【教員採用試験】栃木県の個人面接|実録3年分・受験者12名の質問と5年間の出題傾向(二次は個人面接①②の2回)

こんにちは、金井志津乃です! 

栃木県の二次って、面接が2回あるんですよね? しかも面接官が6人の評価で合否が決まるって聞いて、どう準備すればいいのか分からなくて……

そうなんです。栃木県は「個人面接①②の2回・面接委員は合わせて6名」で、その6名の評価そのものが合格候補者の要件として選考基準に書かれている、「採点のしくみが見える」自治体です。だからこそ、逆算した準備が効きますよ!

この記事では、栃木県公立学校新規採用教員選考試験第2次試験の個人面接①②について、実際に受験した方々からご提供いただいた「生の質問」3年分をもとに、内容・流れ・傾向と対策をまとめます。

この記事の根拠

  • 令和9年度採用(2026年夏実施)の受験者報告1件を追加収録
  • 令和6年度〜8年度採用(2023〜2025年夏実施)の受験者12名・約120問の実録を年度別・校種別に収録(すべて無料で読めます)
  • 市販の全国版過去問集4年分(令和4年度〜7年度採用)の栃木県分249問を独自に集計・分析——栃木県に特有の出題のかたよりがデータで分かります
  • 日程・形式・評価の観点・合格候補者の要件は令和9年度採用の選考要項・選考基準と照合済み
  • 執筆:金井志津乃(高校地歴の教員採用試験に新卒合格・高校教員として6年半勤務・教採スクール「教員の学校」運営・YouTubeチャンネル登録者1.7万人・大学講演・教採専門誌「教員養成セミナー」への執筆経験)
令和9年度採用(2026年夏実施)|選考の日程

電子申請:4月3日(金)〜5月7日(木)/願書等の郵送:5月7日(木)消印有効
第1次試験(学力試験):7月5日(日)/第1次試験結果通知:8月上旬頃
第2次試験(個人面接①②):8月20日(木)〜22日(土)のいずれか1日
第2次試験(論作文・高校/特別支援/養護(高・特)のみ):8月20日(木)午前
第2次試験(実技・一部の教科):8月23日(日)/第2次試験の合格者受験番号の発表:9月25日(金)15時(県教委HPに掲載。全受験者に結果通知を郵送)

一次の結果は8月上旬頃、二次の面接は8月20日からでした。令和9年度採用の日程では、準備期間は2週間ほどです。しかも面接の集合時間は一次結果発表時に県教委ホームページに掲載され、開始時刻は当日の受付で本人に伝えられます。発表を待ってから対策を始めると、間に合わない場合があります。※令和10年度採用の日程は、令和10年度採用の実施要項でご確認ください。
出典:令和9(2027)年度栃木県公立学校新規採用教員選考要項

お読みいただく前に

この記事は各自治体の実施要項等をもとに記載しています。ただし、日程や制度の変更、こちらの見落としがないとは言い切れません。最後は必ず、各自治体の実施要項をご自身でご確認ください。

目次

面接の形式|30秒でわかる基本情報

形式個人面接①と個人面接②の2回(選考基準に明記)。受験者報告では「部屋は別」。第2次試験を受ける全校種・全区分が対象(大学3年生を対象とした特別選考は第2次試験なし)。
個人面接①「総合的な資質・能力に関する面接」。面接委員は民間企業の人事担当者等、行政職員を含む3名/1人15分〜20分程度/評価の観点は主として人間性・協調性・堅実性。
個人面接②「実践的な指導力に関する面接」。面接委員は教育行政職員3名/1人15分〜20分程度/評価の観点は主として指導力・対応力・判断力。
評価①②それぞれABCDEの5段階で総合評価。合格候補者の要件は「面接委員合計6名」の評価で判定される(下の枠で解説)。
場面指導選考要項・選考基準に記載はありませんが、受験者報告では個人面接②の中で実施されています。考える時間30秒→3分の実演というパターンが複数(面接委員が子ども役・保護者役になるロールプレイ型と、学級全体に語りかける一斉指導型の両方あり)。
論作文高等学校教諭・特別支援学校教諭・養護教諭(高・特)の志願者のみ。8月20日午前・50分・600〜1,000字。評価の観点は課題把握・実践意欲・文章構成(書き方はこちら)。
実技8月23日。中学校=音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語/高校=音楽・保健体育・家庭・英語・情報・電気・機械・建築。各100点満点。ただしB-2Ⅲの保健体育・B-3・C-5は実技免除です。A-1は障害の種類に応じ、実技試験等の免除・軽減が行われる場合があります。
質問の元ネタ栃木県の願書には「自己PR欄」がなく、代わりに「クラブ・部・ボランティア活動等歴及び職歴調書」と「履歴書」が面接官の手元にあると考えられます。報告でも「履歴の確認」「履歴書に書いた資格について」といった質問が繰り返し出ています(書き方はこちら)。

※出典:令和9(2027)年度栃木県公立学校新規採用教員選考基準・選考要項。
場面指導の実施方法は受験者報告にもとづく情報です。

ここが栃木県|「合格候補者の要件」が公表されている

栃木県は選考基準の中で、第2次試験の合格候補者の要件を、原則として次のように示しています。二次試験の結果や免許取得状況等を総合的に検討して合否が決まります。

  • 個人面接(個人面接①②の面接委員合計6名による評価)
    ①D又はEの評価を受けていない者の中で、面接委員の3名以上からA又はBの評価を受けた者
    ②1名のみDの評価を受けた者の中で、面接委員の4名以上からA又はBの評価を受けた者
  • 論作文:2名からCの評価を受けていない者/実技試験:得点が50点以上の者

この要件が示していることは2つです。ひとつは「Dを1つでも減らすこと」が最優先だということ。Dが2つ付くと、原則として示された候補者要件から外れます。もうひとつは「6名中3名以上のAかB」=半分の面接官に好印象を残すことが基本線だということ(Dが1名付いた場合は4名以上のAかBが必要です)。全員に満点を取りにいく必要はありません。
出典:令和9(2027)年度栃木県公立学校新規採用教員選考基準

回よくある構成(実録より)対策の軸
個人面接①
総合的な資質・能力
アイスブレイク(緊張していますか・面接練習はしましたか)→志望動機/自己PR→履歴・職歴の確認と深掘り→教員の資質能力→服務・不祥事→社会や行政のニュース民間の人事担当者・行政職員が入るので、「学校の外の人にも伝わる言葉」で。願書の活動歴・職歴調書に書いた項目は説明できるように。
個人面接②
実践的な指導力
場面指導(30秒構想→3分実演→追質問)→授業づくり・観点別評価・ICT→学級経営→保護者対応→同僚との関係教育行政職員3名。「あなたなら明日、教室で何をするか」を具体で。実演と口頭説明の両方を練習する。

①と②は見ている観点が大きく違います。①は「人として一緒に働きたいか」、②は「教室で機能するか」を見ていると考えられます。同じ回答を2回するのではなく、①は人柄と姿勢、②は具体的な手立てと、軸を変えて準備してください。当日の入室から退室までの流れは、この実演動画が一番早いですよ!

形式は令和7年度採用で大きく変わりました

過去問を調べていると、栃木県について「集団討論がある」という古い情報に当たります。受験者報告を年度順に並べると、切り替わった時期がはっきり見えます。

時期個人面接集団論作文
令和6年度採用まで
(2023年夏実施まで)
面接官4名・20分を1回(民間企業の人事担当者、教員以外の行政職員を含む)集団討論/集団面接あり。面接官4名・1グループ6〜11人・40〜50分程度。観点は協調性・対応力・堅実性。全校種で実施(受験者報告では小・中学校の受験者も受験)
令和7年度採用から
(2024年夏実施から)
個人面接①②の2回・各3名・各15〜20分程度・部屋は別報告なし(令和9年度採用の選考要項・選考基準にも記載なし)高校・特別支援・養護(高・特)のみ

令和6年度採用までの合格候補者の要件は「個人面接と集団討論を合わせて8名中4名以上からA又はB、作文で2名からC評価を受けないこと」と報告されており、「面接委員の人数分の評価で決める」という考え方は変わっていません。変わったのは、集団での評価がなくなり、その分が個人面接2回に置き換わったことです。※令和6年度採用までの形式は受験者報告にもとづく情報です(当時の要項は本記事では確認していません)。

栃木県の倍率|令和9年度採用は3.0倍、前年の令和8年度採用は2.9倍まで下がっていました

栃木県教育委員会が公表した令和8年度採用の結果です。栃木県の倍率の定義は「最終受験倍率=受験者数÷最終合格者数」(教委の公表定義)。令和8年度採用(2025年夏実施)は受験者1,706人・最終合格593人・倍率2.9倍で、前年から0.8ポイント下がりました。

区分受験者最終合格者最終受験倍率
小学校588人289人2.0倍
中学校(合計)534人164人3.3倍
養護教諭(小中)106人21人5.0倍
高等学校(合計)359人76人4.7倍
特別支援学校(合計)109人42人2.6倍
養護教諭(県立)10人1人10.0倍
総合計1,706人593人2.9倍

※出典:栃木県教育委員会「令和8(2026)年度栃木県公立学校新規採用教員選考試験の結果について」。
倍率=受験者数÷最終合格者数(教委の定義)。受験者数には第1次試験免除者を含みます。

令和9年度採用(2026年夏実施)の応募者は1,712人(前年比45人減。大学3年生を対象とした特別選考を除く)。これとは別に大学3年生を対象とした特別選考に558人(前年比134人増)が応募しています。栃木県は一次試験の合格者数を集計値では公表しません。令和9年度採用の第2次試験合格者の受験番号は9月25日(金)15時に県教委ホームページへ掲載され、同じ日に更新された「合格状況」ページで「令和9(2027)年度新規採用教員選考試験結果一覧」も公表されました。受験者1,649人・最終合格者542人・最終受験倍率3.0倍(前年2.9倍)です。

■ 栃木県の倍率|令和9年度採用の最終結果と6年間の推移(校種別・教科別)
■ 栃木県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生・大学推薦・講師等経験者・現職教諭・加点制度

① 志望動機・自己PR|自己PRを口頭で求められる報告があります

栃木県の願書には自己PR欄がありません。にもかかわらず、面接で「自己PRをしてください」と口頭で求められる報告があります(時間の指定があった報告は、収録した範囲では確認できません)。私たちが確認できた過去問の範囲でも、「自己PR・長所短所」の質問は全国と比べて多めの傾向でした。受験者の報告では、実際に以下のような質問がありました。

  • 志望動機を教えてください。/自己PRをしてください。(この2つについて、そのまま詳しく深掘りされていくという報告)
  • 栃木県を志望した理由を教えてください。/現在は他の自治体に住んでいますが、なぜ栃木県を志望するのですか。
  • 栃木の教育について教えてください。/なぜ中学校なのですか。
  • 教員という多忙な仕事を、なぜ志望したのですか。/教員は大変だと報道されていますが、なぜ教職を志望するのですか。
  • 大学卒業後の進路と、現在の仕事の内容について教えてください。→ すぐに教員にならなかった理由と、今、教員採用試験を受験した理由を教えてください。
  • 10年後、あなたはどんな教師になっていたいですか。/理想の教師像を教えてください。
  • 自分が教員に向いていると感じることは何ですか。/あなたが教師として向いている点は何ですか。
  • 面接を待っている間、どんなことを考えていましたか。/昨日は眠れましたか。/緊張していますか。/面接練習はしましたか。

「面接を待っている間、どんなことを考えていましたか」「昨日は眠れましたか」はアイスブレイクに見えて、最初の評価につながっている可能性がある質問です。ここで硬い受け答えをすると、その空気のまま15分が進んでしまうこともあります。肩の力を抜いて、素直に一言——これだけで最初の印象が変わります。

志望理由は、実演のbefore・afterで見るのが一番わかりやすいです。

② 願書・履歴書からの深掘り|「書いたことは説明できるように」

栃木県の面接官の手元にあると考えられるのは、教員選考願書(得意とする教科・特技・クラブ・部・ボランティア活動等歴及び職歴調書)と履歴書です。履歴書は小学校入学以後を空白期間なく書くことになっているため、経歴のすべてが質問の材料になります。

  • 履歴の確認(学歴・講師歴)から面接が始まった、という報告が複数。
  • 履歴書に書いてある資格について、具体的にどのような業務をするのですか。
  • 大学の学部と受験する教科の関連が薄いように見えますが、なぜこの教科の教員になりたいのですか。(2年分の報告に登場)
  • 講師経験の中で、生徒はどのように変わってきましたか。最初の頃と比べて教えてください。
  • 講師経験の中で辛かったこと、大変だったことはありますか。/学校現場を一度離れていた理由を教えてください。
  • 他校種で講師をしていますが、その校種で働くことになってもよいですか。
  • 卒業後にボランティアを始めた理由は何ですか。→ 学校での学習は学校で完結すべきではないですか。(切り返し型の深掘り)
  • 学生時代のリーダー経験で得たことは何ですか。/部活動は何をみていますか。どんなことを大事にしていますか。
  • 海外での経験で学んだことは何ですか。/これまでの人生で最もピンチだったことは何ですか。/挫折経験を教えてください。
  • これまで合格できなかった理由と、そのためにどのような行動を取ってきましたか。
  • 趣味は何ですか。→ 自分らしさを感じる時はいつですか。/休日の過ごし方を教えてください。/苦手なことは何ですか。
  • 仕事を進める際は、コツコツ進めるタイプですか、まとめて一気にやるタイプですか。
  • 勤務地に希望はありますか。/勤務地の確認と、特別支援学校への配属の了承(面接の最後に確認されるという報告)。

「勤務地の確認」と「特別支援学校配属の了承」は、面接の最後に事務的に確認されるものですが、迷わず答えられるよう準備しておくと安心です。願書・履歴書の書き方と「どこを深掘りされるか」は、専用記事に整理しました。

■ 栃木県の願書・自己推薦書の書き方|面接で深掘りされる欄を実録から逆算

③ 授業づくり・教育観|個人面接②の本丸

個人面接②「実践的な指導力に関する面接」で中心になるのが、授業と学級経営です。栃木県の出題は「理念を語らせる」より「あなたはどうしているか/どうするか」を聞くのが特徴で、特に高校の受験者には教科に踏み込んだ質問が来ます。

  • 観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」「思考・判断・表現」を、それぞれどのように工夫していますか。
  • 授業でICT機器をどのように使っていますか。/授業でICTをどのように使いますか。
  • あなたの教科は人生でどのように役立ちますか。→ そのことを授業でどのように指導していますか。具体的な題材を取り上げて話してください。
  • 理想の授業とは何ですか。/主体的・対話的な授業とは何ですか。/教育的愛情とは何ですか。
  • 他教科との合科授業で思いつくのは何ですか。/総合的な探究の時間では、あなたの教科としてどのようなことができますか。
  • 座学はつまらないというデータがありますが、どのように授業をしていきますか。/あなたの教科が苦手な子供にはどう教えますか。
  • 発達障害のある子が授業に参加できるように、どのようなことをしていきますか。
  • 子どもの良さを伸ばすために、どのようなことをしていきますか。/子供の自己肯定感を高めるにはどうしますか。
  • どんなクラス(学級)にしたいですか。/確かな学力の中で、あなたが大切にしていることは何ですか。
  • クラスで少数派になりやすい生徒とは、どのような生徒だと思いますか。
  • 近年感じる生徒の課題は何ですか。/コロナ禍とコロナ禍前で変わったところはどこですか。子どもたちの変化は何ですか。
  • 校則についてあなたはどう考えますか。/指導する立場になると思いますが、「指導」とは何ですか。
  • 教員の資質能力の向上のためにしていることは何ですか。→ 具体的にどんなことですか。→ そう実感したのはどんなときですか。(令和6年度採用の複数の報告に登場)

「教員の資質能力の向上のためにしていること」は、栃木県で令和6年度採用の複数の報告に出ている質問です。読書や研修だけで終えず、「やってみて、こういう変化があった」までセットで話せると、②の観点「指導力」に直結します。ICTと自己肯定感は、実演のbefore/afterを見ておくと言葉が出てきますよ。

④ 服務・不祥事|「わいせつ」「LINE」まで踏み込まれる

栃木県の服務に関する質問は、確認できた範囲では出題数そのものは全国と同程度ですが、聞かれ方が具体的です。「不祥事についてどう思うか」で終わらず、種類を挙げさせ、その種類に沿って追質問が続きます。

  • 教員の信用失墜行為には何がありますか。→(種類を答えると)その不祥事を起こさないためにすべき対応は何ですか。
  • もし「LINEを交換して」と生徒に言われたらどうしますか。→ どうしてもと強く言われたときはどうしますか。
  • 不祥事についての考えと、対策を教えてください。/教員の不祥事について教えてください。
  • 教員は公務員ですが、求められることは何ですか。
  • 教育以外の行政のニュースで気になっていることはありますか。/最近気になるニュースは、教育にどう生かされますか。
  • 少子化が進むと、どんな影響がありますか。/教育界の課題を教えてください。

ポイントは、自分が挙げた不祥事の種類に、自分で責任を持つことです。ある受験者は「わいせつ行為」と答え、そこから「わいせつ教員にならないために」「LINEを交換してと言われたら」「どうしてもと強く言われたら」と3段階で追質問されています。自分が最初に出した言葉が、次の質問を作る。これが、報告されている栃木県の面接の進み方の一例です。

不祥事の質問は、他人事で語ると追い込まれやすくなります。「制度としての対策」+「自分の弱いところ」の両方をセットにしてください。たとえばSNSなら「学校のルールに従い、私的な連絡先は交換しない」だけでなく、「私は生徒との距離が近くなりやすいので、相談は必ず職員室で複数の目のあるところで受ける」まで言えると、一気に説得力が出ます。

⑤ 保護者対応・同僚との関係・働き方

栃木県は保護者対応の出題が、確認できた範囲では全国と同程度ですが、場面指導のテーマとしても保護者対応が繰り返し出ているため、実質的な比重は出題数だけで見るより高めと考えられます。

  • 保護者はどんなことを求めていると思いますか。/保護者から信頼される教師とは、どんな教師ですか。
  • 保護者からの過度なクレームにどう対応しますか。
  • 勉強がやりたくないと子どもが言っていたり、保護者も勉強させなくていいという思いをもっていたりした場合、どうしますか。
  • 他の教職員との連携をどのように行っていますか。/同僚など意見が対立した時、どのように折り合いをつけますか。
  • 上司と意見が対立する時は、どのような対応を取りますか。/教員、生徒と意見が食い違った時はどうしますか。
  • あなたが嫌いなタイプはどのような人ですか。
  • 教員の多忙化についてはどう考えますか。/教員は忙しい中で、どのように教材研究をしていくつもりですか。
  • 教員のワークライフバランスについて、心掛けている点は何ですか。
  • 部活動の地域移行(スポーツクラブへの移行)をどのように考えますか。部活動でやらせるべきですか。

「嫌いなタイプは?」「上司と対立したら?」のように、受験者の人間性の輪郭を測る質問が出るのは、個人面接①に民間企業の人事担当者が入っていることと関係があると考えられます。取り繕った優等生の答えより、「こういう人は苦手だが、こう関わるようにしている」という具体が効きやすいと考えられます。

⑥ 場面指導|30秒構想→3分実演が中心(養護教諭は報告で時間が異なる)。反論してくる相手役つき

栃木県の場面指導は、選考要項・選考基準には書かれていませんが、個人面接の中で実施されたという報告が令和6・7・9年度採用の3年分そろっています。おおまかな流れは次のとおりですが、構想・実演の時間には報告による違いがあります(養護教諭の報告は後述)。

  1. 面接委員から場面が示される
  2. 30秒の構想時間(養護教諭の報告では30秒〜1分程度)
  3. 3分の実演(養護教諭の報告では1分程度〜5分程度)。面接委員1名が生徒役・保護者役になるロールプレイ型と、学級全体に語りかける一斉指導型の両方の報告があります。
  4. ロールプレイ型では、相手役から反論が返ってきます。「学校の内容は塾でやった内容だからつまらない」「前の授業では、他の子が内職をしていた」など。
  5. 実演後に「一斉指導で意識したことは何ですか」など、自分の指導を振り返らせる追質問

実際に出題されたテーマです(受験者報告より)。

  • 【中学校】授業中、内職をしている生徒を注意したところ、理由として「塾のテストが近いため」と本人は言っています。どう指導しますか。(30秒構想→面接委員1名を生徒役に3分実演。生徒役から反論あり)
  • 【小学校】運動会の練習で児童が熱中症で倒れてしまいました。そのことで「なんでこんなに暑いのに練習をさせたんだ」と保護者から連絡がありました。対応してください。
  • 【中学校・保健体育】SNSのクラスグループから外された生徒の保護者からの連絡に対応しなさい。
  • 【小学校】教室に行ったら、飼っているメダカが死んでいました。児童Aが「Cが当番なのに餌をやらなかったから死んだんだ」と他の児童に聞こえるように騒いでいます。児童Aにどのように対応しますか。(考える時間30秒・ロールプレイ3分)
  • 【中学校】あなたは特別支援学級の担任です。保護者から「学級対抗リレーでうちの子は遅いので出たくないと言っています。運動会に出さないでください」と電話連絡がありました。どのように対応しますか。→ 続けて、クラス全体にこの呼びかけをしてください。→ クラスに夢を持てない生徒がいます。全体に語りかけてください。
  • 【中学校】あなたは2学年の担任になりました。学級開きの挨拶だと仮定して話してください。
  • 【中学校】清掃をしない子供について、どう全体指導をしますか。
  • 【中学校】個別指導と一斉指導の両方が出題された、という報告(テーマの記載なし)。→ 一斉指導で意識したことは何ですか。
  • 【養護教諭】小学校5年生の女子児童が、「私、痩せたいんだよね」と相談してきました。どのように対応しますか。(構想1分程度・面接官1人が生徒役のロールプレイ式・3〜5分くらい)
  • 【養護教諭】夏休み前の集会で、電子機器の使用に関する話をしてください。(構想30秒・生徒役なし・1分程度)

並べてみると、栃木県の場面指導には「保護者への対応」「学級全体への一斉指導」「児童生徒への個別指導」の報告があります。しかも同じ受験者に保護者対応と学級全体への指導を続けてやらせた報告もあります。市販の過去問集4年分でも、栃木県の場面指導として保護者対応(給食当番の白衣の扱いへの申し出など)と行事前の全体指導(運動会)が繰り返し収録されており、実録と傾向が一致していました。

相手役が反論してくる形式は、実は「言い負かす場」ではありません。反論は、あなたが事実確認をするか/子どもの気持ちを受け止めるかを見るためのものと考えられます。どんな場面でも崩れない3つのポイントを、まずこの動画で押さえてください。

栃木県のように「ロールプレイ型」と「一斉指導実演型」の両方が出る自治体では、形式ごとにコツが違うことを知っておくと安心です。3つの形式に分けて解説しています。

「内職」「清掃をしない」のように学習意欲・生活態度に関する場面が、栃木県の報告に出ています。背景の見立て方はこちらで。

⑦【参考】集団討論・集団面接(令和6年度採用まで)

令和9年度採用の選考要項・選考基準に集団討論の記載はなく、令和7年度採用(2024年夏)以降の受験者報告にも登場しません。ただ、栃木県が集団で何を見ようとしていたかは、いま個人面接②で問われる内容とつながっています。参考として残しておきます。

  • 【中学校】あなたの勤務する学校では、他者に伝える力や意欲が低い生徒が多いことが分かりました。これから学校においてどのような取り組みをしていくか、同僚の教員(受験生)と話し合いなさい。(3分の構想→3人グループで3分→6人で30分。司会・発表者・書記は話し合いで決定。自己紹介はせず番号で呼び合う)
  • 【中学校・保健体育】生徒のコミュニケーション能力を高めるための、学校としての取組について話し合いなさい。(最初の5分は小グループ→その後30分は全体)
  • 【小学校】あなたたちは同じ学校の教職員です。ICTの活用の仕方をもっと知りたいという教職員がいます。ICT推進プロジェクトのメンバーとして、この課題にどう取り組んでいくか、優先順位をつけてまとめなさい。(受験者9人・40分。司会者・記録者・発表者を立てるかは受験者に任される)
  • 【高校・地理歴史】生徒の学習意欲を高めるための学習評価のあり方について討論しなさい。
  • 【高校・保健体育】社会に参画するために、子供たちにどのような力を育み、判断力・実践力をつけさせるか討論しなさい。(11人・40分)

テーマが「コミュニケーション能力」「他者に伝える力」「ICT活用」「学習評価」に集中していることに注目してください。これらは、個人面接②で「主体的・対話的な授業とは」「観点別評価の工夫は」「授業でICTをどう使うか」として聞かれている内容と重なります。集団討論はなくなっても、栃木県が知りたいことは変わっていません。

なお、集団討論そのものの練習をしたい方には、全国140問超を集めた記事があります。

■ 教員採用試験の集団討論【過去問140問程度】

【2026年夏実施】令和9年度採用で実際に出た質問

令和9年度採用(2026年夏)の試験で実際に出た質問です。令和9年度採用の受験者から届いた報告を、追質問(→)までそのまま収録しています。

養護教諭|個人面接(受験者の報告では「人物に関する面接」「専門性に関する面接」の2回/面接官3人・各20分。選考基準の個人面接①②に当たると考えられます)

  • 〔人物に関する面接・1人目〕養護教諭を目指そうと思った理由は何ですか。
  • 小中学校を希望する理由は何ですか。
  • 特技について、今も続けているものはありますか。
  • 〔人物に関する面接・2人目〕地域と連携することについて、どのような取り組みができると考えますか。
  • 養護教諭は1人配置がほとんどですが、困ったときはどのように対処しますか。
  • 〔人物に関する面接・3人目〕小学校や中学校の児童生徒との関わり方について、どのようなことを意識しますか。
  • 小学校、中学校の児童生徒との関わりにおいて、あなたの強みはどのようなものですか。
  • 〔専門性に関する面接〕はじめに、先ほどの面接の自己採点とその理由を教えてください。
  • 〔専門性に関する面接・1人目〕場面指導(下の「養護教諭|場面指導」に収録)
  • 〔専門性に関する面接・2人目〕「とちぎの求める教師像」には「人間性豊かで信頼できる教師」とあります。あなたの考える「人間性豊かで信頼できる教師」とは、どのようなものか教えてください。
  • 〔専門性に関する面接・3人目〕(詳細は忘れたとの報告)どのような教育活動をしたいか、という内容の質問。

養護教諭|場面指導(専門性に関する面接の中で実施・2題/①は面接官1人が子ども役のロールプレイ)

  • 【場面指導】①小学校5年生の女子児童が、「私、痩せたいんだよね」と相談してきました。どのように対応しますか。(構想1分程度・面接官1人が生徒役のロールプレイ式・3〜5分くらい)
  • ②夏休み前の集会で、電子機器の使用に関する話をしてください。(構想30秒・生徒役なし・1分程度)

出典:当ブログの受験報告フォーム(2026年10月1日時点・この自治体の報告1件)。
校種までの表記とし、個人が特定されうる記述は除いています。

【資料編】年度別・校種別 過去問アーカイブ|実録3年分を収録

ここからは、受験者の報告を年度別・校種別に整理して収録します。個人が特定される経歴・固有のエピソードに関する質問は省略・一般化しています。

令和8年度採用(2025年夏実施)|1名の実録

高等学校・地理歴史

  • 大学の学部から見ると別の教科の方が向いていそうですが、なぜこの教科で受験するのですか。/今年1年の講師経験で学んだことは何ですか。/履歴書に書いてある資格について、具体的にどのような業務をするのですか。
  • 教員のワークライフバランスについて心掛けている点は何ですか。/校則についてあなたはどう考えますか。/他教科との合科授業で思いつくのは何ですか。/歴史上の人物で尊敬する人は誰ですか。
  • 上司と意見が対立する時は、どのような対応を取りますか。/あなたが嫌いなタイプはどのような人ですか。/趣味は何ですか。/仕事を進める際は、コツコツ進めるか、まとめて一気にやるか、どちらのタイプですか。
  • 【論作文】生徒指導の定義に示されている社会生活上の資質能力について、あなたはどのように考えているかを明らかにして、具体的に教員としてどのように取り組むか述べなさい。

令和7年度採用(2024年夏実施)|4名の実録

中学校・社会(特別支援学級担当に係る特別選考)

  • 【形式の報告】個人面接は①②に分かれ、各20分・合計40分。部屋は別。①は教員の資質能力に関する面接、②は場面指導。特別支援学級を志望していたため、特別支援に関する質問が多かった。
  • 【①】昨日は眠れましたか。/緊張していますか(肩の力を抜いてくださいね)。/面接練習はしましたか。/現在の勤務先の学級には何人の生徒がいますか。/なぜ教員を志望したのですか。/講師経験の中で辛かったこと、大変だったことはありますか。/学生時代のリーダー経験で得たことは何ですか。
  • 【①・服務】教員の信用失墜行為は何がありますか。→ わいせつ教員にならないためにすべき対応は何ですか。→ もしLINEを交換してと生徒に言われたらどうしますか。→ どうしてもと強く言われた時どうしますか。/少子化が進むとどんな影響がありますか。
  • 【②・場面指導】あなたは特別支援学級の担任です。保護者から「学級対抗リレーでうちの子は遅いので出たくないと言っています。運動会に出さないでください」と電話連絡がありました。どのように対応しますか。→ クラス全体にこれからこの呼びかけをしてください。→ クラスに夢を持てない生徒がいます。全体に語りかけてください。

中学校・社会

  • 【①】志望動機。/自己PR。(この2つについて詳しく質問されていく)/10年後あなたはどんな教師になっていたいですか。/不祥事についての考えと対策を教えてください。
  • 【②】場面指導(個別指導・一斉指導の両方)。→ 一斉指導で意識したことは何ですか。/どんな学級を作りたいですか。/主体的・対話的な授業とは何ですか。/教育的愛情とは何ですか。
  • 【別の受験者】志望動機。/栃木の教育について。/なぜ中学校なのですか。
  • 【別の受験者】清掃をしない子供についてどう全体指導をしますか。/【場面指導】あなたは2学年の担任になりました。学級開きの挨拶だと仮定して話してください。

令和6年度採用(2023年夏実施)|7名の実録

この年度までは「個人面接(面接官4名・20分)+集団討論/集団面接+論作文(全校種)」という形式でした。質問の中身は令和9年度採用の個人面接①②とつながっているので、そのまま収録します。

小学校

  • 教員という多忙な仕事をなぜ志望しましたか。/(学校以外で子どもに関わる仕事をしていたため)なぜまた学校で働こうと思いましたか。/発達障害の子が授業に参加できるように、どのようなことをしていきますか。/勉強がやりたくないと子どもが言っていたり、保護者も勉強させなくていいという思いをもっていたりした場合、どうしますか。/子どもの良さを伸ばすために、どのようなことをしていきますか。/コロナ禍とコロナ禍前で変わったところはどこですか。子どもたちの変化は何ですか。
    【場面指導】運動会の練習で熱中症で倒れてしまった。そのことで「なんでこんなに暑いのに練習をさせたんだ」と保護者から連絡があった。対応してください。
  • 【別の受験者・面接官4人/20分】
    【面接官1】志望動機。/論作文と討論の出来はどうでしたか。/【場面指導】あなたが教室に行ったら飼っているメダカが死んでいる。児童Aが「Cが当番なのに餌をやらなかったから死んだんだ」と他の児童に聞こえるように騒いでいる。児童Aにどのように対応しますか。(考える時間30秒・ロールプレイ3分)
    【面接官2】ここまでの経歴について、経緯を教えてください。/他校種で講師をしていますが、働くならその校種でもいいですか。/あなたが確かな学力の中で大切にしていることは何ですか。/他の教職員との連携をどのように行っていますか。
    【面接官3】理想の教師像を教えてください。/講師経験の中で理想の教師像に近い、お手本にしたい先生はいましたか。/小中時代に、あなたが実態に応じた支援を受けた経験はありますか。
    【面接官4】卒業してから学習支援ボランティアを始めた理由は何ですか。/学校での学習は学校で完結すべきではないですか。/ボランティア経験から、外国につながる児童にどんな支援をしていましたか。
    【面接官1】勤務地に希望はありますか。
    【集団討論】ICT推進プロジェクト(受験者9人・40分)/【論作文】ふるさとを大切にする心を育む取組。

中学校

  • 【形式の報告】面接委員は民間企業の人事担当者、教員以外の行政職員を含む4名。面接時間20分。評価の観点は主として指導力・堅実性・判断力。総合評価はABCDEの5段階。集団討論と合わせて8人中4人以上の面接官からA又はBの評価を得て、作文で2人からC評価をもらわないことが2次試験の合格候補者となる要件との説明があった。
  • 【面接官1】面接を待っている間、どんなことを考えていましたか。/栃木県を志望した理由を教えてください。/教員は大変だと報道されていますが、なぜ教職を志望するのですか。/現在、他自治体に住んでいますが、なぜ栃木県を志望するのですか。/大学卒業後の進路と、現在の仕事の内容について教えてください。/大学卒業後、教員にすぐにならなかった理由と、今、教員採用試験を受験した理由を教えてください。
    【場面指導】30秒の構想ののち、面接官1を生徒役に見立てて3分実演。「授業中、内職をしている生徒を注意したが、理由として、塾のテストが近いためと本人は言っている。どう指導しますか」(生徒役から「学校の内容は塾でやった内容だからつまらない」「前の授業では、他の子が内職をしていた」等の反論あり)
    【面接官2】国語の授業を実践するうえで何を意識していきたいですか。/教員は忙しい中で、どのように教材研究をしていくつもりですか。
    【面接官3】教員は公務員ですが、求められることは何ですか。/教育以外の行政のニュースで気になっていることはありますか。
    【面接官4】これまでの人生で最もピンチであったことは何ですか。
    【面接官1・2】海外での経験で学んだことは何ですか。/クラスで少数派になりやすい生徒とはどのような生徒だと思いますか。
    【集団討論】他者に伝える力(3分構想→3人で3分→6人で30分)/【論作文】共生社会・多様性。

中学校・保健体育

  • 【場面指導】SNSのクラスグループから外された生徒の保護者からの連絡に対応しなさい。/志望動機を教えてください。/履歴の確認。/教員の資質能力の向上のためにしていることは何ですか。→ 具体的にどんなことですか。→ そう実感したのはどんなときですか。/自分が教員に向いてると感じることは何ですか。/保護者はどんなことを求めていると思いますか。/趣味は何ですか。自分らしさを感じる時はいつですか。/指導する立場になると思いますが、指導とは何ですか。
    【集団討論】コミュニケーション能力(小グループ5分→全体30分)/【論作文】多様性を認め高め合う心を育む取組。

高等学校・地理歴史

  • 【形式の報告】試験時間20分・面接官4人(行政職員、教育委員会、保護者、民間人事)。冒頭に学歴と講師歴の確認、最後に勤務地の確認と特別支援学校配属への了承あり。
  • 【行政職員】大学の学部と受験教科の関連性が薄いと感じられますが、なぜこの教科の教員になりたいのですか。/教員になろうとしたきっかけは何ですか。
    【教育委員会】(前問を受けて)あなたの教科は人生でどのように役立ちますか。/それを授業でどのように指導していますか。具体的な題材を取り上げて話してください。/観点別評価の「主体的な態度」「思考・判断・表現」をそれぞれどのように工夫していますか。/授業でICT機器をどのように使っていますか。
    【保護者】あなたが教師として向いている点は何ですか。/保護者から信頼される教師とはどんな教師ですか。/子供の自己肯定感を高めるにはどうしますか。/近年感じる生徒の課題は何ですか。
    【民間人事】これまで合格できなかった理由と、そのためにどのような行動を取ってきましたか。/同僚など意見が対立した時、どのように折り合いをつけますか。
    【行政職員】勤務地の確認、特別支援学校の配属への了承。
    【集団討論】学習評価のあり方/【論作文】主体的な学びを支援するために自らの強みをどう生かすか。

高等学校・保健体育

  • 講師経験の中で、生徒はどのように変わってきましたか。最初の頃と比べて教えてください。/部活は何をみていますか。どんなことを大事にしていますか。/教員の資質能力向上にどう努めていますか。/保健体育が苦手な子供にはどう教えますか。/趣味はありますか。/休日の過ごし方を教えてください。/苦手なことは何ですか。/挫折経験を教えてください。/スポーツのニュースで気になることは何ですか。→ それは教育にどう生かされますか。
    【集団面接】社会に参画するために(11人・40分)/【論作文】主体的な学びを支援するために自らの強みをどう生かすか。
  • 【別の受験者・個人面接①②各15〜20分/面接官各3名という報告】教員に必要な資質能力を教えてください。/教育界の課題を教えてください。/教員の不祥事について教えてください。/教員、生徒と意見が食い違った時はどうしますか。/保健体育科教員として生徒に何を伝えたいですか。/競技経験から学んだことで生徒に伝えたいことを教えてください。/どんなクラスにしたいですか。/保健体育科教員として学校に担える役割を教えてください。/保護者からの過度なクレームにどう対応しますか。/総合的な探究の時間では保健体育科としてどのようなことができますか。/理想の授業とは何ですか。/授業でICTをどのように使いますか。/保健(座学)はつまらないというデータがありますが、どのように授業をしていきますか。/教員の多忙化についてはどう考えますか。/部活動のスポーツクラブへの移行をどのように考えますか。部活動でやらせるべきですか。/学生時代の役職経験が生かされていることはありますか。
    【論作文】ウェルビーイング・自己肯定感
    ※この報告は令和6年度採用として登録されていますが、報告された形式(個人面接①②)と論作文のテーマは令和7年度採用(2024年夏実施)のものと一致します。年度は確定できていません。

栃木県の実録は、令和6年度〜8年度採用分で13名分(うち質問内容の記載があるのは12名分)です。2026年10月時点では報告数が多くなく、あなたの1件が、この記事の密度を大きく変えます。受験された方の報告が、このページを育てます。受験報告はこちらから(2〜3分・匿名OK・お礼の特典PDFあり)。

傾向と対策|出題データと実録から見えた7つの傾向

市販の全国版過去問集4年分(令和4年度〜7年度採用・栃木県分249問)を独自に集計し、実録と突き合わせました。そこから見えた栃木県の法則がこちらです。

  1. 面接の軸は「6名中3名以上のA・B」と「Dを作らないこと」。選考基準に明記された面接の合格候補者要件は、原則として「D・Eがなく3名以上からA又はB」または「Dが1名のみで4名以上からA又はB」の2通りで、最終的には二次試験の結果や免許取得状況等を総合的に検討して決まります。全員を唸らせる必要はなく、誰か1人に強い違和感を持たれないことが最優先。極端な主張・言い切り・態度の粗さは、低い評価につながるおそれがあります。
  2. 「自己PR・長所短所」は、確認できた範囲では全国と比べて多め。願書に自己PR欄がないぶん、口頭で自己PRを求められる報告があります。1分・2分・3分の3パターンを作っておくと安心です。
  3. 質問の起点は「願書の活動歴・職歴調書」と「履歴書」。学歴・講師歴の確認から始まる報告が複数。書いた資格・活動・空白期間はすべて説明できる状態にしておきましょう。
  4. 場面指導は「保護者への対応」「学級全体への語りかけ」「児童生徒への個別指導」が報告されています。しかも同じ受験者に続けて出た報告があります。ロールプレイ型では相手役が反論してきます。
  5. 「教員の資質能力の向上のためにしていること」は複数の報告に出た質問。読書・研修・研究会など、いま続けている具体的な行動を1つ、変化とセットで語れるように。
  6. いじめ・不登校・特別支援・部活動の出題は、確認できた範囲では全国と比べて少なめ。そのぶん授業づくり・自己PR・保護者対応に厚みがあります。頻出でないテーマも準備は必要ですが、時間の配分は変えられます。
  7. 追質問の連鎖は、確認できた範囲では全国と比べてやや少なめ。それだけ見ると深掘りは少なめですが、実録では「不祥事の種類→対策→具体場面→さらに強く迫られたら」と3〜4段まで続いた報告があります。自分が出した言葉が次の質問になると考えて、答えの「その先」まで用意してください。

深掘り質問に強くなるコツは、面接官が「知りたい順番」を先回りして準備することです。この考え方は大学講演で詳しく解説しました。

とちぎの求める教師像(選考要項より)

栃木県は「〜自信と誇りをもって子どもたちと向き合える教師〜」として、次の3つを掲げています。

  • 人間性豊かで信頼される教師
  • 幅広い視野と確かな指導力をもった教師
  • 教育的愛情と使命感をもった教師

個人面接①の観点(人間性・協調性・堅実性)と個人面接②の観点(指導力・対応力・判断力)を、この3つに重ねてみてください。①は「人間性豊かで信頼される教師」、②は「幅広い視野と確かな指導力をもった教師」におおよそ対応すると考えられます。そして3つ目の「教育的愛情と使命感」は、①②どちらの回答にも通っておくとよい土台です。実録に「教育的愛情とは何ですか」という質問が出ているのは、この教師像と関係があると考えられます。

あわせて、選考要項の冒頭に載っている「栃木県教員育成指標」の教諭「採用時の姿」も確認しておきましょう。全体指標は「教員としての基礎・基本を理解するとともに、教職生活全体を通して自律的に学び続けようとする強い意志をもっている」。学習指導・児童生徒指導の指標でも「学び続けようとする強い意志」が繰り返されています。栃木県教員育成指標の「採用時の姿」からは、栃木県が新採用に求めているのは、完成された指導力よりも「学び続ける意志」だと読み取れます。「教員の資質能力の向上のためにしていることは?」が令和6年度採用の複数の報告に出ているのは、ここに通じているからだと考えられます。

そして令和8年2月には新しい「とちぎ教育ビジョン(2026-2030)」が策定されました。基本理念は「誰もが自分の可能性を開花させ ともに未来を描く とちぎの教育を実現します」。「一人一人のこどもを主語にする教育」「教員に求められる役割を、こどもたちの主体的な学びへの効果的な支援・伴走に転換していく」という言葉が明記されています。「伴走者」は論作文にも過去に出たキーワードです。栃木県公立学校教員採用総合ページから、その年の要項とあわせて確認しておいてください。

また、『生徒指導提要(改訂版)』には現代の教育課題に合わせた生徒指導の在り方が書かれています。栃木県では「生徒指導の定義」がそのまま論作文のテーマになった年があるので、面接・論作文の両方で必読です。

面接対策の「全体像」は、こちらの完全解説動画で体系的にまとめています。個別の質問対策に入る前に、一度この動画で土台を固めるのがおすすめです!

よくある質問

Q. 個人面接①と②は同じ日ですか?

A. はい。令和9年度採用の選考要項では「個人面接は8月20日(木)から8月22日(土)までの3日間のうちいずれか1日」と定められており、①②を同じ日に受けます。受験者報告でも「部屋は別」「各20分・合計40分」とされています。集合時間は第1次試験結果発表時に県教委ホームページに掲載され、開始時刻は当日の受付で本人に伝えられます。

Q. 場面指導は必ずありますか?

A. 選考要項・選考基準には「個人面接②(実践的な指導力に関する面接)」としか書かれていません。ただし令和6・7・9年度採用の受験者報告では、複数の年度・複数の校種で場面指導が実施されています。「30秒考えて3分実演」を基本の型として(養護教諭の報告には、構想1分程度・実演3〜5分程度や、構想30秒・実演1分程度もあります)練習しておくと、ロールプレイ型でも一斉指導型でも対応しやすくなります。

Q. 集団討論はもうないのですか?

A. 令和9年度採用の選考要項・選考基準に集団討論の記載はありません。受験者報告でも令和7年度採用(2024年夏実施)以降は登場しなくなりました。ただし制度は年度ごとに変わりますので、出願前に必ずその年の選考要項をご確認ください。

Q. 論作文は全員が受けるのですか?

A. いいえ。令和9年度採用では高等学校教諭・特別支援学校教諭・養護教諭(高・特)の志願者のみで、8月20日(木)の午前に50分・600〜1,000字で実施されます。小学校・中学校・養護教諭(小・中)の受験者には論作文がありません。ただし令和6年度採用(2023年夏実施)の受験者報告では小・中学校の方も論作文を受けており、対象は年度で変わっています。

■ 栃木県の論作文|過去5年の出題テーマと600〜1,000字・50分の書き方

Q. 実技はありますか?

A. 令和9年度採用では8月23日(日)に、中学校の音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語、高校の音楽・保健体育・家庭・英語・情報・電気・機械・建築で実施されます(各100点満点。合格候補者の要件は50点以上。ただし、選考区分によっては実技が免除されます)。内容は選考基準に明記されており、たとえば音楽は聴音・視唱・ピアノ実技・弾き歌い・専門実技、保健体育は必修(器械運動・陸上競技・ダンス)+球技1種目+武道1種目、情報はPythonによるプログラミング、電気は回路の製作、機械・建築は製図です。

Q. 圧迫面接ですか?

A. 報告では「緊張していますか、肩の力を抜いてくださいね」と声をかけられた例もあります。ただし場面指導のロールプレイでは相手役が反論してきますし、「学校での学習は学校で完結すべきではないですか」のような逆から突く質問も報告されています。詰められていると受け取らず、「考えを深めるための問いかけ」と捉えて落ち着いて答えてください。

Q. 試験結果は開示されますか?

A. 令和9年度採用の要項では、第2次試験の全受験者が、結果通知日から1か月間、県教委事務局(県庁舎南別館3階)で口頭による情報提供を受けられます(令和10年度採用の期間・場所は、当該年度の実施要項でご確認ください)。提供内容は個人面接①②の評価・論作文の評価・実技試験の得点。第1次試験の不合格者は学力試験の得点(一般教養・専門科目)を確認できます。本人確認書類と結果通知書を持参して来課する形式です。さらに第2次試験の不合格者には、総合成績がA(上位)・B(中位)・C(下位)の3段階で通知されます。

Q. 不合格だったAランクは、翌年に生かせますか?

A. はい。「前年度第2次試験Aランク特別選考」があり、同一の募集区分・教科・科目で志望し、書類選考の結果対象となれば第1次試験が全て免除されます(対象とならなかった場合は第1次試験の全てを受験します。令和8年度採用ではこの選考から35人が合格)。さらに令和9年度採用からは「追加合格者制度」が新設され、合格発表後から12月上旬頃までに、Aランクの不合格者から追加合格を出す場合があると明記されました。

■ 栃木県の特別選考と一次免除ルート|大学3年生・大学推薦・講師等経験者・現職教諭・加点制度

面接の手応えが気になる方へ

栃木県は面接が8月20〜22日、合格発表が9月25日(金)15時。1か月以上、結果を待つことになります。「あの答えでよかったのか」と面接を何度も再生してしまう時期です。面接官の反応の読み方と、手応えがなくても受かる理由はこちらの記事にまとめています。

■ 面接官の合格サイン・不合格サイン|手応えがボロボロでも受かる理由

また、東京都など他の自治体と併願する方は、形式が自治体ごと・年度ごとに違うため、各自治体の当該年度の要項で形式を確認しておくと準備がブレません。

■ 東京都教員採用試験の個人面接|過去問200問・3年分の実録と傾向対策

そして最後に。面接の最後に「言い残したことはありますか」と聞かれることがあります。ここで何を言うか、3パターンの実演を用意しました。

この記事では、受験者の皆さんからの情報提供と、公刊過去問の情報をそれぞれ参照しています。ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございます。応援しています!

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