こんにちは、金井志津乃です!

名古屋市の倍率を調べたら、3.4倍とか3.3倍とか4.4倍とか、サイトによって数字がバラバラで混乱しています……。

それ、どれも間違いではないんです。名古屋市は「志願者÷採用予定」で発表していて、文部科学省の全国調査は「受験者÷採用者」。分母も分子も違うので、数字が変わって当然なんですね。この記事では、その2つをきちんと分けて並べていきます。
この記事の根拠
- 令和9年度採用の数字は名古屋市教育委員会の報道発表(2026年5月20日)から
- 令和8年度採用の最終結果と教科別の合格者数は、名古屋市公表の「最終選考結果」から
- 5年間の校種別推移は文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」(令和3年度〜7年度採用)から
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
- 名古屋市は「実施年度」で表記します。市のページの「令和9年度実施(=令和10年度採用)」が、ほかの自治体でいう令和10年度採用(2028年4月採用)です
- 1次試験:令和9年6月12日(土曜日)/2次試験:令和9年7月下旬(予定)/合格発表:令和9年8月下旬(予定)(2026年9月20日時点の公式発表)
- 「教員採用選考に係る第一次選考の共同実施に関する自治体協議会で作成した共通の試験問題を活用して実施します」
- 試験実施内容の詳細は2026年9月20日時点では検討中とされ、決定次第お知らせされるとのことです
- 免除・加点の変更は、この発表には書かれていません
出典:名古屋市「令和9年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験について」(確認日2026年9月20日・ページに掲載日の表示なし/公式)。 2026年9月20日時点の公式発表です。要項が出たら更新します。
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
30秒でわかる名古屋市の倍率
| 令和9年度採用の志願倍率 | 3.4倍(採用予定480人・志願1,630人)。前年は3.7倍でした。 |
| 志願倍率がいちばん高い区分 | 養護教員 12.8倍(採用予定10人に128人)。次いで小学校4.1倍(採用予定が「若干人」の幼稚園・栄養教員は志願倍率を計算できないため除きます) |
| 志願倍率がいちばん低い区分 | 特別支援学校 1.5倍(55人に80人)。前年は0.9倍でした。 |
| 大きく動いた区分 | 中・高等学校 4.5倍→2.8倍。採用予定が155人→260人と大幅に増えたことが主な要因と考えられます。 |
| 令和9年度採用の最終結果 | 受験1,483人・合格557人・補欠4人。受験者÷合格者で2.7倍(当ブログ算出) |
| 愛知県との関係 | 名古屋市は愛知県とは別に試験を実施。この記事の数字に愛知県分は一切含まれません。 |
- 志願倍率=志願者数 ÷ 採用予定人員……名古屋市教育委員会が報道発表で使っている定義。申込締切の直後(5月)に分かるので、その年の「入口の混み具合」を表します。
- 競争率=受験者数 ÷ 採用者数……文部科学省の全国調査の定義。実施から数か月後に公表されるので出るのは遅いですが、他県と横並びで比べやすい数字です。
表や本文で数字を出すたびに、どちらの定義かを書き添えます。なお、令和9年度採用・令和8年度採用の最終結果の倍率は、この2つとは別に、当ブログが「受験者数÷合格者数」で算出したものです。
令和9年度採用(令和8年度実施)の志願状況
2026年5月20日に名古屋市が公表した志願状況です。採用予定480人に対して志願者1,630人、志願倍率3.4倍。前年(430人・1,585人・3.7倍)から採用予定が50人増え、倍率は下がりました。
| 選考区分 | 採用予定 | 志願者 | 志願倍率 | 前年の採用予定 | 前年の志願者 | 前年の倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学校教員 | 155人 | 640人 | 4.1倍 | 175人 | 625人 | 3.6倍 |
| 中・高等学校教員 | 260人 | 718人 | 2.8倍 | 155人 | 694人 | 4.5倍 |
| 幼稚園教員 | 若干人 | 28人 | — | 5人 | 25人 | 5.0倍 |
| 特別支援学校教員 | 55人 | 80人 | 1.5倍 | 90人 | 81人 | 0.9倍 |
| 養護教員 | 10人 | 128人 | 12.8倍 | 5人 | 123人 | 24.6倍 |
| 栄養教員 | 若干人 | 36人 | — | 若干人 | 37人 | — |
| 合計 | 480人 | 1,630人 | 3.4倍 | 430人 | 1,585人 | 3.7倍 |
※志願倍率=志願者数÷採用予定人員(名古屋市教育委員会の定義)。小・中学校の採用予定人員には、特別支援学級担当教員の採用予定人員約40人を含みます。採用予定人員は令和8年度実施の要項で「約」の付いた目安とされ、変更の可能性も示されていました。志願者数には、令和7年度実施の大学3年生等選考で2次試験受験対象となった92人と障害者特別選考10人を含み、令和8年度実施の大学3年生等選考の志願者は含みません。出典:名古屋市「令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験の志願状況について」(2026年5月20日報道発表)
大学3年生等を対象とした選考は「別枠」で444人
名古屋市には、大学3年生等を対象とした前倒し選考があります。こちらは上の表とは別集計で、令和8年度実施は444人(前年492人)が志願しました。
| 選考区分 | 志願者(令和8年度実施) | 前年 |
|---|---|---|
| 小学校教員 | 183人 | 200人 |
| 中・高等学校教員 | 216人 | 235人 |
| 幼稚園教員 | 10人 | 11人 |
| 特別支援学校教員 | 19人 | 9人 |
| 養護教員 | 15人 | 24人 |
| 栄養教員 | 1人 | 13人 |
| 合計 | 444人 | 492人 |
出典:同上。大学3年生等の選考は1次試験のみで、2次試験受験対象になると、翌年度実施の採用選考試験の2次試験からの受験になります(改めて出願が必要です。令和8年度実施の要項では、2次試験受験対象となった選考区分・教科で出願し、その区分・教科に採用予定がない場合や区分・教科を変える場合は2次から受験できないとされています)。詳しくは特例の記事にまとめました。
■ 名古屋市の特例(特別選考)と一次免除ルート|大学3年生・講師・本務教諭・大学推薦・加点制度
一次を通過したのは何人?(当ブログ集計)
名古屋市は一次の結果を「2次選考試験受験対象者」の受験番号一覧で公表します。人数は書かれていないので、当ブログで数えました。
| 2次選考試験受験対象者(一般) | 863人 |
| 2次選考試験受験対象者(大学3年生等・翌年度に2次を受験) | 121人 |
※当ブログが受験番号一覧を集計した数(令和8年度実施)です。この人数には、特例による1次試験免除者(特例B-2・C・D・F・G、前年度の大学3年生等選考の2次試験受験対象者など)が含まれています。そのため、公表されている志願者数と直接割り算して「一次の倍率」を出すことはできません。名古屋市は一次の受験者数を、確認できた公表資料では示していないためです。
令和9年度採用(令和8年度実施)の最終結果|合格557人・全体2.7倍
最終選考結果は令和8年8月下旬に公表されました。全体で受験者1,483人・合格者557人・補欠者4人。受験者数を合格者数で割ると2.7倍です(この割り算は当ブログ算出。名古屋市は最終選考結果に倍率の欄を設けていません)。
| 区分 | 教科 | 受験者 | 合格者 | 補欠者 | 倍率 (当ブログ算出) |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | — | 591人 | 252人 | 0人 | 2.3倍 |
| 中学校・高等学校 | 国語 | 72人 | 32人 | 4人 | 2.3倍 |
| 中学校 | 社会 | 92人 | 33人 | 0人 | 2.8倍 |
| 中学校・高等学校 | 数学 | 74人 | 39人 | 0人 | 1.9倍 |
| 中学校・高等学校 | 理科 | 65人 | 39人 | 0人 | 1.7倍 |
| 中学校 | 音楽 | 26人 | 9人 | 0人 | 2.9倍 |
| 中学校 | 美術 | 18人 | 6人 | 0人 | 3.0倍 |
| 中学校・高等学校 | 保健体育 | 145人 | 33人 | 0人 | 4.4倍 |
| 中学校 | 技術 | 8人 | 4人 | 0人 | 2.0倍 |
| 中学校・高等学校 | 家庭 | 19人 | 5人 | 0人 | 3.8倍 |
| 中学校・高等学校 | 英語 | 67人 | 37人 | 0人 | 1.8倍 |
| 高等学校 | 地理・歴史 | 31人 | 3人 | 0人 | 10.3倍 |
| 高等学校 | 商業 | 16人 | 2人 | 0人 | 8.0倍 |
| 高等学校 | 工業 | 8人 | 4人 | 0人 | 2.0倍 |
| 幼稚園 | — | 24人 | 2人 | 0人 | 12.0倍 |
| 特別支援学校 | — | 71人 | 45人 | 0人 | 1.6倍 |
| 養護教員 | — | 122人 | 11人 | 0人 | 11.1倍 |
| 栄養教員 | — | 34人 | 1人 | 0人 | 34.0倍 |
| 合計 | 1,483人 | 557人 | 4人 | 2.7倍 |
※出典:名古屋市教育委員会「令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験 最終選考結果」(令和8年8月下旬公表/障害者特別選考結果を含む)
受験者数・合格者数・補欠者数は市の公表値、倍率の欄は受験者数÷合格者数で当ブログが算出したものです(市の公表資料に倍率の欄はありません)。補欠者は合格者とは別で、令和9年度採用は中学校・高等学校の国語で4人。市は受験者数を一次・二次に分けて公表していないため、この「受験者」は選考全体の受験者数です。

採用予定が430人→480人に増えたこともあり、前年(令和8年度採用)の合格420人から557人へ137人増。全体倍率も3.5倍→2.7倍まで下がりました。とくに小学校が3.3倍→2.3倍、保健体育が9.4倍→4.4倍と大きく動いています。
令和9年度採用の秋選考(特別支援学校・中学校の技術・英語・美術)
名古屋市は夏の選考とは別に、令和9年度採用の秋選考を実施します(令和8年10月時点の情報)。選考区分は特別支援学校教員(10人程度)・中学校教員の技術(5人程度)・英語(5人程度)・美術(若干人)で、申込受付は令和8年9月15日(火)〜10月5日(月)(インターネット申込。受付は終了しています)、試験日は11月7日(土)、結果は12月上旬に郵送で通知され、市のウェブサイトでも発表される予定です。受験できるのは、国公立学校で令和3年度から令和8年10月31日までの常勤講師の任用期間が通算3年以上の人、申込締切日現在に名古屋市以外の国公立学校の本務教諭で任用期間が通算2年以上の人、令和8年度実施の名古屋市または他府県等の試験で2次(最終選考)の受験対象となった人などに限られます(受験資格の正確な条件は秋選考の要項でご確認ください)。また、令和8年度実施の名古屋市または他府県等の試験で合格・補欠となった人は受験できません。また、名古屋市の夏の選考で特別支援学校または中学校の技術・英語・美術を受験して不合格となった人は、秋選考の同じ区分・教科を受験できません。出典:名古屋市教育委員会「令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験(秋選考)要項」
令和8年度採用の最終結果|教科別の合格者数
比較のため、ひとつ前の年度(令和7年度実施=令和8年度採用)の最終選考結果も載せておきます。名古屋市は18の区分・教科ごとに受験者数・合格者数・補欠者数を公表しています。
| 区分 | 教科 | 受験者 | 合格者 | 補欠者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | — | 579人 | 174人 | 13人 | 3.3倍 |
| 中学校・高等学校 | 国語 | 65人 | 28人 | 3人 | 2.3倍 |
| 中学校 | 社会 | 97人 | 21人 | 1人 | 4.6倍 |
| 中学校・高等学校 | 数学 | 72人 | 16人 | 1人 | 4.5倍 |
| 中学校・高等学校 | 理科 | 62人 | 31人 | 4人 | 2.0倍 |
| 中学校 | 音楽 | 32人 | 6人 | 0人 | 5.3倍 |
| 中学校 | 美術 | 16人 | 5人 | 0人 | 3.2倍 |
| 中学校・高等学校 | 保健体育 | 151人 | 16人 | 0人 | 9.4倍 |
| 中学校 | 技術 | 8人 | 5人 | 0人 | 1.6倍 |
| 中学校 | 家庭 | 13人 | 2人 | 0人 | 6.5倍 |
| 中学校・高等学校 | 英語 | 77人 | 38人 | 0人 | 2.0倍 |
| 高等学校 | 地理・歴史 | 29人 | 5人 | 0人 | 5.8倍 |
| 高等学校 | 商業 | 12人 | 5人 | 0人 | 2.4倍 |
| 高等学校 | 工業 | 6人 | 2人 | 0人 | 3.0倍 |
| 幼稚園 | — | 22人 | 5人 | 0人 | 4.4倍 |
| 特別支援学校 | — | 77人 | 50人 | 0人 | 1.5倍 |
| 養護教員 | — | 110人 | 10人 | 0人 | 11.0倍 |
| 栄養教員 | — | 32人 | 1人 | 0人 | 32.0倍 |
| 合計 | 1,460人 | 420人 | 22人 | 3.5倍 |
※受験者数・合格者数・補欠者数は名古屋市教育委員会「令和7年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験 最終選考結果」より(障害者特別選考結果を含む)。倍率の欄は受験者数÷合格者数で当ブログが算出したもので、市の公表値ではありません。市が同時に公表した合格者・補欠者の受験番号一覧を数えても、合格420・補欠22で一致しました。

この表、教科選びの参考になりますよ。理科と英語が2.0倍、技術1.6倍、特別支援学校1.5倍——名古屋市では令和8年度採用で倍率が低めに出ている教科・区分です。逆に保健体育9.4倍、養護11.0倍、栄養32.0倍は高い数字です。ただ、倍率は自分の力ではどうしようもないところなので、「倍率が高いから諦める」ではなく、「この倍率を抜けるには何が必要か」を逆算してほしいです。
2年分を並べると、採用予定の増減が教科別の倍率にも影響している可能性があることがうかがえます(教科別の採用予定人員は公表されていないため、教科ごとの因果は確かめられません)。志望する教科の数字は、単年ではなく2〜3年分で見ることをおすすめします。
5年間の推移|受験者は16%減、競争率は4.4倍→3.3倍
ここからは文部科学省の全国調査の数字です。競争率=受験者数÷採用者数で、全国どの自治体とも同じものさしで比べられます。
| 採用年度(実施年) | 受験者(全体) | 採用者(全体) | 競争率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年度採用(2020年夏) | 1,815人 | 416人 | 4.4倍 |
| 令和4年度採用(2021年夏) | 1,698人 | 448人 | 3.8倍 |
| 令和5年度採用(2022年夏) | 1,614人 | 454人 | 3.6倍 |
| 令和6年度採用(2023年夏) | 1,614人 | 459人 | 3.5倍 |
| 令和7年度採用(2024年夏) | 1,526人 | 461人 | 3.3倍 |
※競争率=受験者数÷採用者数(文部科学省の定義)。出典:文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」各年度
5年間で受験者は1,815人→1,526人(約16%減)、いっぽう採用者は416人→461人(約11%増)。受験者が減って採用が増えたぶん、競争率が4.4倍→3.3倍と一貫して下がってきました。令和8年度採用の最終合格者は420人、令和9年度採用の最終合格者は557人でした。
校種別の推移(令和3年度〜7年度採用)
| 採用年度 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | 特別支援学校 | 養護教諭 | 栄養教諭 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和3年度採用 | 800人/211人/3.8倍 | 758人/134人/— | —/24人/— | 81人/20人/4.1倍 | 137人/17人/8.1倍 | 39人/10人/3.9倍 |
| 令和4年度採用 | 736人/270人/2.7倍 | 718人/114人/6.3倍 | —/22人/— | 65人/23人/2.8倍 | 132人/14人/9.4倍 | 47人/5人/9.4倍 |
| 令和5年度採用 | 700人/267人/2.6倍 | 698人/124人/— | —/20人/— | 60人/25人/2.4倍 | 122人/13人/9.4倍 | 34人/5人/6.8倍 |
| 令和6年度採用 | 637人/251人/2.5倍 | 728人/119人/(4.8倍) | —/34人/(4.8倍) | 80人/38人/2.1倍 | 133人/16人/8.3倍 | 36人/1人/36.0倍 |
| 令和7年度採用 | 607人/276人/2.2倍 | 677人/105人/(4.8倍) | —/35人/(4.8倍) | 73人/30人/2.4倍 | 132人/12人/11.0倍 | 37人/3人/12.3倍 |
※表記は「受験者数/採用者数/競争率」。競争率=受験者数÷採用者数。文科省の表では中学校と高等学校の受験者数が合算で示されるため、高等学校の受験者数は「—」で、( )内は中学校・高等学校を合算した競争率です。出典:文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」各年度
校種ごとの読み解き
- 小学校……競争率は3.8倍→2.2倍と毎年低下。受験者が800人→607人と減る一方、採用者は211人→276人に増えました。数字のうえでは、令和3〜7年度採用の5年間で、名古屋市で最も採用の間口が広がった校種です。ただし令和9年度採用は採用予定が175人→155人と絞られ、志願倍率は3.6倍→4.1倍に上がりました。「毎年下がり続ける」とは限らないことも押さえておいてください。
- 中学校・高等学校……文科省の表では中学校と高等学校が合算の競争率(令和6・7年度採用はどちらも4.8倍)で示されます(名古屋市の報道発表でも「中・高等学校教員」は合算で公表されています)。令和9年度採用は採用予定が155人→260人へと大幅増。志願倍率は4.5倍→2.8倍に下がりました。教科別に見ると、理科・英語・技術は2倍前後、保健体育は令和8年度採用が9.4倍、令和9年度採用が4.4倍と教科ごとの差がとても大きいのが特徴です。
- 特別支援学校……令和4年度〜7年度採用の競争率は2倍台で推移し、令和8年度採用の最終結果では77人が受験して50人合格(1.5倍)。令和8年度採用の志願倍率は0.9倍と、志願者が採用予定を下回った年もありました。特別支援学校教諭免許を持っている方にとって、名古屋市は選択肢の一つになると私は考えます。
- 養護教諭……競争率8〜11倍で推移する狭き門。令和9年度採用は採用予定が5人→10人に倍増し、志願倍率は24.6倍→12.8倍まで下がりました。採用予定の増減で志願倍率が大きく動くのが、採用人数の少ない区分の特徴です(最終結果の「受験者÷合格者」では、令和8年度採用11.0倍・令和9年度採用11.1倍とほぼ同じでした)。
- 栄養教諭……採用が1〜10人と年によって大きく振れ、競争率も3.9倍〜36.0倍と乱高下します。募集が「若干人」の年は倍率の予測が立ちません。倍率を見て一喜一憂しすぎないほうがよいと私は考える区分の代表です。
- 幼稚園……名古屋市は市立幼稚園があり、令和9年度採用の募集は「若干人」(令和8年度採用の採用予定は5人)で、令和8年度採用は22人が受験して5人合格でした。
特例(特別選考)の希望状況|4割超が「B系」を申請
名古屋市は倍率とあわせて特例の希望者数まで公表しています。ここから、名古屋市の受験者層の一端がうかがえます。
| 特例 | 要件(要約) | 希望者(令和8年度実施) | 前年 |
|---|---|---|---|
| B-1〜B-4 | 常勤講師・非常勤教諭、本務教諭、なごや教職インターンシップ、トワイライトAP等 | 761人 | 702人 |
| G | 令和7年度の1次試験を受験し、2次試験受験対象となった人 | 110人 | 143人 |
| A-2・A-3 | 英会話能力に優れている人 | 57人 | 49人 |
| E | 特別支援学校教諭免許状所有(見込)で特別支援学級担当を希望する人 | 46人 | 29人 |
| A-1 | スポーツ・芸術等の分野で優秀な成績を収めたことがある人 | 29人 | 28人 |
| F | 在学する大学等の推薦が得られた人 | 14人 | 11人 |
| A-4 | 高校(理科)・中学校(理科・技術)・特別支援学校の専修免許状所有(見込)の人 | 8人 | 2人 |
| C | 大学院在学者及び進学者への特別措置を認められている人 | 8人 | 2人 |
| D-1・D-2 | 介護・子育てを理由に退職した人 | 4人 | 2人 |
※大学3年生等選考の希望者は含みません(別に、B系153人・A-2/A-3 33人・A-1 3人・E 1人・A-4 1人)。出典:名古屋市「令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験の志願状況について」
志願者1,630人に対してB系の希望者だけで761人。B系には、名古屋市の講師・非常勤教諭や子どもと関わる活動の経験者だけでなく、他の国公立学校の本務教諭等も含まれます。名古屋市での勤務・活動の経験などが、試験の免除・加点につながる仕組みが用意されています(特例B-2のように、他の国公立学校での本務教諭の経験を対象にするものもあります)。
各特例の中身(何が免除され、何に加点されるのか)は、専用記事で1つずつ整理しました。
■ 名古屋市の特例(特別選考)と一次免除ルート|大学3年生・講師・本務教諭・大学推薦・加点制度
倍率との付き合い方|「今年は倍率が高い」と感じたときに
倍率の記事を書いておいて言うのもなんですが、私は倍率を見て受験先を決めるのはおすすめしません。
「倍率が例年より高い」と言われたとき、私はいつも「これで合格したらすごいことだな」と考えるようにしています。倍率は自分の力ではどうにもならない外部要因です。そこに気持ちを持っていかれると、自分にできることが手薄になってしまう。同じ情報を、前に進む材料に変えてほしいんです。
それに、名古屋市の数字を見れば分かるとおり、採用予定人員は年によってかなり動くことがあります。中・高等学校は155人→260人、養護教員は5人→10人、小学校は175人→155人。前年度の倍率を見て志望を決めても、その年はまったく違う景色になっているかもしれません。「受けたい自治体を、その年のうちに全力で受ける」のが、近道だと私は考えています。
よくある質問
Q. 名古屋市と愛知県、どちらが受かりやすいですか?
A. 名古屋市の採用試験は愛知県とは別に実施されており、要項にもその旨が明記されています。倍率の出し方が異なる場合があるので単純比較はできませんが、「受かりやすさ」より「働きたい場所かどうか」で選んでほしいというのが私の考えです。名古屋市を選ぶなら、面接で「なぜ名古屋市なのか」を聞かれた報告が複数あります(愛知県を受験しなかった理由を聞かれた例もあります)。愛知県の倍率はこちらの記事にまとめています。
Q. 一次試験の倍率は分かりますか?
A. 名古屋市は一次試験の受験者数を、確認できた公表資料では示していません。公表されるのは「2次選考試験受験対象者」の受験番号一覧だけです。当ブログで数えると令和9年度採用の2次選考試験受験対象者は一般863人で(大学3年生等の121人は翌年度の2次選考試験の受験対象者として別に公表されています)、ここには一次免除者が含まれるため、志願者数と割り算しても意味のある倍率にはなりません。
Q. 補欠になったら採用されるのですか?
A. 要項には「補欠:令和9年12月末日までの間で、欠員状況等に応じ、採用されることがあります」と書かれています。補欠者は合格者とは別に公表され、令和8年度採用では22人、令和9年度採用では4人(中学校・高等学校の国語)でした。加えて、令和8年度実施の特例Gは、令和7年度実施の1次試験を受験して2次試験受験対象となった人が、採用予定のある同じ選考区分・教科へ出願する場合の制度です。前年度に特例Gが適用された人や大学3年生等選考には適用されません。翌年度の条件は、その年度の要項で確認してください。補欠の場合も、令和9年度実施以降の要項で同様の条件が示されれば「翌年、二次から」進める可能性があります。
Q. 採用予定人員はいつ発表されますか?
A. 令和8年度実施(令和9年度採用)の要項には「採用予定人員については、4月中下旬に発表します」とあり、申込受付は4月13日〜5月1日でした。要項どおり4月中下旬に発表されれば、採用予定人員を見てから出願を判断できるスケジュールです(志願状況を含む報道発表は2026年5月20日でした)。発表時期はその年度の要項で確認してください。
Q. 「若干人」の区分は受けないほうがいい?
A. 令和9年度採用の幼稚園・栄養教員は「若干人」の募集ですが、令和8年度採用では幼稚園5人・栄養1人、令和9年度採用では幼稚園2人・栄養1人が合格しています。採用ゼロの年ばかりではありません。ただし年による振れ幅が大きいので、併願できる区分があるなら併願を検討する価値はあります(令和9年度採用の要項では、所有免許に応じて高校・中学校・小学校・幼稚園のうち2校種まで併願可(組合せ・特例による制限あり。養護・栄養・特別支援はこの併願の対象外)。同一時間帯の試験があると併願できない組み合わせもあります)。
Q. 二次でどれくらい落ちるのですか?
A. 名古屋市は「2次試験の受験者数」を、確認できた公表資料では示していないため、二次だけの倍率は算出できません。分かるのは「2次選考試験受験対象者の人数(受験番号一覧)」と「最終合格者数」だけです。令和8年度実施の2次選考試験受験対象者は一般863人でした。大学3年生等選考の121人は翌年度の2次選考試験受験対象者として別に公表されています。令和9年度採用の最終合格者は557人(採用予定480人)ですが、実際の二次受験者数ではないため二次倍率は算出できません。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
倍率は公表資料で分かりますが、「実際にどんな試験だったか」は受験した方にしか分かりません。名古屋市の実録は、令和6年度〜8年度採用の4名に、令和9年度採用の2名分が加わっています。受験された方は、ぜひ報告をお寄せください。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。
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