【教員採用試験】名古屋市の特例(特別選考)と一次免除ルート|大学3年生・講師・本務教諭・大学推薦・加点制度

こんにちは、金井志津乃です! 

名古屋市の要項を見たら「特例A-1」「B-1④」「E」……アルファベットだらけで、自分がどれに当てはまるのか分かりません。

令和9年度採用の要項では、名古屋市の特例は全部で19種類。多いんですが、整理すると「何が免除されるか」で3つのグループに分かれるだけなんです。しかも要件を満たしていれば複数申請できる(ただしB-1①〜⑥は1つのみ)のが名古屋市の特徴の一つです。まずは自分に使えるものを全部拾い出しましょう!

この記事では、名古屋市公立学校教員採用選考試験の「試験の特例」を、令和9年度採用の要項の条文と、名古屋市教育委員会が公表した希望者数にもとづいて整理します。名古屋市は愛知県とは別に試験を実施しており、特例の中身もまったく別のしくみです。

この記事の根拠

  • 特例の対象・要件・内容は、すべて令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験要項(p.4〜9)から
  • 各特例の希望者数は、名古屋市教育委員会の報道発表(2026年5月20日)から
  • 加点の点数は公表されていないため、この記事でも点数は書いていません(要項Q&Aの記載を引用)
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

まず前提|名古屋市の一次試験は「3科目」

特例を読み解くカギは、一次試験が何でできているかを知っておくことです。

小論文全選考区分に共通(9:40〜10:30)
総合教養全選考区分に共通(障害者特別選考を除く。10:50〜11:30)。マークシート方式
専門選考区分ごと(小学校全科/教科/幼稚園教育/特別支援教育/養護/栄養)。マークシート方式
二次試験口述(個人面接1・個人面接2)が全選考区分共通。個人面接2では模擬指導を行う。実技は該当区分のみ

つまり名古屋市の特例は、「小論文」「総合教養」「専門」のどれを免除するのか/どれに加点するのかで違いが出ます。ここを押さえると、19種類が一気に見通せます。出典:令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験要項

早見表|あなたはどの特例が使える?(令和9年度採用)

グループ1|一次試験そのものが免除される(=二次から)

特例対象要件(要約)希望者
G
令和7年度実施の2次試験受験対象者
全選考区分令和7年度実施の1次試験を受験し、2次試験受験対象となった人。同じ選考区分・教科に出願すること。適用は1回限り110人
B-2
本務教諭
高・中・小・特支・養護現在、名古屋市以外の国公立学校に本務教諭として勤務し、申込締切日までに任用期間が通算2年以上B系合計
761人
F
大学等推薦
高(理科・工業・商業)・中(理科・美術・技術)・特支出願時に、希望する選考区分・教科の教員免許状取得のための課程許可を受けている大学等(短期大学・大学院・教職大学院を含む)に在籍し、学長または学部長の推薦を受けること。名古屋市を第一志望とし、翌年度の採用を希望。令和9年3月31日までに卒業(修了)見込14人
C
大学院在学者・進学者
中・小令和6年度実施または令和7年度実施の選考試験で合格を辞退して大学院で修学し、令和9年3月31日までに修士課程を修了見込み。合格した選考区分・教科の専修免許状を所有または同日までに取得見込みで、合格した区分・教科に出願(合格した選考区分・教科の募集がない場合は特例Cは無効。辞退後の取り消しはできません)8人
D-1
介護退職
全選考区分名古屋市公立学校(園)の本務教諭で、令和2年3月31日以降に介護を理由に退職。退職日から6年以内・退職時と同一校種/教科・募集のない区分には出願不可D合計
4人
D-2
子育て退職
全選考区分名古屋市公立学校(園)の本務教諭で、令和3年3月31日以降に子育てを理由に退職。退職日から6年以内・退職時と同一校種/教科・募集のない区分には出願不可

※C・D-1・D-2は要項上「2次試験の口述(個人面接1・個人面接2)のみで選考試験を実施」。B-2・F・Gは「1次試験の免除」。希望者数は令和8年度実施(大学3年生等選考の希望者を除く)。B-2はB-1〜B-4と合算での公表のため単独の人数は不明です。

グループ2|一次の一部の科目が免除される

特例対象要件(要約)免除される科目
B-1①
常勤講師3年以上
全選考区分名古屋市公立学校(園)の常勤講師として、令和3年度〜令和8年度(令和8年5月31日まで)に通算3年(36か月)以上総合教養+専門
B-1⑤
非常勤教諭2年以上
全選考区分名古屋市公立学校(園)の非常勤教諭として、同期間に通算2年(24か月)以上総合教養
E
特別支援教育
中・小(特別支援学級担当を希望する人)特別支援学校教諭免許状(視覚・聴覚・知的・肢体不自由・病弱のいずれか1領域以上)、盲学校・聾学校・養護学校教諭免許状のいずれかを所有(取得見込)総合教養
A-1
スポーツ・芸術等
全選考区分国際規模の競技会等に日本代表として出場/文部科学省、日本スポーツ協会又はその加盟団体が主催する全国規模の大会に登録選手として出場し、団体3位以内・個人8位以内/国際レベルのコンクール・展覧会等で優秀な成績、又は全国レベルで極めて優秀な成績(いずれも小・中学校での実績は除く。希望する選考区分の校種・教科との関連性を検討して審査)専門
A-3
英会話能力
高(英語)・中(英語)・小・特支英検1級/ケンブリッジ英語検定180/GTEC 1350/IELTS 7.0/TEAP 375/TEAP CBT 800/TOEFL iBT 95/TOEIC L&R・S&W 1845 以上専門(教科「英語」希望者は2次の実技「英語」も免除)
A-4
専修免許状
高(理科)・中(理科・技術)・特支該当区分の専修免許状を所有(令和9年3月31日までに取得見込)。申請する区分・教科を第1希望とすること専門

グループ3|一次の成績に加点される

特例対象要件(要約)加点される科目
B-1②
常勤講師2年以上
全選考区分名古屋市公立学校(園)の常勤講師として令和3年度〜令和8年度(令和8年5月31日まで)に通算2年(24か月)以上総合教養に加点+専門は免除
B-1③
常勤講師1年以上
全選考区分名古屋市公立学校(園)の常勤講師として令和3年度〜令和8年度(令和8年5月31日まで)に通算1年(12か月)以上総合教養・専門
B-1④
常勤講師開始
全選考区分令和8年5月1日(申込締切日)までに、名古屋市公立学校(園)で令和8年度の常勤講師勤務を開始する人総合教養
B-1⑥
非常勤教諭1年以上
全選考区分名古屋市公立学校(園)の非常勤教諭として令和3年度〜令和8年度(令和8年5月31日まで)に通算1年(12か月)以上総合教養
B-3
なごや教職インターンシップ
全選考区分令和2年度〜令和7年度に、1年間に30回以上または2年間に50回以上の活動(令和2年度を含める場合は20回/40回以上)。申請は原則1度で、前年度に大学3年生等選考で申請した場合は翌年度も申請可。卒業・修了の翌年度まで有効総合教養+小論文
B-4
子どもと関わる活動
中・小・特支・養護名古屋市で令和3年度〜令和8年度(令和8年5月31日まで)に、トワイライトスクール等の運営指導者・子ども指導員・地域協力員(AP)・体験活動講師・学生ボランティア、部活動外部指導者(部活動外部顧問を含む)、名古屋市における土・日曜日のクラブ活動指導者、名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動指導者、スクール・サポート・スタッフ、名古屋市児童相談所「あそびっこ」、母語学習協力員、名古屋市民おんたけ休暇村キャンプカウンセラー、フレンドリーユース、学習支援事業学習サポーター、児童養護施設学習支援ボランティア、土曜学習いきいきサポーター(活動回数12回以上。令和3年度に活動を予定していた人は8回以上)、発達障害対応支援員、子ども会ボランティアサークル等の活動が通算1年(12か月)以上総合教養
A-2
小学校の英会話
小学校英語免許を所有(取得見込)、または英検2級/ケンブリッジ英語検定140/GTEC 960/IELTS 4.0/TEAP 225/TEAP CBT 420/TOEFL iBT 42/TOEIC L&R・S&W 1150 以上専門「小学校全科」

※TOEIC L&R/S&Wは、S&Wのスコアを2.5倍にして合算したスコアで判定します。A-2は、併願する場合はその選考区分の「専門」には加点されません。A-3・A-4は、対象とならない選考区分・教科の「専門」(A-3は「実技」も)は免除されません。出典:令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験要項 p.4〜9

ここで一番お伝えしたいのは、「それぞれの特例について要件を満たしていれば、複数の特例を申請することが可能です」と要項にはっきり書かれていること。たとえば小学校志願者が「常勤講師1年(B-1③)+なごや教職インターンシップ(B-3)+英検2級(A-2)」を出し、すべて認められれば、総合教養・専門・小論文の3科目すべてが加点の対象になります(要項Q&Aで「それぞれの申請に対して、認められた分が加点」と書かれているのはA-2・B-3・B-4の組み合わせです。B-1との組み合わせでの加点の扱いは要項に記載がありません。加点の点数は非公表)。使えるものは全部出す——ここは遠慮するところではありません!

名古屋市の主流ルートは「B系」|志願者の半分近くが申請

数字を見ると、名古屋市の受験者層の傾向がうかがえます。令和8年度実施の志願者1,630人に対して——

特例希望者(令和8年度実施)前年
B-1①〜⑥・B-2・B-3・B-4(講師・本務教諭・インターンシップ等)761人702人
G(令和7年度の2次試験受験対象者)110人143人
A-2・A-3(英会話能力)57人49人
E(特別支援教育)46人29人
A-1(スポーツ・芸術等)29人28人
F(大学等推薦)14人11人
A-4(専修免許状)8人2人
C(大学院)8人2人
D-1・D-2(介護・子育て)4人2人

※大学3年生等を対象とした選考試験の希望者は含みません(別に、B系153人・A-2/A-3 33人・A-1 3人・E 1人・A-4 1人)。出典:名古屋市「令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験の志願状況について」(2026年5月20日報道発表)

B系だけで761人(特例ごとの希望者数。複数の特例を申請した人の重複の有無は公表資料から分かりません)。B系には、名古屋市の講師・非常勤教諭や子どもと関わる活動の経験者だけでなく、他の国公立学校の本務教諭等も含まれます。「名古屋市での勤務・活動の経験などが、試験の免除・加点につながる」——特例の多くはこうした仕組みになっています(B-2のように、他の国公立学校での本務教諭の経験を対象にするものもあります)。

講師の方へ|B-1は「年数」で内容が階段状に変わります

任用期間(令和3年度〜令和8年5月31日の通算)常勤講師非常勤教諭
3年(36か月)以上B-1①:総合教養・専門を免除—
2年(24か月)以上B-1②:総合教養に加点・専門を免除B-1⑤:総合教養を免除
1年(12か月)以上B-1③:総合教養・専門に加点B-1⑥:総合教養に加点
令和8年度から勤務開始B-1④:総合教養に加点—

ポイントは3つあります。

  1. ①〜⑥のうち申請できるのは1つだけ。いちばん有利になるものを選びます。
  2. 任用期間はその月に1日でもあれば1か月分。12か月分で1年と数えます。年度の途中から働いた月も、まるごと1か月としてカウントされるということです。
  3. 常勤講師として任用された期間を、非常勤教諭の期間とみなして合算できます。「常勤も非常勤も少しずつ」という方は、合算して非常勤2年(B-1⑤=総合教養免除)を狙える場合があります。

そして、B-1①〜⑥が認められた人は60歳未満まで受験可能になります(通常は50歳未満)。名古屋市で講師を続けてきた方には、年齢の扉も開いているということです。

ただ、免除や加点はあくまで「入口」です。私は常勤講師の方には、「クオリティ(現場での課題意識)」「信用(現場での積み重ね)」「フレッシュさ」の3つが新卒に対する強みになるとお伝えしています。「教えない授業を試してみたら、こんな変化があった」——そういう現場で試した具体的な実践を、課題意識とセットで語れることが講師の大きな強みになると考えています。

大学3年生等を対象とした選考試験|1次だけ受けて、翌年は2次から

名古屋市には、特例A〜Gとは別に「大学3年生等を対象とした選考試験」があります。令和8年度実施は444人が志願しました。

対象大学・大学院・短期大学・専門学校の最終年次の1年前の年次にいる人(いずれの学校にも所属していない科目等履修生は含みません)。令和10年3月31日までの卒業・修了見込み、区分に応じた普通免許状の所有・取得見込み、昭和53年4月2日以降生まれなど、大学3年生等選考の基礎資格をすべて満たす必要があります(詳細は要項を確認)。
試験1次試験のみ(小論文・総合教養・専門)。試験日・会場・時間割は一般の選考試験と同じ
通過したら翌年度の採用選考試験の2次試験からの受験になります。ただし改めて出願が必要(前年度の選考番号を入力)
併願所有免許(取得見込を含む)に応じて、選考区分①〜④の校種のうち2校種まで
提出書類1次試験日に自己アピールシート・免許状証明書・卒業(修了)見込証明書・返信用封筒。翌年度も全員が自己アピールシートを再提出します。
特例要件を満たせばA〜F の特例を申請可能。ただし特例Gは申請できません。
注意翌年度にその選考区分・教科の採用予定がない場合は2次試験を受験できません(併願していたもう一方は受験可)。選考区分・教科や希望順位を変える場合は、1次から受験し直す必要があります。

出典:令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用 大学3年生等を対象とした選考試験要項(p.21〜23)

意外と見落とされがちなんですが——翌年も全員が自己アピールシートを出し直します。要項のQ&Aにも「1年間で努力したことがあり、自己アピールシートを修正したいと思っていますが、どうしたらよいですか?」という質問への答えとして書かれています。つまり3年生で2次試験受験対象になっておけば、4年生の1年間を「シートに書き足すための1年」に使えるということ。前倒しは早く決まるだけでなく、準備の質を上げるための時間を買う制度でもあると私は考えています(翌年度に同じ選考区分・教科の採用予定があることなどが条件です)。

特例G|「一次を受けて二次対象になった人」は翌年、一次が免除(条件あり)

名古屋市でとくに知っておいてほしいのが特例Gです。前年度の1次試験を受験して2次試験受験対象になった人は、翌年度に申請すると1次試験が免除されます(同じ選考区分・教科への出願、採用予定があることなどの条件があります。令和9年度採用の要項では適用は令和8年度実施の1回限りとされ、翌年度以降の継続は翌年度の要項で確認してください)。令和8年度実施では110人が申請しました。

  • 適用は1回限り。令和7年度実施で特例Gが適用されて2次に進んだ人は、令和8年度実施では申請できません。
  • 同じ選考区分・教科に出願することが条件。その区分・教科に翌年度の採用予定がない場合は申請できません。
  • 特例Gが認められた人は、1次試験を受験することはできません。前年度の1次の結果と、今年度の2次の結果、そして提出書類を総合して最終選考されます。
  • 前年度に2次の実技「英語」の免除を認められていた人は、翌年度も同様に免除されます。
  • 大学3年生等を対象とした選考試験では、特例Gは申請できません。

二次で不合格になった年も、補欠だった年も、前年に一次を受験して二次受験対象になったこと(同じ選考区分・教科での出願などの条件あり)が翌年の切符になることがあります(令和9年度実施の扱いは、その年度の要項でご確認ください)——名古屋市を続けて受ける方には、とても大きな制度です。ただし1回きりなので、その1回をどう使うかは真剣に考えてください。

他自治体の現職の方へ|特例B-2は「一次免除」

令和8年度実施の要項では、申込締切日(令和8年5月1日)の時点で名古屋市以外の国公立学校に本務教諭として勤務していて、任用期間が通算2年以上ある人は、特例B-2で1次試験が免除されます(高・中・小・特別支援学校・養護教員が対象)。必要書類は「特例B-2実績証明書」(所属長の証明が必要)と、学校保管の履歴書の写しです。

ただし、高・中・小の志願者がB-2を申請する場合は幼稚園と併願できません。また要項には「本務教諭で、本市への採用希望者は、本採用選考試験を受験してください」と明記されており、現職だからといって試験なしで移れるわけではない点は押さえておいてください。

現職の先生が別の自治体を受け直すのは、正直に言って簡単ではありません。でも、授業力をきちんとブラッシュアップして、そのうえで謙虚さが伝われば、「良い人材が来てくれてラッキー」と思ってもらえる可能性があります。「今のところが嫌だから」ではなく「名古屋市でこれがしたい」を、はっきり言葉にしていきましょう。

加点は何点?|「平均点を基に、一定の割合分」

気になる加点の大きさですが、名古屋市は点数を公表していません。要項のQ&Aにはこう書かれています。

Q. 加点は何点ですか?
A. それぞれの科目の平均点を基にして、一定の割合分を加点します。

Q. 特例A-2、特例B-3、特例B-4のうち、複数の特例を申請して認められた場合、加点はどうなりますか?
A. それぞれの申請に対して、認められた分が加点されます。

出典:令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験要項 p.16「教員採用選考試験Q&A」

大事なのは「それぞれの申請に対して、認められた分が加点される」という一文です。A-2とB-3とB-4を全部申請して全部認められれば、加点はそれぞれ乗ります。点数が分からないからこそ、出せるものは全部出すことをおすすめします。

申請の手続き|インターネット申込だけでは完了しません

  1. インターネットで申込(令和8年度実施は4月13日〜5月1日)。「一般・大学3年生等用」と「今年度の2次試験受験対象者、特例B-2・F・G申請者用」で入口が2種類あるので、間違えないこと。
  2. 申込後、特例A〜Fの必要書類を5月1日消印有効(令和8年度実施の場合)で簡易書留により郵送し、名古屋市教育委員会 教職員研修・採用課へ提出。令和8年度実施の提出期限は5月1日でした。受験する年度の期限は、その年度の要項でご確認ください。インターネット申込だけでは特例の申請になりません。
  3. 「特例A実績証明書」「特例B実績証明書」は名古屋市公式ウェブサイトからA4判縦で印刷。B系は所属長の証明が必要なので、早めに依頼しておきましょう。
  4. 令和8年度実施では、特例の可否は、書類審査のうえ6月1日以降の受験票交付時に知らされました。

この「所属長の証明」が、講師の方にとって一番のハードルになることがあります。4月に年度が始まってから証明を頼むと間に合わないこともあるので、令和8年度実施の提出期限は5月1日(消印有効)でした。受験する年度の要項で期限を確認したうえで、3月のうちに「提出期限に間に合うよう証明書をお願いしたい」と伝えておくくらいでちょうどいいと思います。

年齢制限と併願のルール

原則50歳未満(令和9年度採用は昭和52年4月2日以降に生まれた人)
例外特例B-1①〜⑥・D-1・D-2に該当する人は60歳未満(昭和42年4月2日以降に生まれた人)
併願所有免許(取得見込を含む)に応じて、選考区分①高等学校・②中学校・③小学校・④幼稚園のうち2校種まで。中高の同一教科を併願した場合を除き、第2希望の専門試験も受験します。
併願できない組み合わせ小・中の志願者が高・幼稚園と併願する場合、特例B-2(幼稚園のみ)・B-4・C・E・Fは申請できません。特例Fを申請する場合は他の選考区分と併願できません。
高校・幼稚園の受験者が使える特例A-1/A-3(高校英語のみ)/A-4(高校理科のみ)/B-1①〜⑥/B-2(高校のみ)/B-3/D-1・D-2/F(高校の理科・工業・商業)/G

出典:令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験要項 p.1「基礎資格」、p.15「教員採用選考試験Q&A」、p.29「選考区分」

社会人・40〜50代から目指す方へ

令和9年度採用の要項(令和8年度実施)には「社会人経験者特別選考」という枠の記載がありません。基本は一般選考での受験になります。ただし、50歳未満まで受験できること、名古屋市で非常勤教諭を1年やればB-1⑥で総合教養に加点、常勤講師を1年やればB-1③で総合教養・専門に加点——というルートは開かれています。「まず現場に入り、翌年に加点を持って受ける」という戦略が取れる自治体です。

社会人経験のある方は、面接で話せるようにしておくとよいことが2つあります。①その経験を学校でどう生かすのか ②なぜ社会人経験を経て、いま教員を目指すのか。この2つを面接でバシッと話せるようにしておくと、合格しやすくなるポイントかなと思います。

障害者特別選考試験

名古屋市は「障害のある方の教員採用に積極的に取り組んでいます」と要項の冒頭に明記し、障害者特別選考試験を別建てで実施しています(大学3年生等を対象とした障害者特別選考試験もあります)。

  • 1次試験の「総合教養」を受験する必要がありません(要項Q&Aより)
  • 2次試験の「個人面接1」「個人面接2」に加えて、採用した場合の配慮事項等の聞き取りを2次試験当日に別途行います
  • 特例も申請できます
  • 受験上の配慮として、点字による筆記試験、手話による口述試験や試験監督の指示、試験会場や座席位置の配慮などが挙げられています
  • 令和9年度採用の採用予定人員480人(目安)には、障害者特別選考試験の採用予定人員約10人を含みます

令和8年度実施の志願者数のうち障害者特別選考は10人でした(報道発表より)。詳細は障害者特別選考試験要項(p.18〜20)でご確認ください。

まとめ|免除は「入口」、勝負はどのルートでも二次の口述

ここまで19種類の特例を見てきましたが、最後にどうしてもお伝えしたいことがあります。

二次の実技が免除される特例もありますが、口述試験の準備は必要です。特例B-1①で総合教養も専門も免除された人も、特例Gで一次を丸ごと免除された人も、二次では全員が同じ「口述(個人面接1・個人面接2)」を受けます。そして最終選考は「1次試験及び2次試験の結果並びに提出書類を総合して」行われます。

令和9年度採用の最終結果を見ると、受験1,483人に対して合格557人。900人以上が合格に届いていません(市は受験者数を一次・二次に分けて公表していないため、この受験者数は選考全体の数です)。特例で浮いた時間を、個人面接と模擬指導、そして自己アピールシートにつぎ込むことをおすすめします。それが名古屋市で大きなリターンにつながる使い方だと私は考えています。

■ 名古屋市の個人面接(口述)|受験者4名の実録と5年間の出題傾向
■ 名古屋市の自己アピールシートの書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算
■ 名古屋市の小論文|過去5年の出題テーマと50分・A4判20行の書き方
■ 名古屋市の倍率|令和9年度採用の志願状況と5年間の推移

よくある質問

Q. 複数の特例を申請できますか?

A. できます。要項に「それぞれの特例について要件を満たしていれば、複数の特例を申請することが可能です」と明記されています。ただし特例B-1①〜⑥は、いずれか1つのみの申請です。

Q. 講師の任用期間が「1年ちょうど」に届くか微妙です。

A. 名古屋市は「任用期間がその月に1日でもあれば、1か月分と算定」します。要項Q&Aには、令和7年4月25日から7月4日まで非常勤教諭をした場合は4か月と算定する例が載っています。月の途中から・途中までの月も1か月として数えられるので、思っているより長く積み上がっていることがあります。まず数えてみてください。

Q. 50歳以上ですが、受験できますか?

A. 要項Q&Aによれば、特例B-1①〜⑥・D-1・D-2を申請して認められれば、令和9年4月1日時点で60歳未満まで受験が可能です。つまり名古屋市で講師経験がある方、名古屋市の本務教諭を介護・子育てで退職した方には、50代でも道が開かれています。

Q. 前倒し受験(大学3年生等)でも自己アピールシートは書きますか?

A. はい。1次試験日に提出します。そして翌年度、2次試験を受けるときに全員が再提出します。要項Q&Aでも「1年間で努力したことがあり、自己アピールシートを修正したいと思っていますが、どうしたらよいですか?」という質問に対して「再度、全員に自己アピールシートを提出していただきます」と回答されています。4年生の1年間の成長を、シートに書き足せるということです。

Q. 名古屋市立学校の講師ですが、愛知県の特別選考も使えますか?

A. 名古屋市と愛知県はまったく別の試験です。令和9年度採用(令和8年度実施)の愛知県の講師経験者向けの選考は「愛知県内の公立学校(名古屋市立を除く)」で勤務中の人が対象とされており、名古屋市立学校での勤務は対象になりません(要件は年度で変わるので、必ずその年の受験案内をご確認ください)。逆に名古屋市の特例B-1は「名古屋市公立学校(園)」での任用が要件なので、愛知県立学校での講師経験は使えません。どちらの現場で働いてきたかで、使える制度が変わります。

Q. 特例Gが認められたら、一次試験を受けたほうが有利では?

A. 受けられません。要項Q&Aに「特例Gが認められた人は、1次試験を受験することはできません」と明記されています。前年度の1次の結果と、今年度の2次の結果、そして提出書類を総合して最終選考されます。前年度の1次の結果が最終選考に用いられるということなので(点数がどう扱われるかは要項に記載がありません)、その点も踏まえて申請するか判断してください。

この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます

特例の要件は要項で分かりますが、「実際に申請してどうだったか」は受験した方にしか分かりません。名古屋市の実録は、令和6年度〜8年度採用の4名に、令和9年度採用の2名分が加わっています。受験された方は、ぜひ報告をお寄せください。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

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