加収録(2026年9月18日時点)
- 令和6年度〜8年度採用(2023〜2025年夏実施)の受験者8名・約90問の実録を年度別・校種別に収録(すべて無料で読めます)
- 過去5年分(令和4年度〜8年度採用・和歌山県分239問)の出題傾向を独自に集計・分析——和歌山県に特有の「毎年出る質問」がデータで分かります
- 日程・形式・評定基準・評価の観点は令和9年度採用の実施要項と照合済み(要項PDFは画像のため、文字認識で全文化して確認しました)
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
出願(電子申請):4月10日(金)10:00〜4月30日(木)17:30/各種申請書の郵送:5月1日(金)消印有効
受験票の交付:6月2日(火)以降(電子メール)
第一次選考試験:6月13日(土)(免除のない一般選考の場合:校種・教科専門 13:00〜14:00/総合教養 14:15〜15:15)
第一次結果発表:7月17日(金)午前10時以降
第二次選考試験:7月30日(木)集団討論/7月31日(金)実技(対象教科のみ)/8月4日(火)〜7日(金)のうち指定された1日に個人面接
第二次結果発表:9月15日(火)午前10時以降(発表済み)
第一次は原則として紀北会場(和歌山市)・紀南会場(みなべ町)のどちらかを出願時に選択しますが、グローバル人材特別選考は紀北会場のみです。第二次はすべて紀北会場(和歌山市)です。個人面接の日時は受験者から指定・変更できません。※令和10年度採用の日程は、令和10年度採用の実施要項(例年4月公開)でご確認ください。
出典:令和9年度和歌山県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
面接の形式|30秒でわかる基本情報
| 二次の試験内容 | 集団討論・個人面接(+対象教科は実技)。要項の配点表に載っているのはこの3つだけで、小論文は令和9年度採用の要項に記載がありません。 |
| 個人面接の形式 | 面接官3人・20〜25分という報告が多数。3人が順に質問する報告がありますが、質問数は受験者によって異なります(受験者報告・公刊過去問集の形式メモより)。 |
| 冒頭 | 1分程度の自己アピール(自己PR)から始まるという報告が多いです。「アピール文の中から深める質問がされる」という報告もあります。 |
| 質問の元ネタ | 出願時に電子申請で入力した志望理由(200字以内)・自己PR(200字以内)・最も困難だった課題(200字以内)。要項に「面接では、入力事項をもとに質問します」と明記(書き方はこちら)。 |
| 個人面接の評定 | 10段階評定で評定の6が基準。観点は「姿勢・態度」「実績を生かす力(自己アピール)」「教育観・使命感・指導力」「積極性・協調性・コミュニケーション力」「総合的な評価」(要項より) |
| 集団討論 | 7月30日に実施。10段階評定で評定の3が基準。観点は「社会性・態度」「表現力」「積極性」「協調性・コミュニケーション能力」「論理性」(要項より) |
| 実技 | 7月31日。中高共通(音楽・美術・保健体育)、高等学校・書道、特別選考「グローバル人材」に限り実施。詳細は第一次試験の際に通知。 |
| 合否の決め方 | 集団討論と個人面接の評定得点の上位者から順位をつけて合格候補者を選定し、第一次の結果も踏まえて総合的に検討(要項より) |
ここで押さえてほしいのが、個人面接は「評定6」、集団討論は「評定3」が基準という非対称です。10段階のうち6と3。要項の書き方をそのまま読めば、合否を分ける主戦場は個人面接で、集団討論は「最低ラインを割らないこと」が求められている、と読めますが、要項に各試験の重み付けは書かれていないため、あくまで私たちの推測です。準備の時間配分の目安としては、これに合わせるのが合理的だと考えています。

とはいえ集団討論で評定3を割ると、合否に響くおそれがあります(足切りかどうかは要項に書かれていません)。当ブログの目安は「個人面接に8割、集団討論に2割」くらいの配分です。集団討論は「チームに貢献する立ち回り」だけ固めておくのが、和歌山県の効率のいい進め方だと考えています。
受験者報告では、令和8年度採用から二次の形が変わったようです
| 採用年度(実施) | 二次で報告のあった科目 | 備考 |
|---|---|---|
| 令和6年度採用(2023夏) | 個人面接・集団面接・小論文 | 集団面接は当日にテーマを指定(はじめに紙を渡される) |
| 令和7年度採用(2024夏) | 個人面接・集団面接・小論文 | 小論文は800字程度・資料読み取り型 |
| 令和8年度採用(2025夏) | 個人面接・集団討論 | 受験者から「今年から集団討論の導入があった」との報告。ただし試験日前日の津波警報発令により中止。 |
| 令和9年度採用(2026夏) | 集団討論・個人面接(+対象教科は実技) | 要項の配点表に記載。小論文・集団面接の記載はなし。 |
※二次の科目は、令和6・7年度採用は受験者報告、令和9年度採用は実施要項の配点表にもとづきます。小論文・集団面接の廃止について教育委員会からの明示的なアナウンスは確認できていませんが、令和9年度採用の要項には記載がなく、公刊過去問集でも令和8年度採用以降の出題は載っていません。
あわせて、令和9年度採用では第一次選考試験の適性検査が廃止されました。免除のない一般選考の第一次は校種・教科専門(100点)と総合教養(100点)の2科目です(小学校はどちらもマークシート、それ以外の校種・教科は専門が記述式)。第一次の合格者数は募集予定人員の1.5倍〜3倍程度と要項に明記されています。
和歌山県の倍率|令和9年度採用の第一次選考試験まで
和歌山県教育委員会が公表した令和9年度採用(2026年夏実施)の数字です。募集280名程度に対して出願985人(出願倍率3.5倍)、第一次受験953人、第一次合格513人(第一次合格倍率1.9倍)でした。
| 校種 | 募集人員 | 出願者 | 一次受験者 | 一次合格者 | 一次合格倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 70名程度 | 341人 | 333人 | 140人 | 2.4倍 |
| 中学校(社会・技術) | 14名程度 | 73人 | 69人 | 31人 | 2.2倍 |
| 中高共通(8教科) | 122名程度 | 355人 | 344人 | 234人 | 1.5倍 |
| 高等学校(7教科) | 26名程度 | 63人 | 62人 | 38人 | 1.6倍 |
| 特別支援学校 | 40名程度 | 69人 | 64人 | 52人 | 1.2倍 |
| 養護教員 | 7名程度 | 77人 | 74人 | 14人 | 5.3倍 |
| 栄養教諭 | 1名程度 | 7人 | 7人 | 4人 | 1.8倍 |
| 合計 | 280名程度 | 985人 | 953人 | 513人 | 1.9倍 |
※一次合格倍率=第一次受験者数÷第一次合格者数(教育委員会の公表資料に記載の定義)。
出典:和歌山県教育委員会「令和9年度和歌山県公立学校教員採用候補者選考試験(第一次選考試験)実施結果」「同 出願状況」
令和9年度採用の第二次選考試験の結果は令和8年9月15日(火)に発表されました。その後に公表された「令和9年度和歌山県公立学校教員採用候補者選考試験実施結果」によると、全体は募集280人・出願985人・受験953人・一次合格513人・最終合格273人・合格倍率3.5倍(受験者数÷最終合格者数・教育委員会の公表値)です。前年(令和8年度採用)の3.4倍とほぼ同じ水準です。
参考までに、令和9年度採用の前年度にあたる令和8年度採用(2025年夏実施)は、一次合格554人→最終合格282人。一次合格者のうち約2人に1人が最終合格(二次の欠席者も含めた数え方)という水準が、令和5〜9年度採用の5年間ほとんど動いていません。
7年間の推移、教科別の倍率、秋選考(追加募集)の実績は、倍率の専用記事にまとめています。
■ 和歌山県の倍率|令和9年度採用の最終結果と7年間の推移・校種別・教科別
■ 和歌山県の特別選考と一次免除ルート|講師経験・現職教諭・県内元教諭・社会人経験・グローバル人材・加点制度
① 自己アピール(1分)と、その深掘り ※和歌山県の最重要ポイント
和歌山県の個人面接は、冒頭の1分間の自己アピールから始まる報告がほとんどです。そして、そのアピール文と出願時に入力した内容から深掘りが始まります。私たちが独自に集計した過去5年の出題傾向でも、和歌山県の「自己PR・長所短所」に関する質問の出現率は全国平均より高い傾向(約2.6倍)でした(面接1,000問あたり84問/全国平均32問。公刊過去問集の分類にもとづく当ブログの集計で、分類の仕方によって数字は変わります)。実際の出題はこうです。
- 自己アピールをしてください(1分程度)。(3年連続・複数校種で報告)/自己PRをしてください。/1分間で自己PRをしてください。
- (自己アピールを受けて)面白い授業とはどのような授業ですか。/和歌山の魅力を子どもたちにどう伝えますか。
- (出願書類の自己PRから)部活動の経験で、学校現場で活かせることは何ですか。
- これまでの職務経験を、今後どう活かせると思いますか。
- これまでの経験を自己採点してください。
- 周りからどのような人と思われていますか。
- 今まで挫折した経験はありますか。→ それをどのように乗り越えましたか。
- どんな先生になりたいですか。/あなたはどんな(教科名)の教員になりたいですか。/憧れている先生について教えてください。
- 教員に求められている資質とは何ですか。
要項の評価の観点にも「実績を生かす力(自己アピール)」という項目がはっきり書かれています。つまり自己アピールは「つかみ」ではなく採点項目そのもの。1分でまとめる練習は、やっておくことをおすすめします。

私が和歌山県を受けたときも、二次の最終面接で1分の自己PRを使いました。私が選んだのは「ストーリーテリング型」。1文目に「私のモットーは、過去は変えられない、未来は変えられる、です」と信念を置いて、2文目で大学受験に挫折した経験、3文目で教育の道を極めようと覚悟してから起こした行動、最後に「倒れてもただでは起きないという気概で尽力したい」と締めました。1文ごとに意図を持たせる——これが自己PRのつくり方です。
自己アピールの中身をどう作るか、そして出願時の200字にどう落とし込むかは、専用記事に詳しくまとめています。
■ 和歌山県の自己PR・志望理由(電子申請200字)の書き方|1分の自己アピールまで一本の線でつなぐ
② 授業づくり・教科の専門性|その場で「授業の導入」を求められることも
公刊過去問集5年分の集計では、和歌山県で最も多いテーマが授業づくり(面接1,000問あたり88問)でした。全国平均(87問)とほぼ同じ水準ですが、和歌山県の特徴は「教科の面白さ」を子どもにどう伝えるかを、その場で実演させることがある点です。
- 【実演】国語の面白さについて、授業の導入をしてください。(令和7年度採用・中学校国語)
- 【実演】面白い算数の授業を行いなさい。(令和6年度採用・小学校)
- 数学の面白さって何ですか。→ その面白さを、どのようにして生徒に伝えていきますか。
- なぜ数学を勉強するのかと生徒から質問があった時、どう答えますか。
- 授業において、誰1人取り残さないための手立ては何ですか。/(教科)が得意な生徒の学習意欲を高める手立ては何ですか。
- (教科)が苦手という生徒にはどうしますか。/授業が嫌いな子がいた時、どうしますか。
- 主体的な授業をどうしますか。/授業開きについて教えてください。
- 今、教科横断型が言われていますが、あなたは(教科)で教科横断をどう取り入れますか。
- ICTを授業の中でどのように活用しますか。
- 国語の授業で具体物を使って、どんな準備をしますか。
- 社会の授業で地理、歴史、公民の中でどれが得意ですか。→ 逆に苦手なのは何ですか。→ 苦手なのはどうしていきますか。
- 今まで受けてきた(教科)の研修で、印象的だったものは何ですか。
- 【中高共通・英語】FLTの活用について、どう思いますか。/授業をAll Englishですることをどう思いますか。/普段、英語をどう勉強していますか。
- 【中高共通・美術】和歌山の魅力を伝えるために、どのような美術の授業をしますか。
- 【高等学校・商業】商業の検定と勉強のどちらを大切にしますか。

令和9年度採用の和歌山県の一般選考には、独立した模擬授業の科目はありません(グローバル人材特別選考は別です)。だからこそ個人面接の中で「授業ができる人か」を確かめようとする場合があります。「あなたの教科の面白さは何か」「それを子どもにどう伝えるか」は、答えを用意するだけでなく声に出して30秒〜1分で実演できるようにしておきましょう。急に「やってみてください」と言われても動じません。
③ 生徒指導・場面指導|深掘りが5連鎖する年もあります
和歌山県の個人面接では、生徒指導の質問が「ロールプレイに近い連鎖」になることがあります。私たちの集計では、和歌山県の追質問チェーン率は11.7%(239問中28問)で全国平均(約10.5%)よりやや高め。とくに生徒指導は、1つの質問から状況が展開していく報告があります。
実際にあった5連鎖(令和6年度採用・中学校数学)
- 数学の授業中、生徒が騒いだらどう対応しますか。
- → 騒いだ生徒が一度落ち着いたあと、教室を飛び出したらどうしますか。
- → 騒いだ生徒に対応している間に、残りの生徒が騒ぎ始めた場合どう対応しますか。
- → 飛び出した生徒とゆっくり話をした時「先生の授業が分からなくていやだ」と言ってきたらどうしますか。
- → 次の日にその生徒が学校に来なくなり、対応についてお電話をいただいたら、どう対応しますか。
他の受験者の報告からも、生徒指導・場面指導系の質問を集めました。
- 【場面指導】生徒から相談したいことがあると言われ、携帯のアドレスを教えて欲しいと言われたらどうしますか。
- 【場面指導】保護者からLINEを交換しようと言われたら、どう対応しますか。
- 授業中、寝ている生徒がいたらどうしますか。→(「声をかけて起こす」と答えると)起こされたことを不満に思った生徒が親に話し、学校に苦情の電話がきました。あなたはどう対処しますか。
- いじめ、不登校に対してどう対応しますか。→ 初期段階ではない場面での対応についても質問されました(具体的な言い回しは受験者が覚えていないとのこと)。
- 無気力な生徒にどう対応しますか(不登校の観点と、授業中にいた場合の対応)。/別の質問として、美術の授業で無気力・やる気のない生徒にどう対応しますか。→ それでもやる気の出ない生徒にはどう対応しますか。
- 生徒指導でうまくいかない場合どうしますか。/生徒を理解するためにどうしていますか。
- 生徒への対応の仕方を教えてください。/専門機関との連携をとるために、どのようにしていく必要がありますか。
- 行事等で生徒の安全を確保するためにどうしますか。
どんな場面が来ても崩れない「3つのポイント」を、まずこの動画で押さえてください。
④ 服務・不祥事・SNS ※実録8名中6名に出題されています
ここは和歌山県でよく報告されるテーマです。実録に残っている個人面接8名のうち6名が、不祥事に関する質問を受けています。公刊過去問集5年分の集計でも、和歌山県の服務・不祥事に関する質問の出現率は全国平均より高い傾向(約1.7倍)(1,000問あたり38問/全国22問。当ブログの集計)、SNSに関する質問も全国平均を上回る傾向があります。
- 教員の不祥事についてどう思いますか/どう考えますか。(3年連続・複数校種)
- 不祥事、体罰をなくすためにどうしますか。
- これまでの経験で、部活動で体罰をしている先生を見た場合どう対処しますか。
- 【場面指導】生徒から携帯のアドレスを教えてほしいと言われたら/保護者からLINEを交換しようと言われたら。

和歌山県では、不祥事についての考えを問う質問と、具体的な場面での対応を問う質問の両方が報告されています。生徒からのアドレス交換、保護者からのLINE交換——断り方だけでなく「では、どうやって相談できる環境を用意するのか」までセットで答えられるようにしておきましょう。
⑤ ストレス・同僚との関係|全国平均より多く聞かれる傾向があります
意外と見落とされがちですが、和歌山県はストレス・メンタルに関する質問が全国平均より多い傾向(約2.4倍)です(1,000問あたり38問/全国16問。当ブログの集計)。しかも「ストレス解消法は?」で終わらず、「今の職場で一番ストレスを感じることは何ですか」と現在進行形で踏み込まれます。
- 現在、職場で1番ストレスを感じていることは何ですか。/今の学校でストレスに感じることは何ですか。
- ストレスを感じるときはどんなときですか。/ストレスについて教えてください。
- 教員同士で意見が対立した場合どうしますか。/同僚と意見が合わなかった時はどうしますか。(複数年で報告)
この質問群で面接官が見ているのは、「この人は現場で潰れずに働き続けられるか」だと考えられます。ストレスの存在を否定するより、「こういう場面ではしんどくなる。だからこう対処している。それでも難しいときは誰に相談する」という3段構えで話すほうが、信頼されやすいと考えます。
⑥ 学級経営・保護者対応
- どんなクラス(学級)をつくりたいですか。→ そのためにどうしていますか。/どんなクラスにしたいですか。
- 学級運営をする上で最も大切にしたいことは何ですか。→ 生徒理解をするために、具体的に日々どのようなことに取り組みますか。
- 34人をどうまとめますか。/学級開きの際に、どのような声かけをしますか。
- 大きい学校に行っても担任ができますか。→ その手立ては何ですか。
- 保護者と信頼関係をつくるためにどうしますか。/【集団面接】保護者対応で気をつけることは何ですか。
- 保護者と子どもの意見が一致しない場合どう対応しますか。
⑦ 「なぜ和歌山県か」|地域とのつながりを問う質問
和歌山県の面接では、「和歌山」を主語にした質問が出ます。志望動機そのものの出現率は全国平均より低い(1,000問あたり21問/全国39問)のに、和歌山という土地への関わり方を問う質問は、報告のある年が多い——ここが和歌山県らしいところです。
- なぜ、和歌山県の採用試験を受けたのですか。/なぜこの自治体ですか。
- 和歌山県の(教科名)の教員を目指した理由(きっかけ等)を教えてください。
- 和歌山の魅力を子ども達にどう伝えますか。→ 和歌山の魅力を伝えるために、どのような(教科)の授業をしますか。
- 【集団面接】未来の和歌山を担う子供達に必要な資質・能力について、現在の課題も含めて話し合いなさい。

正直にお話しすると、私も最初から「教員になって和歌山に貢献しよう」と思っていたわけではありませんでした。でも和歌山県の教育振興基本計画を読み、社会科の公民の授業を考えていく中で、私が暮らす和歌山には大事な人が暮らしている。その人たちにとって今より住みにくい場所にしないためには、和歌山に愛着を持って貢献したいと思う人が要る——そう考えるようになりました。そこから「どうすれば子どもたちが生まれ育った地域に愛着を持つのか」を真剣に考えるようになったんです。
だから私は、写真部の顧問をしていたときに、シャッター街になった通りへ撮影会に出かけました。老舗のお茶屋さんに「写真を撮らせてください」と伺うと、店主さんが「昔はこのあたりも賑わっていたんだよ」と話してくださる。そのリアルを見たときに、子どもたちの表情が変わるんです。社会科の授業でも「人口が減ると税収が減り、公的なサービスや補助が十分にできなくなる。そうなると住みにくい自治体になる。じゃあ私たちには何ができるか」という形で扱っていました。
「和歌山に貢献します」は、ごますりになるならNGです。でも本気で思っているなら胸を張って言えばいい。大事なのは、そのあとの「具体的にはどんな授業・どんな関わりをするのか」に答えられることです。
集団討論|受験者報告では令和8年度採用から導入(初年度は中止)。令和9年度採用の報告は1件です
和歌山県の集団討論は、実施要項の配点表に10段階評定・評定の3が基準と明記された、二次の独立科目です。評価の観点は「社会性・態度」「表現力」「積極性」「協調性・コミュニケーション能力」「論理性」の5項目。令和9年度採用では7月30日(木)に紀北会場(和歌山市)で終日日程(8:30〜18:00の中で指定)となっています。
受験者からの報告(令和8年度採用・2025年夏実施)
- 「今年から集団討論の導入がありましたが、津波警報のため無くなりました」(中高共通・美術)
- 「試験日前日に津波警報が発令され、中止になりました」(中高共通・英語)
- 「今年は津波警報のため、中止になりました」(中学校・社会)
つまり和歌山県の集団討論は、受験者報告によると導入初年度(令和8年度採用)が中止になったため、そのテーマの報告はありません。令和9年度採用の集団討論の報告は(2026年9月18日時点で)1件届いており、本文の「令和9年度採用の報告」に掲載しています。
テーマの予想材料になるのは、集団討論の前身にあたる集団面接(令和7年度採用まで)で出ていたテーマです。公刊過去問集の令和5年度採用分には「豊かな心を養うために教員は何をするべきか」「教育格差についてどう考えるか」「令和の日本型教育の個別最適化にどう取り組むか」「他の先生と意見が対立したときどうするか」といったテーマが並んでいます。教育時事+和歌山県の教育課題という組み合わせが基本線です。

集団討論で評定3を割らないために必要なのは、鋭い発言ではなく「チームでベストな答えを作ろうとする姿勢」です。他の受験者より優れた回答をする人ではなく、チームの結論を一段良くする人が評価されやすいと私は考えています。この考え方をこの1本で押さえてください。
集団討論の型・NG行動・沈黙の解消法は、全国版のまとめ記事にも整理してあります。
■ 教採 集団討論の過去問140問+|全国の出題テーマまとめ
集団面接(令和7年度採用まで)|挙手制で一巡→深める質問
令和9年度採用の要項には記載がありませんが、受験者報告では令和7年度採用(2024年夏実施)までは集団面接が実施されていたようです(令和8年度採用以降の報告は見つかっていません)。令和9年度採用以降の集団討論を考えるうえでも参考になるので、報告を残しておきます。
| 形式 | 受験者6〜7人/面接官2〜3人/20〜30分の例に加え、受験者8人・面接官2人・35分(説明10分を含む)の例もあります(公刊過去問集の形式メモより) |
| 進め方 | 「7名、1人ずつ挙手して意見を述べる。一巡したら、深める質問がされる」(令和7年度採用・中学校国語) |
| テーマの出し方 | 「複数のテーマから当日1つか2つを指定され、はじめに紙を渡された」(令和6年度採用・中学校数学) |
実録に残っている集団面接のテーマ
- 「校則の見直し」「個別最適な学び」「部活動の地域移行」「生成AI」の中から当日テーマを指定。例:校則の見直しについてどう考えるか → 強化していくべき校則は → 家庭とどう連携するか(令和6年度採用)。
- 未来の和歌山を担う子供達に必要な資質・能力について、現在の課題も含めて話し合いなさい。(令和7年度採用)
- 子どもに必要な資質・能力について、意見を出してください。(令和7年度採用)
- 家庭教育についてどう考えますか。/保護者対応で気をつけることは何ですか。(一巡後、深める質問あり/令和7年度採用)
小論文(令和7年度採用まで)|資料読み取り型・800字程度
こちらも令和9年度採用の実施要項には記載がありませんが、受験者報告・公刊過去問集では、令和7年度採用(2024年夏実施)までは論文が課されていたようです(令和8年度採用以降の報告・掲載は見つかっていません)。「和歌山県 小論文」で探して来られた方のために、分かっていることを整理しておきます。
| 字数 | 800字程度(実録・公刊ともにほぼ全年で共通。600字以上800字以内の年もあり) |
| 形式 | 複数の資料を読み取り、現状と課題をまとめた上で、自分が希望する校種の教員としてどう取り組むかを述べる型。「資料1より」等どの資料を用いたかが分かるように書き、2つ以上の資料に触れる、という条件つき。 |
| 論文題の区分 | 「小学校・中学校・中高共通・高等学校」で共通の題/養護教諭・栄養教諭・特別支援教育は別題(令和7年度採用) |
| 過去のテーマ(要旨) | こどもの読書と読書活動の推進(令和7年度採用)/通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応(令和6年度採用)/不登校の現状と課題(令和5年度採用)/防災教育で育成する資質・能力(令和4年度採用)。養護教諭は高校生の市販薬乱用、栄養教諭は朝食の食状況など。 |
※課題文そのものは転載していません。
出典:受験者報告および市販の全国版過去問集(令和4年度〜7年度採用分)
受験者の報告に残っているテーマは「特別な支援が必要な生徒への対応について」(令和6年度採用・中学校数学)と「子どもの読書離れ/読書量の推移のデータを読み取り、取り組みを述べる」(令和7年度採用・複数校種)でした。
令和9年度採用(2026年夏実施)の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、追質問(→)までそのまま収録しています。
高等学校|個人面接(面接官3人・30分/3人から3〜4問ほど)
- 自己PRをしてください。
- わかる授業とは、どのような授業ですか。
- どんな授業をしていますか。
- どんな生徒を育てたいですか。
- 教員の不祥事について、どう思いますか。
- 部活動について、どう考えますか。
- ストレス発散方法は何ですか。
- 部活動の意義は何ですか。
- 商業教育の今後について、どう考えますか。
- 人権教育をどう伝えますか。
- (他県)と和歌山県の人権教育について、どう考えますか。
- どういった人権教育をしていますか。
- 簿記のCBTについて、どう考えますか。→別に教えなくてもできるのではないですか。
- どういった教員になりたいですか。
- (他県)と和歌山県の商業教育を、どうやっていきますか。
- 商業科と普通科での違いは何ですか。
- 生徒の自己実現に、あなたはどれくらいできていますか。
高等学校|集団討論(受験者6名・面接官2名/司会などは自由に設定)
- 【集団討論】社会に開かれた教育課程について、具体例を2つ考えてください。最後にまとめてください。(受験者6名・面接官2名/司会などは自由に設定、1人ずつ意見を言って最後にまとめる)
出典:当ブログの受験報告フォーム(2026年9月18日時点・この自治体の報告1件)。
校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。
【資料編】年度別・校種別 過去問アーカイブ|実録3年分を収録
ここからは、受験者の報告を年度別・校種別に整理して収録します。個人が特定される経歴・固有のエピソードに関する質問は省略・一般化しています。
令和8年度採用(2025年夏実施)|5名の実録
中学校・社会(個人面接)
- 自己PRをしてください。/生徒指導でうまくいかない場合どうしますか。/教員同士で意見が対立した場合どうしますか。
- 社会の授業で地理、歴史、公民の中でどれが得意ですか。→ 逆に苦手なのは何ですか。→ 苦手なのはどうしていきますか。→ 歴史はどうしますか。
- 授業開きについて教えてください。/主体的な授業をどうしますか。/社会が苦手という生徒にはどうしますか。
- どのような学級をつくりたいですか(つくっていますか)。→ そのためにどうしていますか。/34人をどうまとめますか。/意識していることを教えてください。
- 専門機関との連携をとるために、どのようにしていく必要がありますか。/ICTを授業の中でどのように活用しますか。
- 保護者と信頼関係をつくるためにどうしますか。/教員の不祥事についてどう考えますか。/行事等で生徒の安全を確保するためにどうしますか。
- 学級開きの際に、どのような声かけをしますか。/生徒を理解するためにどうしていますか。(1人で20問)
- 【集団討論】津波警報のため中止。
中高共通・美術(個人面接)
- 自己アピールをしてください(1分程度)。
- いじめ、不登校に対してどう対応しますか。初期段階ではない場面での対応についても質問されました(具体的な言い回しは受験者が覚えていないとのこと)。/無気力な生徒にどう対応しますか(不登校の観点と、授業中にいた場合の対応)。
- 今、教科横断型が言われていますが、あなたは美術で教科横断をどう取り入れますか。
- 美術の授業で無気力、やる気の無い生徒にどう対応しますか。→ それでもやる気の出ない生徒にはどう対応しますか。
- (自己アピールから)面白い授業とはどのような授業ですか。/和歌山の魅力を子ども達にどう伝えますか。/和歌山の魅力を伝えるために、どのような美術の授業をしますか。
- あなたはどんな美術の教員になりたいですか。/どうして美術の教員になりたいと思ったのですか。/どんなクラスにしたいですか。
- 教員の不祥事に対して、あなたはどう思いますか。/同僚と意見が合わなかった時はどうしますか。/今の学校でストレスに感じることは何ですか。
- 【場面指導】保護者からLINEを交換しようと言われたら、どう対応しますか。
- 【別の受験者報告】集団討論は令和8年度採用から導入予定だったが、津波警報のため中止。
中高共通・英語(個人面接)
- 1分間で自己PRをしてください。
- FLTの活用について、どう思いますか。/授業をAll Englishですることをどう思いますか。/普段、英語をどう勉強していますか。
- これまでの職務経験を、今後どう活かせると思いますか。
- 授業中、寝ている生徒がいたらどうしますか。→(声をかけて起こす、という答えを受けて)起こされたことを不満に思った生徒が親に話し、学校に苦情の電話がきました。あなたはどう対処しますか。
- 【別の受験者報告】一次は一般教養・教職教養・英語。集団討論は試験日前日に津波警報が発令され、中止。
※このほか、令和8年度採用は「集団討論が中止になった」ことのみの報告が2件あります(中高共通・美術/中高共通・英語)。
令和7年度採用(2024年夏実施)|3名の実録
中高共通・保健体育
- 【個人面接/15〜20分程度・冒頭に自己アピール1分】自己アピールを1分でしてください。/不祥事、体罰をなくすためにどうしますか。/教員に求められている資質とは何ですか。/保護者と子どもの意見が一致しない場合どう対応しますか。/豊かなスポーツライフの実現に向けてどう取り組んでいきますか。
- 【集団面接】未来の和歌山を担う子供達に必要な資質・能力について、現在の課題も含めて話し合いなさい。
- 【小論文】子どもの読書離れについて、あなたの考えを述べなさい。
高等学校・商業
- 【個人面接/面接官3人から各3つずつくらい】志望動機を教えてください。/なぜ、和歌山県の採用試験を受けたのですか。/これまでの経験で、部活動で体罰をしている先生を見た場合どう対処しますか。/生徒への対応の仕方を教えてください。/商業の検定と勉強のどちらを大切にしますか。(記載の内容にプラスアルファの質問もあった、との報告)
- 【集団面接】子どもに必要な資質・能力について、意見を出してください。
- 【小論文/800字程度・小学校・中学校・中高共通・高等学校の共通題】資料1〜3をもとに「こどもの読書」の現状と課題を述べた上で、自分が希望する校種の教員として読書活動をどのように推進させていくかを具体的に述べる。(資料を用いるときは「資料1より」等と明示し、必ず2つ以上の資料に触れること)
中学校・国語
- 【個人面接/全体で20分程度・自己アピール1分の後、アピール文の中から深める質問】自己アピールを1分でしてください。/なぜこの自治体ですか。/教員の不祥事についてどう思いますか。/ストレスを感じるときはどんなときですか。/周りからどのような人と思われていますか。/【実演】国語の面白さについて、授業の導入をしてください。(「基本的に過去問と似たような質問だった」との感想)
- 【集団面接/7名・1人ずつ挙手して意見を述べる。一巡したら深める質問】家庭教育についてどう考えますか。/保護者対応で気をつけることは何ですか。
- 【小論文/800字程度】読書量の推移のデータを読み取り、取り組みを述べなさい。
令和6年度採用(2023年夏実施)|2名の実録
小学校
- 【個人面接】ストレスについて教えてください。/不祥事について教えてください。/どんな先生になりたいですか。/これまでの経験を自己採点してください。/授業が嫌いな子がいた時、どうしますか。/憧れている先生について教えてください。
- 大きい学校に行っても担任ができますか。→ その手立ては何ですか。/どんなクラス作りをしたいですか。/国語の授業で具体物を使って、どんな準備をしますか。
- 【実演】面白い算数の授業を行いなさい。
中学校・数学
- 【個人面接/面接官3人が順に質問】面接官①:自己PRをしてください(1分程度)。/(出願書類の自己PRから)部活動の経験で、学校現場で活かせることは何ですか。/和歌山県の数学の教員を目指した理由(きっかけ等)を教えてください。/【場面指導】生徒から相談したいことがあると言われ、携帯のアドレスを教えて欲しいと言われたらどうしますか。/現在、職場で1番ストレスを感じていることは何ですか。
- 面接官②:今まで受けてきた数学の研修で、印象的だったものは何ですか。/授業において、誰1人取り残さないための手立ては何ですか。/数学が得意な生徒の学習意欲を高める手立ては何ですか。/数学の面白さって何ですか。→ その面白さを、どのようにして生徒に伝えていきますか。/なぜ数学を勉強するのかと生徒から質問があった時、どう答えますか。
- 面接官③:今まで挫折した経験はありますか。→ それをどのように乗り越えましたか。/学級運営をする上で最も大切にしたいことは何ですか。→ 生徒理解をするために、具体的に日々どのようなことに取り組みますか。/数学の授業中、生徒が騒いだらどう対応しますか。→(以下、5連鎖の深掘り。本文③参照)。
- 【集団面接】「校則の見直し」「個別最適な学び」「部活動の地域移行」「生成AI」の中から当日テーマを指定され、討論。(はじめに紙を渡された。例:校則の見直しについてどう考えるか → 強化していくべき校則は → 家庭とどう連携するか)
- 【小論文】特別な支援が必要な生徒への対応について、あなたの考えを述べなさい。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
個人面接は令和6年度〜8年度採用の8名分に加え、令和9年度採用の1名分を収録しています。令和9年度採用の集団討論のテーマは、2026年9月18日時点で報告が1件(本文の「令和9年度採用の報告」に掲載)だけです。受験された方の報告が、このページをそのまま次の受験生の教材にします。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。
傾向と対策|5年分の出題データと実録から見えた7つの法則
私たちは市販の全国版過去問集5年分(令和4年度〜8年度採用・和歌山県分239問)を独自に集計し、受験者8名の実録と突き合わせました。そこから見えた和歌山県の法則がこちらです。
- 冒頭1分の自己アピールが、実質の第一問。自己PR・長所短所の出現率は全国平均の約2.6倍。しかも評価の観点に「実績を生かす力(自己アピール)」と明記されている=採点項目そのものです。
- 質問の元ネタは出願時に入力した200字×3。要項に「面接では、入力事項をもとに質問します」と書かれています。志望理由・自己PR・最も困難だった課題——この3つの深掘りツリーを作っておくことをおすすめします。
- 服務・不祥事は実録8名中6名に出た。出現率は全国平均の約1.7倍。しかも一般的な考えを問う質問と、アドレス交換・LINE交換のような場面型の質問の両方があります。
- ストレスの質問が全国平均の約2.4倍。「解消法」ではなく「今の職場で一番ストレスを感じることは」まで踏み込まれます。現在進行形で答えられる準備を。
- 一般選考には独立した模擬授業がない代わりに、面接の中で授業をさせられる報告がある。「面白い算数の授業を行いなさい」「国語の面白さについて授業の導入をしてください」。教科の面白さは、話すのではなくやって見せる準備を。
- 「和歌山」を主語にした質問は、報告のある年が多い。和歌山の魅力をどう伝えるか、地域とのつながりをどれくらい感じているか。第4期和歌山県教育振興基本計画のキーワードを、自分の言葉で語れるように。
- 深掘りが5連鎖した報告もあります。追質問チェーン率は11.7%(全国平均約10.5%)。とくに生徒指導は「騒ぐ→飛び出す→他の生徒→授業が分からない→翌日欠席と対応についての電話」まで展開した報告があります。想定問答は一問一答ではなくツリーで。
深掘り質問に強くなるコツは、面接官が「知りたい順番」を先回りして準備することです。この考え方は、和歌山大学での講演で詳しく解説しました。
- 和歌山の未来を前向きに考えようとする人
- 教員としての使命感や誇りをもち、学習指導に高い専門性を発揮しようとする人
- 豊かな人間性と社会性をもち、こどもの目線で多様な学びの実現や支援に取り組もうとする人
3つのうち1つ目が「和歌山の未来」から始まっているのが、和歌山県らしいところです。そして2つ目は「学習指導の専門性」、3つ目は「こどもの目線」。個人面接の評価の観点(姿勢・態度/実績を生かす力/教育観・使命感・指導力/積極性・協調性・コミュニケーション力/総合的な評価)と重ねると、回答をこの3つのどれかに着地させる意識が効いてきます。
「和歌山の未来を前向きに考える」の中身を知るには、第4期和歌山県教育振興基本計画(令和5年度〜令和9年度)が手がかりになります(計画期間は令和9年度までです。令和10年度採用の受験では、次期計画が公表されていないかも確認してください)。5つの基本的方向のうち、面接で使いやすいのは「きのくにコミュニティスクール」を活用した地域人材の発掘と活用、地域の人材や資源を活用したふるさと教育の充実、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実、そして「世界津波の日」に合わせた津波防災への啓発活動あたり。和歌山県教育委員会のページから確認しておきましょう。
また、『生徒指導提要(改訂版)』には現代の教育課題に合わせた生徒指導の在り方が書かれており、和歌山県で頻出の「生徒指導の連鎖質問」に答えるうえで必読です。
そして、ここまでお伝えした面接対策の「全体像」は、こちらの完全解説動画で体系的にまとめています。個別の質問対策に入る前に、一度この動画で土台を固めるのがおすすめです!
よくある質問
Q. 個人面接は何分ですか? 面接官は何人ですか?
A. 実施要項に時間・人数の明記はありませんが、受験者報告と公刊過去問集の形式メモでは面接官3人・20〜25分が最も多い形です(15〜20分という報告や、令和9年度採用の高校で30分という報告もあります)。質問数には幅があります。3人が順に質問する報告もあり、令和6年度採用の中学校数学の方は「面接官①②③」と分けて記録してくださっていました。
Q. 自己アピールは何秒ですか? 何を話せばいいですか?
A. 報告では「1分程度」が最多です。ただし年度や場面によって30秒・15秒という指定もありえます(過去には集団面接で30秒・40秒の指定がありました)。私自身の経験でも、和歌山県は1分がベーシック。1分の原稿を作ったうえで、30秒版・15秒版に削れるようにしておくと安心です。内容は「こんな教育をするために、こんな力を培ってきた」という形が基本。詳しくは自己PRの記事にまとめました。
■ 和歌山県の自己PR・志望理由(電子申請200字)の書き方
Q. 模擬授業はありますか?
A. 令和9年度採用の一般選考にはありません。同年度の要項で模擬授業が試験科目になっているのは、新設された特別選考「グローバル人材」だけです(7月31日の実技試験として、当日提示される教材をもとに実施)。ただし前述のとおり、一般選考でも個人面接の中で「授業の導入をしてください」と実演を求められた報告があります。
Q. 実技試験の対象は?
A. 令和9年度採用では中高共通(音楽・美術・保健体育)、高等学校・書道、特別選考「グローバル人材」に限り実施と要項に明記されています。7月31日(金)13:00〜17:00、紀北会場。詳細は第一次選考試験の際に通知されます。
Q. 集団討論はどんなテーマが出ますか?
A. 受験者報告によると、導入初年度(令和8年度採用)が津波警報で中止になったため、令和8年度採用の実際のテーマの報告はありません。令和9年度採用の報告は(2026年9月18日時点で)1件あり、本文の「令和9年度採用の報告」に掲載しています。前身の集団面接では「校則の見直し」「個別最適な学び」「部活動の地域移行」「生成AI」「教育格差」「未来の和歌山を担う子供たちに必要な資質・能力」などが出ていました。評定の基準は3(10段階)、観点は社会性・態度/表現力/積極性/協調性・コミュニケーション能力/論理性です。
Q. 小論文の対策は必要ですか?
A. 令和9年度採用の実施要項には、第一次・第二次のどちらにも小論文の記載がありません。免除のない一般選考の第一次は総合教養(100点・マークシート)と校種・教科専門(100点)の2科目(特別選考等では試験内容が異なります)、第二次は実技・集団討論・個人面接です。令和7年度採用(2024年夏実施)までの報告には800字程度の資料読み取り型の論文がありましたので、この記事の該当節に過去のテーマを残してあります。受験する年度の要項は必ずご自身で確認してください。
Q. 圧迫面接ですか?
A. 報告からは、圧迫という雰囲気ではないようです。ただし「その次はどうしますか」を重ねる深掘りを受けた報告があります。生徒指導では5連鎖の報告もありました。詰められていると感じないよう、深掘りされる前提で準備しておくことが大切です。
Q. 個人面接の日は選べますか?
A. 選べません。令和9年度採用では8月4日(火)〜7日(金)のうち指定された1日に受験します。要項に「面接日及び集合時刻は、受験者から指定及び変更はできません」と明記されており、日程は第一次選考試験の結果とともに通知されます。
面接の手応えが気になる方へ
令和9年度採用では、個人面接(8月4日〜7日)から最終発表(9月15日)まで1か月以上ありました。「あの答えでよかったのか」と面接を何度も再生してしまう時期です。面接官の反応の読み方と、手応えがなくても受かる理由はこちらの記事にまとめています。
■ 面接官の合格サイン・不合格サイン|手応えがボロボロでも受かる理由
この記事では、受験者の皆さんからの情報提供と、公刊過去問の情報をそれぞれ参照しています。ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございます。和歌山で先生になりたいと願うあなたを、心から応援しています!
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