こんにちは、金井志津乃です!

東京都の教採って倍率が低いって聞くけど、本当ですか? 1倍台って書いてあるサイトもあれば3倍台って書いてあるサイトもあって、どっちが正しいのか分からなくて……

どちらも正しいんです! 東京都は「応募者÷採用見込者数」と「受験者÷名簿登載者数」の2つの倍率が公表資料に載っていて、令和9年度採用では前者が3.2倍、後者が2.0倍と、数え方でここまで変わります。この記事ではどちらの数字も、定義を書いたうえで並べますね。
この記事では、東京都公立学校教員採用候補者選考の倍率について、令和9年度採用(2026年夏実施)の応募状況と選考結果と令和4年度採用からの6年間の結果を、校種別・教科別にまとめます。
この記事の根拠
- 数字はすべて東京都教育委員会が公表した資料(応募状況・各年度の選考結果・大学3年生前倒し選考の結果・実施要綱)から集計。推定値は使っていません。
- 東京都は選考結果(受験者数・名簿登載者数)を、最終合否発表と同時に公表する方式です。令和9年度採用の受験者数・名簿登載者数は2026年9月30日(水)午前10時に公表され、この記事に反映しています。
- 面接で「実際に聞かれた質問」は別記事にまとめています →東京都の個人面接|過去問200問・3年分の実録と傾向対策
- 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
- 令和9年度採用は応募10,728人・採用見込3,405人=応募倍率3.2倍(東京都公表値)。前年(令和8年度採用)の3.1倍とほぼ同水準。
- 令和9年度採用の選考結果(9月30日発表)は受験8,966人・名簿登載4,586人=倍率2.0倍(前年1.8倍)。名簿登載者が4,982人→4,586人に減ったことが上がった主な理由です。
- 令和4年度〜9年度採用の6年間の「受験者÷名簿登載者」でみた倍率は1.6〜3.2倍。令和6年度採用の1.6倍を底に、1.6→1.7→1.8→2.0倍と戻しています。
- 校種差が大きい:応募倍率で特別支援1.6倍・中学校技術1.2倍・小学校2.4倍に対し、保健体育を含む小中高共通5.7倍・養護教諭9.3倍
- 採用見込者数は令和7年度採用の4,005人をピークに4,005→3,545→3,405人と2年続けて縮小。倍率がじわり上がっている背景の一つです。
- 大学3年生前倒し選考の通過率は80.8%(令和8年8月4日公表)。3,420人が受験し2,762人が通過し、通過者は翌年に同じ校種等・教科で「3年生前倒し通過者選考(4年次受験)」へ改めて申し込むと、教職教養・専門教養が免除されます(令和9年度採用の実施要綱に基づく説明です。令和8年度実施の通過者の翌年度の扱いは、その年度の実施要綱で確認してください)。
- 不合格となった者のうち成績が上位で、希望する者は「期限付任用教員採用候補者名簿」に登載(令和9年度採用は821人)。東京都独自の受け皿です。
この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。
まず「東京都の倍率」の読み方|2つの定義を混ぜない
東京都教育委員会が出す資料には、時期の違う2種類の数字が載ります。ここを分けて読むだけで、他サイトとの食い違いがなくなります。
| ①応募状況(受験申込の締切後に公表) | 倍率=応募者数÷採用見込者数。出願が締め切られた時点の数字で、辞退・欠席は反映されません。令和9年度採用は3.2倍。 |
| ②選考結果(最終合否発表と同日) | 倍率=受験者数÷名簿登載者数。実際に試験を受けた人と、合格して採用候補者名簿に載った人の比です。令和9年度採用は2.0倍(前年は1.8倍)。 |
| 「合格」=名簿登載 | 東京都は合格者を「東京都公立学校教員採用候補者名簿」に登載します。名簿登載期間は原則、令和9年4月1日から令和10年3月31日までの1年間(実施要綱)。 |
| 公表のタイミング | 令和9年度採用の選考結果は最終合否発表日(令和8年9月30日水・午前10時)に公表され、受験者数・名簿登載者数が掲載されています。確認できた範囲では、この結果資料に第一次選考の合格者数は載っていません。 |
※出典:東京都教育委員会「令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考(9年度採用)応募状況」、「令和3年度〜7年度東京都公立学校教員採用候補者選考 結果」、令和8年度実施要綱(令和8年3月19日)

この記事では、表の見出しと注記に毎回どちらの定義かを書いています。ネットの情報を見比べるときも「これは応募倍率か、受験÷名簿登載か」を最初に確認してくださいね。
令和9年度採用(2026年夏実施)の応募状況|応募倍率3.2倍
東京都教育委員会が公表した応募状況です。全体で応募10,728人・採用見込3,405人、応募倍率3.2倍。前年(令和8年度採用)は応募11,012人・採用見込3,545人で3.1倍でしたので、応募・採用見込ともに少し減り、倍率はほぼ横ばいです。
| 校種等 | 採用見込 | 応募者 | 応募倍率 | 前年(R8採用)の応募倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 小学校全科(英語コース含む) | 1,190人 | 2,813人 | 2.4倍 | 2.2倍 |
| 中学校・高等学校共通 | 1,190人 | 4,077人 | 3.4倍 | 3.7倍 |
| 小学校・中学校共通 | 100人 | 340人 | 3.4倍 | 3.6倍 |
| 小・中・高等学校共通(家庭・保健体育) | 250人 | 1,433人 | 5.7倍 | 5.9倍 |
| 中学校 技術 | 30人 | 37人 | 1.2倍 | 1.3倍 |
| 高等学校(情報・商業・工業・農業・福祉・水産) | 70人 | 213人 | 3.0倍 | 3.7倍 |
| 特別支援学校 | 410人 | 661人 | 1.6倍 | 1.4倍 |
| 養護教諭 | 120人 | 1,113人 | 9.3倍 | 11.6倍 |
| 合計 | 3,405人 | 10,728人 | 3.2倍 | 3.1倍 |
※応募倍率=応募者数÷採用見込者数(東京都教育委員会の公表定義)。このほか東京教師養成塾生を対象とした特別選考29人(30名程度)、国際貢献活動経験者特別選考の青年海外協力隊等経験者4人(5名以内)・在外教育施設等経験者8人(10名以内)が応募しています。
出典:東京都教育委員会「令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考(9年度採用)応募状況」
教科別の応募者数(令和9年度採用)
東京都は一部の教科をまとめて採用見込者数を公表しているため、その区分内の教科別応募倍率は算出できませんが、応募者数は教科別に公表されています。受験者数÷名簿登載者数の教科別倍率は、後掲の選考結果をご覧ください。「自分の教科に何人が出願したか」の目安にしてください。
| 中学校・高等学校共通 | 応募者(R9採用) | 応募者(R8採用) |
|---|---|---|
| 国語 | 730人 | 728人 |
| 社会(地理歴史) | 899人 | 954人 |
| 社会(公民) | 371人 | 381人 |
| 数学 | 563人 | 537人 |
| 理科(物理/化学/生物/地学) | 92/164/158/12人 | 112/150/165/19人 |
| 英語 | 581人 | 652人 |
| 音楽 | 292人 | 284人 |
| 美術 | 215人 | 183人 |
| 小計 | 4,077人 | 4,165人 |
| その他の区分 | 応募者(R9採用) | 応募者(R8採用) |
|---|---|---|
| 小・中学校共通(音楽/美術/理科) | 198/78/64人 | 190/96/70人 |
| 小・中・高共通 家庭(+調理) | 172人(調理0人) | 164人(調理5人) |
| 小・中・高共通 保健体育 | 1,261人 | 1,369人 |
| 中学校 技術 | 37人 | 40人 |
| 高等学校 情報/商業 | 79/53人 | 83/53人 |
| 高等学校 工業(機械/電気/化学/建築/工芸) | 7/12/4/11/1人 | 11/14/3/11/3人 |
| 高等学校 農業(園芸/食品/造園/畜産) | 18/3/3/7人 | 18/8/—/5人 |
| 高等学校 福祉/水産 | 14/1人(航海1人) | 12/2人(航海0人) |
| 特別支援学校 小学部 | 297人 | 270人 |
| 特別支援学校 中学部・高等部/小学部・中学部・高等部(合計) | 355人 | 312人 |
| 養護教諭 | 1,113人 | 1,040人 |
※特別支援学校 中学部・高等部(音楽・美術・家庭は小学部・中学部・高等部の区分)の内訳(令和9年度採用)は、保健体育116人・社会103人・国語32人・音楽32人・英語23人・美術18人・理科15人・数学10人・家庭6人。
出典:東京都教育委員会「令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考(9年度採用)応募状況」

東京都で群を抜いて応募が多いのは保健体育(1,261人)と養護教諭(1,113人)。この2区分は、東京都でも倍率が高い区分の一つです。逆に中学校技術(応募37人・採用見込30人)は東京都の中でも倍率の低い「1倍台」の区分ですよ。
令和9年度採用の選考結果(9月30日発表)|受験8,966人・名簿登載4,586人で2.0倍
令和8年9月30日(水)午前10時の最終合否発表と同時に、東京都教育委員会が選考結果を公表しました。受験者8,966人・名簿登載者4,586人・倍率2.0倍です。実施要綱で「選考の結果、不合格となった者のうち成績が上位で、希望する者」が登載されるとされている期限付任用教員採用候補者名簿には821人が登載されました。
| 校種等 | 採用見込 | 応募者 | 受験者 | 名簿登載者 | 倍率(受験÷名簿登載) | 期限付任用名簿 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学校全科(英語コース含む) | 1,190人 | 2,813人 | 2,412人 | 2,026人 | 1.2倍 | 96人 |
| 中学校・高等学校共通 | 1,190人 | 4,077人 | 3,317人 | 1,420人 | 2.3倍 | 484人 |
| 小学校・中学校共通 | 100人 | 340人 | 294人 | 117人 | 2.5倍 | 47人 |
| 小・中・高等学校共通(家庭・保健体育) | 250人 | 1,433人 | 1,198人 | 283人 | 4.2倍 | 84人 |
| 中学校 技術 | 30人 | 37人 | 31人 | 27人 | 1.1倍 | 1人 |
| 高等学校(情報・商業・工業・農業・福祉・水産) | 70人 | 213人 | 162人 | 73人 | 2.2倍 | 19人 |
| 特別支援学校 | 410人 | 661人 | 650人 | 499人 | 1.3倍 | 62人 |
| 養護教諭 | 120人 | 1,113人 | 951人 | 102人 | 9.3倍 | 28人 |
| 東京教師養成塾生特別選考 | 30名程度 | 29人 | 29人 | 29人 | 1.0倍 | 0人 |
| 国際貢献活動経験者特別選考(2区分計) | 15名以内 | 12人 | 11人 | 10人 | — | 0人 |
| 総計 | 3,405人 | 10,728人 | 8,966人 | 4,586人 | 2.0倍 | 821人 |
※倍率=受験者数÷名簿登載者数(東京都の公表値)。キャリア採用選考の主任教諭合格者を含みます。特別支援学校の一部教科の受験者数には他校種からの併願者が含まれるため、校種別の受験者数を足しても総計とは一致しません(原典の注記)。国際貢献活動経験者特別選考は、青年海外協力隊等経験者(受験4人・名簿登載3人)と在外教育施設等経験者(受験7人・名簿登載7人)の合計です。
出典:東京都教育委員会「令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考(9年度採用)結果」(2026年9月30日報道発表・別紙)(公式)
前年(令和8年度採用)は受験9,099人・名簿登載4,982人で1.8倍でした。受験者はほぼ同じ(約1%減)だったのに対し、名簿登載者が396人(約8%)減ったため、倍率は2.0倍に上がっています。採用見込者数も3,545人→3,405人に減っていました。
| 区分 | 教科・科目 | 応募者 | 受験者 | 名簿登載者 | 倍率 | 期限付任用名簿 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 中学校・高等学校共通 | 国語 | 730人 | 607人 | 282人 | 2.2倍 | 104人 |
| 社会(地理歴史) | 899人 | 745人 | 120人 | 6.2倍 | 91人 | |
| 社会(公民) | 371人 | 278人 | 52人 | 5.3倍 | 33人 | |
| 数学 | 563人 | 468人 | 282人 | 1.7倍 | 107人 | |
| 理科(物理) | 92人 | 77人 | 62人 | 1.2倍 | 4人 | |
| 理科(化学) | 164人 | 135人 | 91人 | 1.5倍 | 26人 | |
| 理科(生物) | 158人 | 113人 | 58人 | 1.9倍 | 27人 | |
| 理科(地学) | 12人 | 7人 | 3人 | 2.3倍 | 1人 | |
| 英語 | 581人 | 469人 | 334人 | 1.4倍 | 30人 | |
| 音楽 | 292人 | 248人 | 83人 | 3.0倍 | 54人 | |
| 美術 | 215人 | 170人 | 53人 | 3.2倍 | 7人 | |
| 小学校・中学校共通 | 音楽 | 198人 | 171人 | 54人 | 3.2倍 | 25人 |
| 美術 | 78人 | 67人 | 37人 | 1.8倍 | 14人 | |
| 理科 | 64人 | 56人 | 26人 | 2.2倍 | 8人 | |
| 小・中・高等学校共通 | 家庭 | 172人 | 127人 | 106人 | 1.2倍 | 3人 |
| 保健体育 | 1,261人 | 1,071人 | 177人 | 6.1倍 | 81人 |
※倍率=受験者数÷名簿登載者数(東京都の公表値)。
出典:同上。
高等学校(工業・農業など)と特別支援学校の教科別の数字も原典に掲載されています。
中学校・高等学校共通では社会(地理歴史)6.2倍・社会(公民)5.3倍が高く、物理1.2倍・英語1.4倍・化学1.5倍が低いという、前年と同じ構図です。保健体育は1,071人が受験して名簿登載177人(6.1倍)でした。
6年間の推移|採用見込4,005人がピーク、そこから2年連続の縮小
東京都教育委員会が毎年公表する「選考結果」から、令和4年度採用(2021年夏実施)以降の全体の推移をまとめました。倍率は東京都の公表値と同じ受験者数÷名簿登載者数です。比較用に、応募者数÷採用見込者数で計算した応募倍率も併記しました。
| 採用年度(実施) | 採用見込 | 応募者 | 受験者 | 名簿登載者 | 倍率(受験÷名簿登載) | 参考:応募倍率 | 期限付任用名簿 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和4年度(2021夏) | 2,635人 | 10,200人 | 8,607人 | 2,650人 | 3.2倍 | 3.9倍 | 1,305人 |
| 令和5年度(2022夏) | 2,865人 | 9,413人 | 7,911人 | 3,841人 | 2.1倍 | 3.3倍 | 1,035人 |
| 令和6年度(2023夏) | 3,475人 | 9,441人 | 7,948人 | 4,926人 | 1.6倍 | 2.7倍 | 671人 |
| 令和7年度(2024夏) | 4,005人 | 10,414人 | 8,570人 | 4,999人 | 1.7倍 | 2.6倍 | 589人 |
| 令和8年度(2025夏) | 3,545人 | 11,012人 | 9,099人 | 4,982人 | 1.8倍 | 3.1倍 | 572人 |
| 令和9年度(2026夏) | 3,405人 | 10,728人 | 8,966人 | 4,586人 | 2.0倍 | 3.2倍 | 821人 |
※令和9年度採用の受験者数・名簿登載者数・倍率は、2026年9月30日(水)午前10時の最終合否発表と同時に公表された値です。令和4年度〜6年度採用はスポーツ・文化・芸術特別選考(各5名)を除く数字、令和7年度〜9年度採用はキャリア採用選考の主任教諭合格者を含む数字です(各年度の資料の注記による)。
出典:東京都教育委員会「令和3年度〜8年度東京都公立学校教員採用候補者選考 結果」各年度版、「令和8年度…応募状況」
読み取れることは3つです。①応募者は9,400〜11,000人の間でほぼ横ばい——東京都は志願者の「減り続ける自治体」ではありません。②採用見込者数が2,635人(R4)から4,005人(R7)へ1.5倍に増え、そこから3,405人(R9)まで2年連続で縮小。③その結果、倍率は3.2倍→1.6倍まで下がったあと、1.6→1.7→1.8→2.0倍とゆるやかに戻しています。
もうひとつ注目したいのが右端の期限付任用教員採用候補者名簿の人数です。1,305人(R4)→572人(R8)と半分以下に減りました(令和9年度採用は821人)。これは実施要綱で「不合格となった者のうち成績が上位で、希望する者」を登載するとされている名簿なので、名簿登載(=合格)に届く人が増えた年は、こちらが減るという傾向が数字の上では見て取れます。名簿登載者が減った令和9年度採用では、期限付任用名簿が572人→821人に増えました。
校種別の倍率推移(令和4年度〜9年度採用)
| 校種等 | R4 | R5 | R6 | R7 | R8 | R9 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小学校全科 | 2.3 | 1.4 | 1.1 | 1.2 | 1.2 | 1.2 |
| 中学校・高等学校共通 | 4.4 | 2.9 | 1.8 | 2.0 | 2.1 | 2.3 |
| 小学校・中学校共通 | 3.2 | 2.1 | 1.6 | 1.4 | 4.0 | 2.5 |
| 小・中・高等学校共通 | 2.1 | 1.6 | 3.5 | 3.6 | 4.1 | 4.2 |
| 中学校 技術 | 1.4 | 1.4 | 1.3 | 1.2 | 1.1 | 1.1 |
| 高等学校 | 2.8 | 2.5 | 1.6 | 2.5 | 2.3 | 2.2 |
| 特別支援学校 | 2.8 | 1.4 | 1.3 | 1.3 | 1.2 | 1.3 |
| 養護教諭 | 6.7 | 5.3 | 5.8 | 7.2 | 6.2 | 9.3 |
| 合計 | 3.2 | 2.1 | 1.6 | 1.7 | 1.8 | 2.0 |
※単位は「倍」(受験者数÷名簿登載者数=東京都の公表倍率)。R4=令和4年度採用(2021年夏実施)…R9=令和9年度採用(2026年夏実施)。保健体育は令和6年度採用から「中学校・高等学校共通」ではなく「小・中・高等学校共通」の区分に移っています。そのため、この2行はR5とR6の間で数字の中身が入れ替わっている点にご注意ください。
出典:東京都教育委員会「選考結果」各年度版
小学校全科:2.3倍→1.1〜1.2倍で、令和6年度採用以降4年連続の横ばい。応募者は2,600〜3,100人台の範囲で安定しており、東京都で最も門戸が広い区分のひとつです。
中学校・高等学校共通:R4の4.4倍から1.8倍まで下がり、令和7年度採用は2.0倍、令和8年度採用は2.1倍、令和9年度採用は2.3倍です。教科別に見ると差が大きく、令和8年度採用では音楽4.9倍・社会(地理歴史)4.0倍・社会(公民)3.3倍が高く、物理1.2倍・化学1.2倍・英語1.4倍・生物1.4倍・数学1.6倍が低いという結果でした。
小・中・高等学校共通(保健体育・家庭):令和6年度採用に保健体育がこの区分へ移って以降、3.5→3.6→4.1→4.2倍と上がり続けています。令和8年度採用の保健体育単体は5.4倍(令和9年度採用は6.1倍)で、東京都で最も厳しい教科のひとつです(家庭は1.2倍)。
特別支援学校:採用見込が180人(R4)→580人(R7)→410人(R9)と大きく動く一方、応募は600人前後で安定。倍率は2.8倍→1.2倍(令和8年度採用)まで下がったあと、令和9年度採用は1.3倍です。令和8年度採用の中学部・高等部(音楽・美術・家庭は小学部・中学部・高等部の区分)は国語1.5倍・社会1.3倍・数学1.2倍・理科1.1倍・英語2.0倍・保健体育1.2倍・音楽1.1倍・美術1.0倍・家庭1.0倍で、他校種で高倍率の教科でも特別支援なら1倍台という構図がはっきり出ています。
養護教諭:応募は令和4年度採用757人から令和5年度採用754人にいったん減り、その後増えて令和9年度採用1,113人となった一方、採用見込は60〜120人。倍率は令和4年度〜8年度採用で5.3〜7.2倍、令和9年度採用は9.3倍(受験951人・名簿登載102人)で、令和9年度採用では東京都で最も倍率が高い区分でした。

応募倍率は応募者数と採用見込者数、選考結果の倍率は受験者数と名簿登載者数によって変わります。倍率の数字だけを見て一喜一憂するより、自分の校種・教科で受験する年度は何人採るのかを見るほうが、はるかに正確に状況をつかめますよ!
大学3年生前倒し選考の通過率は80.8%|大学3年生から受けられる一次の一部免除ルート
東京都の倍率を読むうえで見落とせないのが、大学3年生前倒し選考(3年次受験)です。大学3年生のうちに教職教養と専門教養だけを受験し、基準を満たせば「選考通過者」となり、翌年の選考(同じ校種等・教科等で改めて申し込みます)でこの2科目が免除されます(実施要綱より)。
| 実施年度 | 受験者 | 選考通過者 | 通過率 | この人たちが受ける選考 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度実施(2025年夏) | 3,475人 | 2,809人 | 80.8% | 令和8年度選考(9年度採用)の4年次受験 |
| 令和8年度実施(2026年夏) | 3,420人 | 2,762人 | 80.8% | 令和9年度選考(10年度採用)の4年次受験 |
令和8年度実施の校種別通過率は、小学校全科91.2%(1,173人→1,070人)、中高共通および小中高共通76.6%(1,772人→1,358人)、特別支援学校93.3%(90人→84人)。前年の令和7年度実施では、養護教諭86.5%(267人→231人)、高等学校72.2%(54人→39人)、中学校技術100%(12人→12人)という結果でした。9月30日の選考結果では、前年の前倒し選考を通過して4年次に受験した「3年生前倒し通過者選考」は受験2,234人・名簿登載1,447人(前年は受験2,062人・名簿登載1,440人)でした。
※出典:東京都教育委員会「令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考『大学3年生前倒し選考(3年次受験)』の結果について」(2026年8月4日公表)、令和8年度実施要綱巻末「令和7年度大学3年生前倒し選考結果」

通過率は約8割です。翌年に同じ校種等・教科等で「3年生前倒し通過者選考(4年次受験)」へ改めて申し込み、教職教養と専門教養の免除を受けられるのは、本当に大きなアドバンテージ。私自身、大学2回生のときに「学校の先生になる」と腹を決めて、そこから模擬授業と面接の練習を始めました。なりたいと思った時から、なるための行動を始める——東京都は制度がそれを後押ししてくれています。
東京都には前倒し選考のほかにも、正規任用教員経験者・臨時的任用教員経験者・大学推薦・東京教師養成塾生など、一次選考の一部または全部が免除される選考区分がたくさんあります。ルート別の要件と実績は専用記事にまとめました。
■ 東京都の特例選考・特別選考と一次免除ルート|大学3年生前倒し・大学推薦・カムバック採用・臨任経験者・社会人
「不合格でも名簿に載る」期限付任用教員採用候補者名簿
東京都には、他の自治体の「補欠」に近い、しかし少し性格の違う制度があります。実施要綱には次のように書かれています。
- 選考の結果不合格となった者のうち成績が上位で、希望する者を「期限付任用教員採用候補者名簿」に登載します。ただし、特例選考⑥(免許取得期間猶予の対象者)のうち令和9年4月2日以降に免許を取得する見込みの人は対象外です(希望の有無は受験申込時に選択。合否には影響せず、申込受理後は変更不可)。
- 名簿登載期間は令和9年4月1日から令和10年3月31日までの1年間。令和9年5月1日以降は臨時的任用教員採用候補者名簿にも登載される。
- 期限付任用教員の勤務内容は正規教員と全く同様。授業だけでなく学級担任・校務分掌も担当する(時間講師とは異なる)。任用期間は最長1年。
- 令和9年度採用では、令和7年度実施の選考で期限付任用教員採用候補者名簿に登載された人は、同じ校種等・教科(科目等)で特例選考⑤に申し込むと第一次選考が免除されます(任用の有無は問いませんが、名簿から削除された人は対象外)。令和8年度実施の登載者に対する翌年度の扱いは、令和10年度採用の実施要綱で確認してください。
※出典:令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考(9年度採用)実施要綱「第5-2 採用候補者名簿への登載等」「第1-2 特例選考」
登載者数は、令和4年度採用1,305人→5年度1,035人→6年度671人→7年度589人→8年度572人→9年度821人。応募時に「希望する」を選び、成績が上位で名簿に登載された場合に、翌年の一次免除につながる可能性があるルートです(翌年度の扱いは、その年度の実施要綱で確認してください)。
倍率との付き合い方|数字は変えられないが、準備は変えられる
ここまで見てきたように、東京都の倍率は採用見込者数や名簿登載者数の増減でも動きます。つまり自分の力では変えられない要因です。私自身は、倍率が高い年ほど「これで受かったらすごい」と前向きに捉えるようにしています。そのうえで、自分がコントロールできる準備に集中していきましょう。1分のショート動画にまとめています。
そして東京都の場合、数字の上での勝負どころははっきりしています。第一次選考は教職教養・専門教養・論文それぞれに合格最低基準点があり、基準点以上を取った人のうち高得点の人から順に合格になります(実施要綱)。受験対象の各科目の合格最低基準点を満たす必要があります。さらに専門教養では、小学校全科、国語、社会、理科、保健体育、農業、工業、特別支援学校(自立活動を除く)など、要綱で指定された校種等・教科に分野別最低基準点があります。免除科目やSPI3への代替は選考区分によります。そして二次は個人面接1本(一部教科は実技あり)です。
■ 東京都の論文(小論文)|70分・1,050字以内の出題テーマ5年分と書き方(受験者報告つき)
■ 東京都の個人面接|過去問200問・3年分の実録と傾向対策
■ 東京都の場面指導|実録3年分のテーマと「面接質問系」の答え方
よくある質問
Q. 令和9年度採用の一次の倍率はいつ分かりますか?
A. 令和9年度採用の「選考結果」は最終合否発表日(令和8年9月30日水・午前10時)に公表され、受験者数・名簿登載者数が掲載されています。確認できた範囲では、この結果資料に第一次選考の合格者数は載っていません。第一次選考の合格発表そのものは令和8年8月4日(火)午前10時に行われますが、この時点で出るのは受験者本人への通知と、ポータルサイトへの合格者受験番号の掲載だけです。令和9年度採用の選考結果は9月30日に公表され、この記事の表に反映しています。
Q. 「合格」と「名簿登載」は違うのですか?
A. 東京都では合格=東京都公立学校教員採用候補者名簿への登載です。名簿登載期間は原則1年間(令和9年4月1日〜令和10年3月31日)で、この期間中に区市町村教育委員会または都立学校での面談等を経て採用が決まります。専修免許状の取得が可能な大学院へ進学・在学する場合は、所定の修業年限(上限3年)で修了し、延長後の名簿登載期間終了までに受験資格に必要な専修免許状を取得する等の要件を満たして申請すると、名簿登載期間を延長できます(令和9年度採用から、対象大学院が専修免許取得可能な大学院すべてに拡大されました)。令和9年4月1日時点で受験校種・教科の有効な免許状が必要です。また、特例選考⑥で延長をあらかじめ希望していた場合も延長できます。
Q. 倍率が低い校種は「受かりやすい」と考えていい?
A. 半分は正しいです。特別支援学校(応募倍率1.6倍)や小学校(2.4倍)は数字のうえでは門戸が広いのですが、東京都の第一次選考には科目ごとの合格最低基準点があります。倍率が低くても「基準点を割れば不合格」という設計なので、筆記と論文をまんべんなく仕上げる必要があります。
Q. 東京23区の学校を受けたい場合、別の試験ですか?
A. いいえ。東京都は区市町村立小中学校の教員も都が一括して採用します(政令指定都市のような別実施はありません)。実施要綱の「名簿登載者の主な配属先」によると、小学校で合格した人の配属先は区市町村立小学校(特別支援学級等を含む)・都立小学校・区市町村立義務教育学校・区立特別支援学校(小学部)など。中高共通なら区市町村立中学校・都立中学校・都立高等学校(全日制/定時制/通信制)・都立および区立中等教育学校です。なお、配属先には都外や島しょ地区の学校が含まれる場合があります(令和9年度採用の実施要綱で確認してください)。
Q. 不合格になったとき、成績は教えてもらえますか?
A. 受験申込時に「選考結果の情報提供希望」で「希望する」を選んでおくと、不合格者には総合成績による不合格ランク(Ⅰ〜Ⅲ)が選考結果通知書で知らされます(大学3年生前倒し選考の3年次受験者は通知対象外)。期限付任用教員採用候補者名簿に登載された人には、同様に期限付名簿登載者ランク(Ⅰ〜Ⅲ)が通知されます(実施要綱より)。次の受験に向けた作戦を立てるうえで役に立つので、申込時に忘れず選択しておいてください。
Q. 二次の倍率だけを知りたいのですが。
A. 確認できた範囲では、東京都の選考結果資料に第一次選考の合格者数が載っていないため、二次単独の倍率は算出できません。公表されているのは「受験者数(結果資料の公表値)」と「名簿登載者数(=最終合格)」だけです。この記事で二次倍率を書いていないのはそのためで、推定値は載せない方針です。
この記事は受験者の皆さんの報告で育ちます
倍率は公表資料で追えますが、「実際に面接で何を聞かれたか」を知るために受験者の報告を集めています。論文の過去問は東京都の公式サイト等でも公開されています。東京都を受験された方は、ぜひこれから受験する方のために教えてください。ご報告いただいた方には、お礼に「合格発表のあとどうなる?」ガイド(PDF)をお渡ししています。
あわせて見たい動画
この記事のような公表データと実際の受験者情報をもとにした教採対策を、メルマガ&LINEでさらに詳しくお届けしています! いま登録すると、メルマガ・セミナー・過去問を含む豪華11大特典をプレゼント中です。
- 【多数の合格者が愛読】教採メルマガ
- 一発合格を勝ち取る極意セミナー
- 【6ヶ月で合格する】ロードマップセミナー ←次の受験に向けた計画づくりに◎
- 【厳選】面接質問TOP50
- 【早期登録者限定】シークレット特典
- あなたに必要な対策診断 ←自分の校種・状況に合わせて◎
- 教採に受かる人の15の習慣
- 【無料版】教員採用試験必勝ノート
- 【全国版】集団討論過去問
- 【全国版】小論文テーマ集
- 【全国版】場面指導テーマ集
「メルマガ登録」&「LINE友だち追加」ですぐに受け取れます
YouTubeでも教採対策を発信しています! ■金井志津乃のYouTubeチャンネル



